第十話 自分がすべてを選んでいた
この記事はシリーズものです。
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僕が美紀と付き合ったのは、留置所に収監されていたときだ。
のちにそれを知った一部の友人たちは、僕の選択に疑問を抱いたり、批判的な意見を述べたりすることがあった。
ようするに、逮捕されている分際で女性に交際を申し込むなんて、おかしいというわけだ。
そんなふうに言いたくなる気持ちは、とてもよくわかる。
けれども、僕は反論したい。
違う、違うのだ。
言い訳がましいが、「付き合いたい」と言ったのは