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こころとからだ

私は小さな頃から、体育と美術が得意な方でした。
大学4年生に上がる春休みの頃に、スポーツ・ジムと写真屋のアルバイトを始めました。当時は、就職氷河期と言われる時期でもあり、私の夢でもあったアメリカ留学のために、語学力をつけたり、大きな世界を見てみたいと考えていた頃でした。前回も書きましたが、世界の全ての人に会ってみたいと憧れていた時期です。3年生までで必要な単位はほぼ全て取り終えていたので、卒論に向けて、ゼミに出席し、論文を仕上げる以外の時間は、ほぼ毎日アルバイトをしていました。午前中から夕方までは、写真屋さんへ行き、そのまま自転車で30分ほどかけて、スポーツ・ジムまで行って、深夜過ぎまでアルバイトをするような日々でした。アメリカ留学というかねてからの目的がしっかりしていたこともあり、とても楽しく充実した日々を暮らしていました。
写真屋さんでは、若松孝平さんという独学で写真を学ばれた方と出会い、作品集を見せていただいたこともあります。白黒の濃淡の調整の仕方や被写体の選択の仕方など、自分自身の表現の世界を広げている姿や自分に素直な生活の様子をとてもかっこよく、身近で見させていただいたのを覚えています。同時にまだアートの世界のことをよく理解していない私に、陶芸家の内田鋼一さんの作品集の写真撮影をされたとのことで図録を見させていただいたのを覚えています。内田さんの世界を巡って、行った先々の土を試すというお話や、機械では作れない、人間らしい曲線や表面で仕上げられた作品の数々の普遍的な美しさなど、とても刺激的でした。
同時に、スポーツ・ジムでもアルバイトを始めるのですが、面接早々、レッスンの担当ができるなら、採用できるかもとのことで、とりあえず、そのレッスンを体験してほしいとのことで、レッスンを受けることになりました。そのレッスンは、「Les Mills」の「Body Pump」というウェイトを利用した1時間ほどのトレーニングでした。全く理解していない状態で、言われるがままにトレーニングを受けてみたのですが、ついていくのが必死で終わった頃には、体が動かないくらいヘロヘロになっていました。実は、その後数日間も筋肉痛で体がガチガチになっていたのを覚えています。そんなトレーニングのインストラクターにならなければいけなかったので、普段の勤務の後(普段の勤務は11時か11時半くらいだったと思います…)、社員の方から「じゃ、練習しよう!」とい1時間程度、指導していただいたのを覚えています。その後は、近くの長浜ラーメンを食べ、帰宅は午前2時頃という日々が今となっては良い思い出です。最終的には、3ヶ月ほどの練習を経て、認定試験にも合格し、その後1年ほど、インストラクターとして、週2回ほどのレッスンを担当させていただきました。色々な会員さんとも楽しくコミュニケーションが取れて、とてもいい思い出です。
と同時に、スポーツ・ジムでのアルバイトのおかげで、トレーニングの基礎も勉強することができましたし、色々な年齢、身体的な特徴、精神状態など、体を動かすことの重要性や、心、体、思考の繋がりなども勉強することができました。当時、ひきこもりや不登校などで、寝たきりになって社会復帰ができない人たちがいることや、その状況でネガティヴな思考の繰り返しになってしまう傾向を改善するのに、自発的に動けない人の手首や足首などを他の人が動かしてあげることで、少しずつ改善して、積極的に社会復帰できるようになった事例を本で読んだ時には、とても感銘を受けました。
それからかれこれ20年ほどが経ちました。途中、ジムに行けなかった時期もありますが、今もグループでのウェイトを使ったトレーニングなど、定期的に参加しています。
体と心の関係について、また、機会がある時に書いていきたいと思います。

内田鋼一 / 若松孝平
http://banko-a-d-museum.com/top/index.html

Les Mills Body Pump
https://www.lesmills.com/jp/workouts/fitness-classes/bodypump/

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