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ラン・ローラ・ラン (映画070)

「ラン・ローラ・ラン」

「ラン・ローラ・ラン」は1999年に日本で公開されたトム・ティグヴァ監督作品です。「パルプ・フィクション」、あるいはクエンティン・タランティーノ監督を連想させられる作品及び監督です。尺の短い映画で調べると八十一分、主人公は赤い髪の女、タイトルが示すように走っているシーンが多く、ドイツの映画で希少性も高いです。オムニバス風な構成もそうですがモノクロ映像やアニメーションの差し込み、画面の分割等が散りばめられていて見応えがあります。特徴のある音楽もそうですがジャーマン・ロックを知る立場からすると納得もさせられる作品でもありました。「パルプ・フィクション」の影響を感じられますが嫌味のない作品です。極端な話、映画を作る機会があればこのような作品を作ってみたいと思わせる映画です。インパクトを与える趣旨が随所に表れていて、特に赤い髪や尺の短さは必要だったのかもしれません。予算や撮影に費やした時間もそれほどなかったことも予想できますが自主制作の感触も好感が持てます。付随して単館上映だったこともお洒落でありました。日本映画に例えるとATGや石井聰亙監督の初期を連想、特異な熱量を感じさせられる映画でもありました。

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