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読むサイクリング ~自転車本レビュー~ スポーツ自転車でまた走ろう!

ただの自転車好きが勝手に自転車本を批評します。
基本的にネタばれを気にせずつらつらと書いていきますので、気になる方は注意してください。

スポーツ自転車でまた走ろう! ~一生楽しめる自転車の選びかた・乗りかた

ライターでサイクリストの山本修二さんの一冊。MTBブームの火付け役らしく、その業界ではかなり名の知られた方のようです。
スポーツバイクと言えばロードバイクが主流ですが、本書はロードバイク以外をバックグラウンドに持つ著者ならではの主張が特徴です。


アンチロードバイクのスポーツ自転車入門本

スポーツ自転車の入門書というのは、多く出版されていると思いますが、ここまで反ロードバイク主義を徹底している本というのはないんじゃないでしょうかね。
第一章の章題が「さらば、ロードバイク至上主義」というのが、この本の特徴をハッキリ表しています。

入門者にロードバイクを勧めない理由がいくつか書かれています。機材としてロードバイクのピーキーさもありますが、ロードバイク界隈に定着している常識に対する疑問が筆者の根底にあると感じました。かなり共感できるものも多くありますので、いくつか挙げてみます。

・お金をかけなくていい
・高級パーツ=使いやすいものではない
・速く走る必要はない
・ビンディングペダルは必要ない
・サイクルコンピュータは捨てろ
・時速10kmくらいで予定を立てる
・サイクリングウェアより、一日を快適に過ごせるウェア
・ヘルメットは被らなくてもよい
・結局、自転車はなんでも問題ない

このへんは、自転車好きを名乗る人やショップスタッフさんが話す内容とは真逆かもしれません。しかし、読んでいて「やっぱり、そうだよね」と思う人も多いんじゃないでしょうか。私もその一人です。
ロードバイク乗りというのは、こういう考え方の人が多いというのを知る上でも、入門者にはぜひ読んでおいてほしい一冊です。


唯一の欠点は本のタイトル

この本はほんとうに良い本です。ただ、唯一にして最大の欠点は本のタイトルだと思います。

『スポーツ自転車でまた走ろう!』の「また」の部分がなぜついているのか、読み終えた後でもよく分かりません。(笑)

これだと、昔乗っていたけど最近乗らなくなった人向けの本に見えませんかね?でも、そういった内容は全然書かれていません。(笑)

もっと、ぱっと見で入門書と分かるような内容にすればいいのに……。
ともあれ、タイトル以外は素晴らしい本です。
ぜひ、みなさんも読んでみてください!おススメです!


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