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キャッシュレスの先にあるモノ⑥

こんにちは。ITジャーナリストの久原です。

 前回は、日本がキャッシュレスを普及させるにはどうすればいいのか?について整理してみました。
 今回は、デビットカードはキャッシュレスの救世主か?を考えていきたいと思います。

 前回の記事で利用者に対しても店舗側に対しても『お得だよ』という情報を大々的に流しているので、一時的には使われるのではないかと記載しました。
 理由はもちろん、キャンペーンが終わってしまったら、お得感を感じない人が増えるため、多くの人が使わなくなる可能性が高いということです。ただし、キャンペーン期間中に使ってみて便利だなと感じた人は使い続けるはですので、今後は使いやすさへの丁寧なサポートが大切になります。

 交通系ICカードが導入された当初も様々なキャンペーンを実施しユーザーの獲得を頑張っていました。「チャージがめんどくさそう」「使い方がわからないから切符でいいや」と言う人も少なくなく、普及するのかな?と感じていましたが、現在は交通系ICカードは生活の中で欠かせないものとなっています。なぜここまで普及したかと言えば、やはり便利だからということです。 交通系ICカードは、1枚あれば電車やバスも乗れ、駅の自動販売機や日本全国のコンビニで買い物も、読み取り機にかざして『ピッ』とするだけで完了です。しかもカードだけでなくスマホアプリとも連動できるところも、良いところかなと感じています。

 交通系ICカードの事例を考えると、やはりQRコード決済を普及させるためには便利さは必須です。
 QRコード決済のアプリに関してはチャージが正直面倒だと感じることはないでしょうか?これがもし銀行口座と結びつき、チャージする必要がなくなったらどうでしょうか?

 実はすでにこのようなサービスは出ており、それがデビットカードなのです。海外でデビットカードが流行っているのは、日本のようにATMが沢山設置されていなかったり、コンビニで24時間現金がおろせないといった不便さから普及したかもしれませんが、結局は便利だからが根本にある気がします。
 QRコード決済に関しても、実はデビットカードと紐付けるサービスもあります。すでに口座と紐付けて利用している人は、非常に便利だなと感じているので、引き続き継続して使っていく可能性は高いでしょう。

 ただ、口座と紐づけるとなると不正利用などの危険が伴う可能性があると躊躇される人も多いと思います。中国では支払いを行う際に店舗側に見せたQRコードを肩越しに写真でとられて不正利用されるなんて話もあります。
さすがに日本では対応済みのサービスが多く存在し「PayPay」はバーコードとQRコードの使用期限は「5分間」になっているなど、不正利用に関しては、各社対応していることも多く、ほかのサービスと比べて、それほど怖がる必要はないかな感じています。

 クレジットカード支払いよりも、デビットカードの支払いが3倍もあるスウェーデンは、冬季期間の現金輸送の困難さや慢性的な人で不足と犯罪対策として、900台のATMが撤去されたり現金を取り扱わない店舗を導入するなどし、キャッシュレス化を進めてきました。

 日本でも2019年4月1日にシェアサロン「GO TODAY SHAiRE SALON」(GTSS)がいち早く「完全キャッシュレス」の店舗として業界初の試みを行っています。決済割合として現金での支払いが多い美容院としては、かなり思い切ったお店が出たなと、ちょっとびっくりしました。
 こういった施策を臆することなく様々な業種で行っていくようになれば、日本も少しずつですが、キャッシュレス化が推進されるのではないかと感じています。

 次回はいよいよですが、キャッシュレスの先にあるモノは何か?という観点から少し掘り下げていければと思います。

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