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【異次元金融緩和の出口✨】非伝統的金融政策の修正とその懸念点:日経新聞解説📰2023/10/18

日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖

長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!


異次元緩和「出口」後はゼロ金利(十字路)

 日銀は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の運用を柔軟にして、金利形成を徐々に市場に戻すなど、ゆっくりだが着実に異次元金融緩和の出口に近づいている。

 2%物価安定目標の達成にはまだ距離があるという見方を崩していないものの、ここまでの物価上昇は日銀の想定以上である。日銀は、来年も賃上げが続くことを想定しながら、YCCやマイナス金利を終了し、異次元金融緩和の出口を抜けてくるだろう。

 出口を抜けた後はどういう金融政策が始まるのか。円安やインフレを抑えるために、利上げを行うという見方もあるが、異次元金融緩和が終わっても、買い入れた長期国債など日銀の資産は膨張したままだ。利上げに合わせて国債を売却すれば、長期金利の急騰リスクが顕在化する。

 また、多少金利を上げたぐらいでは為替や物価に与える効果はなく、欧米のような大幅な利上げを行えば、景気の腰折れや金融市場の混乱を引き起こしかねない。

 さらに、超過準備を抱えたまま利上げを行おうとすれば、欧米の中銀のように日銀も当座預金の付利を引き上げることになろう。日銀から金融機関への支払利息の増加に対する批判も出かねない。

 異次元金融緩和の出口を抜けた後はゼロ金利政策に移行し、しばらくは利上げが封印されそうだ。
つまり、非伝統的金融政策が続く。植田和男総裁にとり、異次元金融緩和の出口は通過点に過ぎない。目指すのは25年間続いた非伝統的金融政策からの出口だ。

 この出口を抜けるには、時間軸政策を併用して低金利を続け、潤沢な資金供給をしながら日銀が保有する長期国債の残高やマネタリーベースを徐々に減らしていく必要がある。出口までは何年もかかる困難な道のりとなるだろう。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング
 研究主幹 鈴木 明彦)

2023/10/18 日本経済新聞 夕刊 7ページ
日本国債10年

記事に対するコメント📝

足元の経済情勢を踏まえて日銀は、いつ追加の政策修正に動くのでしょうか??
来年度の4月には、何か新たな動きとしてマイナス金利解除が予想されているそうですね??

ただし、非伝統的金融政策を20年以上継続している日本経済は、その前に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正があるのではないでしょうか??

非伝統的金融政策からの出口に向けて動き始めた日銀ですが、世界経済の先行きがリスク要因となることは間違いありません💦

ウクライナ情勢や米欧の景気動向に加え、パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルの衝突も起きています💣

中東情勢は現時点では金融政策への影響は限定的なのかなと思いますが、いずれにせよネガティブなリスクの要因であることは事実です

私も現在、大学で金融政策などを専攻するゼミに所属しておりますが、指導教員である宮尾教授は「非伝統的金融政策」に関する著書を出版されています

非伝統的金融政策は本当に効果があるのか??

そもそも論、金融政策が実体経済に影響を与えることができるか否かは、政策担当者のみならず実は学問的にも論争の中心にある問題です

マクロ経済学の基礎モデルであるIS-LM分析においては、利子率が非常に低い水準でほぼ水平(貨幣の利子率に対する弾力性が無限大)になっているLM曲線と、通常の右下がりのIS曲線が交差する点に経済がある場合には、貨幣供給の増加は生産の増加につながらないという「流動性のわな:Liquidity Trap」と呼ばれている減少が確認されます

以下のリンクでもご確認いただけますが、Curdia and Woodford(2010)は動学一般均衡モデルを用いてこの現象を説明しているそうですね

しかし、上記の議論に対して異なる仮定の下で仮に中央銀行が非常に低い利子率(ゼロ金利に近い状態)に直面していたとしても、中央銀行は、実体経済を刺激する幾つかの代替的な金融緩和手段をもっているという主張も存在するのです

Bernanke and Reinhart(2004)などが代表的な先行研究です

具体的には➀非伝統的な資産の買い入れ
②フォワードガイダンス、です

「非伝統的な資産の買い入れ」は、2つの波及経路を通じて実体経済に影響を与えることが期待されます

第1の経路は、マネタリーベースの量を拡大することによるものです
中央銀行のバランスシートの負債総額の大きさを拡大することにより、民間に出回る通貨量(マネーサプライ)を増加させ、民間経済主体の保有する資産構成を変化させることを政策意図としています

この効果は「ポートフォリオ・リバランス効果」と呼ばれています

第2の経路は、中央銀行のバランスシートの資産構成の組み換えによって実体経済に働きかけようとするものです

続いて「フォワードガイダンス」は2種類に分けられることがわかります

1つは、将来の短期市場利子率の「期待」 を変化させることによって現在の中長期の利子率を変化させ、民間投資を喚起しようとするものです

中央銀行は短期利子率を制御することは基本的には可能です
したがって、将来の短期利子率を制御することも可能ですから「将来にわたっても長期間にわたるいろいろな形態に直面する短期市場利子率を0%に設定する」と中央銀行が今公表し約束することによって、長期・短期金利間の金利裁定を通じ、現在の長期金利を下げようとするものとなります

第2の手段は、非伝統的な資産の買い入れを将来にわたり継続することを世間に約束することになります
「2%のインフレ率目標を安定的に持続するために必要な時点まで資産買い入れを継続する」といった公表がその例と言えるでしょう

いずれにせよゼロ(短期市場)金利に直面した中央銀行がさらに金融を緩和し、実体経済に働きかけることが出来るかという問題に関しては学界でも意見が分かれていることは事実なのです💦

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