異次元金融緩和

アベノミクスの6年間に世界は大きく変わった

2012年の暮れに第2次安倍晋三内閣が発足。2013年4月には、異次元金融緩和政策が開始された。これによって日本経済が復活するとの期待があった。企業利益は増加し、株価は上昇した。
 日本のGDPは、名目では2012年の495兆円から2017年の547兆円へと10.4%増加した。実質では、495兆円から532兆円へと7.4%の増加だった。
 ただし、ドルベースで見ると、円安が進行したため、6.2兆ド

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第8章の9:第2次大戦はどう賄われたか?(その3)

『マネーの魔術史』(新潮選書)が刊行されます(2019年5月20日予定)。
「第8章 戦争とマネー」を9回に分けて全文公開します。

◇実質戦費がどの程度だったかは、複雑な問題 
 日華事変と太平洋戦争の戦費の総額は、『昭和財政史』によれば、7559億円とされている。
 しかし、この中で、「臨時事件費」が5623億円であり、7559億円の約4分の3もの比重を占めている。この額は、ほぼ外資金庫の損失

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対外対内証券投資の状況 2014-2018

居住者の対外証券投資では株式投資の規模が年10兆円規模とかなり大きいことがわかる。債券投資では中長期債に偏っていることが分かる。
 非居住者の対内株式投資は近年ネット(純増減)で見る限りは、居住者の対外投資に比べて細く、しばしば流出超過になっている。同じことが対外直接投資、対内直接投資についてもいえる。対外直接投資の大きさに比べて対内直接投資は6分の1、8分の1といった規模である。
 このような日

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ありがとうございます

銀行と証券の収益状況 2017年度

銀行については、国内業務が異次元金融緩和の利ザヤ圧縮で収益が悪くなっていることに加えて、国際業務が運用コストの増加により、採算が悪化した。店舗やATMの効率化の必要が指摘されるなか、これまで当たり前とされてきた業務の在り方の変革が求められている。証券会社については、トレーディング損益がおしなべて悪化したことが注目点である。この収益悪化の理由の一つは異次元金融緩和による市場の流動性喪失にある。そうし

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間違った報道はしないでほしい

「フェイクニュース」ということが言われる。
 日本の新聞はフェイクニュースを流さないと考えられている。しかし、そんなことはない。
 経済の問題で話がやや専門的になると、平気でフェイクニュースを流している。
 その典型が、「2013年からの異次元金融緩和策によって、市中に流通するマネーがじゃぶじゃぶに増えた」との説明だ。
 この説明は、金融緩和についての記事で、決まり文句のように出てくる。
 しかし

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平成時代についてのクイズ(その4)

あなたは、どの程度答えられますか?
あなたの周りの人々の正解率を確かめてみましょう。

・「異次元金融緩和によってマーケットに大量のマネーが供給された」と言われるのですが、実際にはそうはなっていません。それは、どんな指標を見れば分かるでしょうか?答えは第8章の1

・「異次元金融緩和」とは、具体的には、実際には何をどのようにすることなのでしょうか?答えは第8章の1。

・アベノミクスによって円安が

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超高層マンションと世界経済、ラストはおもてなし。

最近超高層マンションが増えたなあ。

広告でも億単位が当たり前の相場なので、そんな物件を買える金持ちなどがいるのだなあと思う。

我が街にも超高層マンションはある。

駅も近くて免震構造は当たり前。

最上階に住む者は庶民が行き交う街を見下ろし、まさに経済戦国時代の城の天守閣の主だ。

タワマンなんて部屋の値段も建物の高さも高いだけじゃねえか。いちいちエレベーターを待つのも面倒だ。なにが「コンシェ

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日銀は金融緩和から密かに脱出中

日本銀行は、形式的には、金融緩和政策を継続するとしている。しかし、実際には、密かに緩和政策から脱出しようとしている。

 日 銀は、2013年4月4日の「量的・質的金融緩和の導入について」(いわゆる「異次元金融緩和」)において、「長期国債の保有残高が年間約50兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う」
とした。
 さらに、2014年10月31日の「量的・質的金融緩和の拡大」(追加緩和)にお

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為替レートで振り回される企業利益

「アベノミクスは企業の活動を活発化させた」とされているが、そうした効果はなかった。
 ここ数年間の日本企業の売上高や営業利益は、為替レートの変動によって振り回されてきただけだ。
 日本経済の成長のためには、物価上昇率ではなく、実質消費の成長を目標とする必要がある。

 まず、売上高と営業利益の対前年同期比をみよう。
 図表1に示す通り、2013年以降、営業利益が顕著に増加した時期が3回あった。この

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日本経済入門

動画とナレーションによる日本経済の入門説明。つぎの内容について、約14分で説明しています。上の画面をクリックしてください。

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