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20代デザイナー、デザイン史を学ぶ〜まとめ①から⑤ きっかけからデザインの語源まで

こんにちは、今まで書いてきたデザイン史をまとめて見ました。まとめて読みたい方はこちらをどうぞ!

20代デザイナー、デザイン史を学ぶ①


こんばんは、今日は、デザイン史について考えたいと思います。私は、ここ1、2年でデザイン史について学びたいという思いが強くなりデザイン史の本を読んでいます。こういった学んだことのアウトプットをここのnoteに少しずつ書いていきたいと思います。

学ぶきっかけは

明確にデザイン史を学びたいと思った瞬間というものは特に覚えていないのですが、社会人となり、自分が商品開発に関わるようになり、モノを作ることというのを深く考えたいと思いました。

学生の時は、特にデザイン史に興味はありませんでした。これは、自分で考えたものが、大学内、広くてコンペ内でしか社会との関わり、自分が影響を与える範囲がなかったからかも知れません。

しかし、現在、メーカーに勤めるようにようになり、自分が開発に関わったものが日本国内、広くて海外までいくことがあり、自分と社会との関わりが深くなりました。

こうした上で、自分も小さいながらも社会に影響を与える一員となったため、今までどのようなモノが社会に影響を与えたのだろう、社会のどのような状況で、モノが生まれたのだろうと考えるようになりました。

これは、おそらく自分が仲良くなった人の過去が気になったりする現象と同じ現象だと思います。

ちょっとずつのアウトプット

というわけで、デザイン史について学んだことをアウトプットしていきたいのですが、歴史は長くちょっとずつアウトプットしていきたいと思います。

絵ときデザイン史は、デザイン史の主な出来事を絵を簡潔な文章で説明されているので、すぐに読め、簡単に見返すのにも良い本です。

図鑑デザイン全史は、内容もさることながら大迫力の大きなデザインの写真に視覚的に覚えやすい本です。

近代から現代までのデザイン史入門は、デザインとは何かから90年代のデザインまで丁寧に書かれていて、教科書のような本で読み応えがあります。

次回、以降、アウトプットを始めたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。

20代デザイナー、デザイン史を学ぶ②〜ゴシックはフォント?〜


こんばんは、今日はゴシックについて少し書いていきたいと思います。ゴシックというとヒラギノゴシックなどフォントの名称に使われているイメージがあります。

ゴシック体といわれるフォントとして、明朝体と並ぶ日本語フォントの種類の一つです。このnoteのフォントもゴシック体です。特徴としては、フォントの太さが均一に見え、一瞬で読みやすいことです。

そんなゴシックという言葉のルーツはどこにあるのか、今日は調べてきたので書いていきたいと思います。

ゴシック様式

ゴシック様式とは、12世紀後半〜15世紀の中世のヨーロッパに建てられた教会の建築様式のことで、フランス発祥でヨーロッパに広がったようです。建築の特徴としては、先の尖った塔やアーチ、大聖堂の巨大なステンドグラスなどがあります。

フォント由来かと思っていましたが、建築の由来だったそうです。ゴシックと名前はヨーロッパっぽいなと思っていました。

ゴシックという呼称は、もともと蔑称であったそうです。ゲルマン系民族の「ゴート風の」に由来して言われていたそうです。これは、ルネサンス前の芸術に「野蛮な」を意味する言葉で使われていました。

ちなみにルネサンスとは、ギリシア,ローマの古代文化を理想とし,それを復興させつつ新しい文化を生み出そうとする運動で,思想,文学,美術,建築など多方面にわたった運動や時代を指す言葉のことです。

その後、中世の様多様な文化を意味する言葉として使われました。そんな18世紀後半にイギリスで広まったゴシック様式の復興を志向したスタイルは「ゴシック・リヴァイバル」と言われています。

一つの言葉でもそこには、何百年の歴史が詰まっている、そんなことを感じます。では、なぜ、ゴシック体と言われるようになったのでしょうか。


ゴシック体の由来

公益社団法人日本印刷技術教会のホームページには以下のことが書かれていました。

15世紀中期に、近代印刷術の祖といわれるのがドイツの金細工師グーテンベルクが開発した活字印刷術に用いられたラテン文字を開発しました。これは、後年にドイツの国字となりドイツ・ゴシックと呼ばれます。

その後、印刷術が各国に伝わり、この書体も普及しましたが、イタリアでは読みにくさからローマ時代の書体を元ににローマン体が創作されました。ヨーロッパでゴシックと言えばこの装飾された文字を示します。

20世紀になるとサンセリフと言う書体が開発され、これが太さが一様なセリフ(ウロコ)の無い文字なのです。アメリカのベントンは創作したサンセリフ体に「オルタネート・ゴシック」(ゴシックに替わる書体の意味)と命名しました。

この活字が日本に輸入され,長い書体名を略して「ゴシック」と呼ばれて、いつのまにか「ゴシック」として日本に定着してしまったと言われています。
当時の日本では印刷の題名や見出し書体に隷書体を用いるものがありましたが,欧文のゴシック活字が輸入されると、このデザインに触発されて和文のサンセリフ体が設計されました。これを日本ではゴシック体と呼称し「呉竹体」と漢字書きされることもありました。中国では黒体と呼んでいます。

(公益社団法人日本印刷技術教会より引用)


ということだそうです。ヨーロッパの建築から始まり、アメリカに渡り、日本にくるという長い旅がゴシックには隠されていたですね。普段、何がなく目にするものが実は世界につながる歴史があると思うと一つ一つのものにもっと目を通していかないとと思いました。

また、ゴシック体がサンセリフ体と呼ばないものゴシック建築の歴史を知ることでしっくりきました。

こんな感じでデザイン史について学んでいきたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。

20代デザイナー、デザイン史を学ぶ③〜印刷が身近になった立役者〜


こんばんは、今日は印刷革命と言われる中心人物、グーテンベルクについて書きたいと思います。

最近では、デジタルの普及によって紙の存在が薄まりつつある世の中ですが、印刷技術が発明された当時は当然ながらものすごいことであったことでしょう。

活版印刷

印刷が広まったとされる活版技術を使った印刷方法をヨーロッパで考案したとされるのがグーテンベルクです。活版印刷とは何かというと、活字と言われる金属の文字を組み合わせて作った印刷方法です。

印刷されたものは、凹凸の大変味わい深い印刷となっています。私も生で作業している風景を見たことがないので、見てみたい作業の一つです。下の動画は活版印刷の作業風景です。

グーテンベルク

ヨハネス・グーテンベルク(1398年-1468年)はドイツ出身の金属加工職人、印刷業者です。活版印刷による西洋初の本格的書物「グーテンベルク聖書」を14世紀に印行しました。

それまで東洋で、活版印刷は発明されていましたが、漢字の多い東洋ではあまり広がりませんでした。

グーテンベルクが優れていたのは、鋳造しやすい鉛合金の採用、正確で安定した鋳造技術、活版印刷に適した油性インキの改良、印刷機の開発など、近代的な活版印刷技術が確立しました。

この活版印刷には、それまで主流だった写本や木版よりも高い生産性があったため、ヨーロッパ各地に普及し、さらに世界中に広まっていきました。これにより、人々の識字率が上がり、教養が広がりました。

ちなみにグーテンベルク聖書で印刷されたフォントはブラックレター体と言われるフォントです。ブラックレター体は、ヨーロッパ北部で作られた手書きの書物に使われていたフォント、教会や修道院で使われ普及しています。

その後

活版印刷の普及によって書物のデザインが発達しました。多くのものが普及されることで新しいものが生まれる、人々の意識が変わる、文明が進化する歴史的な例です。

なくなりつつある紙の本ですが、こういった歴史を感じて読むと、また違ったものに見えるかもしれません。また、活版印刷もなくなりつつあるのでこちらの技術についても深く勉強が必要だと感じました。

読んでいただきありがとうございました。

20代デザイナー、デザイン史を学ぶ④〜全体をみる〜


こんばんは、今日はデザイン史について書いていきたいと思います。このシリーズが始まって思ったことは、あるところを掘り下げる前にまず、全体の概要を自分の中で整理した方がよいと思いました。
そう思ったのでデザイン史で使われる単語を簡単にまとめてみます。

〜1900年代

アーツ&クラフツ運動
ウィリアム・モリスが主導したデザイン運動
ジャポニズム
19世紀後半にヨーロッパで流行した日本趣味
アール・ヌーヴォー
ヨーロッパを中心に開花した国際的な美術運動

1900〜1940年代

ドイツ工作連盟
機械生産を肯定し、製品の質的向上を目的として、ドイツに設立された団体
デ・ステイル
画家テオ・ファン・ドゥースブルフを中心とした前衛芸術冊子、および画家や建築家の国際的な活動
バウハウス
ドイツ中部の街ワイマール共和国に設立された、美術学校
アール・デコ
ヨーロッパおよびアメリカ合衆国(ニューヨーク)を中心に流行、発展した装飾の一傾向。

1940〜現代

インダストリアルデザイン
工業製品の形状や色彩、材質などのバランスを見極めながら細かい使用を決定し、大量に生産することを前提としたデザイン活動ドイツのデザイン
アメリカのデザイン
アメリカで行われたデザイン
イタリアのデザイン
イタリアで行われたデザイン
スカンジナビアデザイン
北欧で行われたデザイン
ウルム造形大学

1953年、当時の西ドイツにあるウルム市に設立された造形大学

1960〜現代

ミニマリズム
必要最小限まで省略する表現スタイル
ユニバーサルデザイン
文化・言語・国籍や年齢・性別・能力などの違いにかかわらず、出来るだけ多くの人が利用できることを目指した デザイン
エコデザイン
地球に配慮したデザイン

2000〜現代

デザイン思考
デザイナーがデザインを行う過程で用いる活用した思考方法
UXデザイン
サービスやプロダクトを通じたユーザーの顧客体験のすべてを設計すること
かなりざっくりまとめましたが、やはりここが重要と思ったところは随時追加していきます。こうしてまとめてみると単語が整理されてなんとなく流れがわかってきました。しかしこうしてみるとデザイン史と言われる言葉はここ100年で中心にでてきたことに驚きました。
わずか100年でこんなにも変わるのですから、今から100年後も大きく変わる可能性があります。そういった未来も予測するためにも過去の出来事、特にデザインに関わっていく者としてはデザイン史を学ぶことは非常に役立つことだと思いました。
また、これ以外にも個人的に気になる出来事もまとめていけたらと思います。
読んでいただきありがとうございました。

20代デザイナー、デザイン史を学ぶ⑤〜デザインの語源〜


こんにちは、本日はデザインの語源について調べてみました。現代では、デザインは意匠や設計などの意味がありますが、元々はどのような言葉であったのでしょうか。

主にデザインの語源と言われているのは、ラテン語のdesinare(デジナーレ)という言葉です。designのつづりに近いです。ちなみにラテン語とは、ギリシア語と並んで西欧の古典語であるラテン語Latinは、古代ローマ帝国の公用語であり、中世から近代の初めに至るまでカトリック教会を中心とする全ヨーロッパの知識層の、いわば共通の文語であったそうです。

意味は、de=下に、signare=署名するの意味から、計画を記号に記す、骨組みを作る、工夫するという意味があります。さらに語源はsignumという言葉で、こちらはスタンプという意味です。

語源からもデザインの行為に改めて考えさせられます。デザインとは、意匠面が注目されがちですが、それ以前に計画し意図を伝える行為であることがこの言葉から読み取れます。ただそれだけの思考だけでなく、署名する、つまりはアウトプットをしっかりとしていかないといけないとも思いました。

最近、デザインという言葉に意識して触れてこなかった方たちとデザインとは何かを話す機会があり、デザインとは意匠面だけではないということを伝える方法を模索していました。

このような語源の説明をすると、うまく伝わるのではないかとも考えました。デザインで大切なのは、行為を探ることだと語源から感じる学びでした。

読んでいただきありがとうございました。

<参考文献>
絵ときデザイン史
図鑑デザイン史
近代から現代まで〜デザイン史入門〜
ゴシック様式の意味・解説(SUUMO)
明朝体とゴシック体の言葉の語源は?(公益社団法人日本印刷技術教会)
ゴシック建築(Wikipedia)
ヨハネス・グーテンベルク - Wikipedia
絵ときデザイン史
となりのヘルベチカ
CAPPAN STUDIO
印刷博物館

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