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フィールドプレイが大好物だったデザイナーがデザインマネジメントと向き合ってみて

こんにちは。
株式会社Schoo(スクー)でデザイナーをしています、石渡です。
Schooに入社してはや4年7ヶ月が過ぎましたが、今年の10月にデザインマネージャーから部長になり、デザイン組織としても開発付きのユニットから独立し部門化されたということもあり、以前も十分チャレンジングな環境ではありましたが、さらにチャレンジングで目まぐるしい日々を楽しく送っています。

これは前置きになりますが、僕はSchooに入社する前、Web制作会社とWEBサービスを運営する事業会社で働いておりまして、どちらの会社でもエンジニアさんやディレクターさんとツーマンセル的に動きながら、デザイン業務やら開発やらをガシガシ自分1人でこなすのが得意なタイプで、デザインマネージャーをお任せいただいた当初はチームマネジメントはおろか、自分以外のデザイナーの生態系もろくに知らない状態でした。
僕はサッカーが好きなので、サッカー用語で自分を表現するならフィールドプレイ大好きでコートを縦横無尽に駆け回りたがるボックス・トゥ・ボックスタイプの人間だと思っています。スタミナとフィジカルが強いイングランドのサッカー選手に多いタイプですね。

そんなスタンドアローン全開のマネージャー気質ゼロだった自分が、2年ほどマネジメント職をやらさせていただいたうえでの拙い経験をつらつら書くと思うので、さぞ読みづらい部分あるかと思いますが、予めご承知いただけたら幸いです。

僕らについて

株式会社Schooには現在4名のデザイナーが在籍しています。
我々のschoo.jpというサービスは、動画コンテンツをメインに扱っており、毎日自社のスタジオから生放送を配信している特性上、デザイナーが関われる仕事というのがUIやWEBのデザインだけでなく、映像内のテロップやスタジオ美術なども必要とあらば制作していたり、法人事業のプロダクトを跨ぐとさらに幅広く多岐に渡ります。

役割の構成としては大雑把に分けるとUIデザイナーが2名、放送コンテンツデザイナーが1名、アートディレクターが1名という構成で、少ない人数ながらも、これらの幅広い業務をチームで協力し合いながら開発・制作しています。

サッカーの戦術で例えるなら(世代モロ出しで恐れ入りますが...)名将ヨハン・クライフのトータルフットボールの様なチームスタイルに近いかなと思っています。

少人数で小さい輪を作りながら細かいパスをつなぎ、スペースをうまく作りながら、その空いたスペースからシュートを切り込んだり。もしもボールを奪われたら全員でハイプレスをかけるみたいな。
わかりづらいですね、この例え。


要するに、役割をかっちり決めすぎずシーンによって各自やることをコンバートしたり、他メンバーをフォローするという感じです。

今までのデザインチームの役割

部門として独立する前は、開発部の中のデザイン機能として存在しており、全事業の中でも特にBtoC事業のプロダクト開発やコンテンツ制作に関わることが多く、法人事業や部署単位でいうとバックオフィスやマーケ、CSなどでデザイン的なリソースが必要とされる際などに、サポートがあまり出来ていない状態でした。

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BtoCプロダクトの開発チームとの連携に特化していたため、開発自体は非常にスピーディに行っており、チームの連携もうまくいっていたのですが、
その反面デザインが介在できるリソースが新規の機能開発とコンテンツ制作に偏っており、サービス全体のデザイン的なメンテナンスやデザインシステムの構築、コーポレートブランディング、会社全体で日々発生しているであろうデザイン的な業務が、置いてけぼりになっていた事に課題感を少し感じていました。
あとはサービスを運営する事業会社ではよく起こりがちなのかもしれませんが、社内にいるほとんどのデザイナーが、UIもしくはWEBデザイナー化してきてしまい、本来の広義の意味でのデザイン機能が損なわれていくことにも不安を感じていましたし、デザイナーのキャリアパスとしてUI一辺倒しか用意できないデザイン組織にしたくないという思いもありました。

そして、これから

デザインチームが経営直下の組織になったことで、僕自身も経営会議に参加するようになったり、単純にサービスの一部としてのデザイン機能ではなく、Schooにおいて必要とされる「デザイン」をもっと俯瞰して感じ取りながら、それらを自分たちで優先順位をつけつつ施していく必要性を感じています。

今すぐには実現は難しいかもしれませんが、デザインがもっと会社組織全体における「ハブ」のような存在になり、プロダクトや会社の成長を加速させ最大化させる潤滑剤のような存在なりたいと考えています。
まずやらなければいけないのは、正直言って今はデザインがどれぐらい事業や会社組織に影響を与えられているかをうまく言語化できていないところがあると思っているので、これらを分かりやすく可視化していく必要があるんだろうなと思ってます。

あと、一般的なデザイン組織論でも言われてますが、「デザイン」は別にデザイナーだけのモノではなく、UXリサーチとかコミュニティデザインなどのようにグラフィックとかの意匠をつくることだけがデザインでもなかったりするので、色んな職種の人が「デザイン」に触れられるようにデザイナーたちが啓蒙していく必要があるかなと思ってます。(実際一番やりたいのはこういうことだったり)

理想とする図(今スグはできないけど

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誤解ないようお伝えしたいのが、プロダクトや機能開発に割いていた今あるリソースをもっと会社全体に押し並べて分散しようと考えているのではなく、僕らが事業や会社をドライブさせる機能をもつために、まずは自分たちがしたいことをするためのフォーメーションを考え、そのフォーメーションを作るために足らないピースを自分たちでちゃんと把握しておくことと、そのピースを埋めていく活動をやりつづけることが大切だと思っています。

組織作りというのは想像してた以上に揮発性が高いものだと痛感しているここ最近ですので、上記のように自分たちチームがどういう戦術で戦おうとしていて、それが実現可能なリソースがあるのかと、そもそもチーム状態が健康なのかを常に俯瞰して見て、何かおきた時に対処すべき方法を日々イメトレしておくことが重要なんだろなと思っています。

サッカーの試合でもケガは絶対付き物ですが、ケガをしないように全員が「安全な試合運び」をしていたら多分負けてしまうので、そこで大事になってくるのは流動的な戦術(フォーメーション)とバックアップ(フォローできる仕組み)だと思います。トータルフットボール的な戦術を取り入れていることで有名な強豪FCバルセロナですが、メンバー全員が流動的にポジションをマルチにこなしながら凄い数のショートパスで試合を展開するので、負担がキープレーヤーだけにかからずチーム全体に分散されて、ケガ人がそもそも出づらいのと、メッシのようなキープレーヤーがいざという時に瞬発力が出せる力を温存できるというのが、一つの強さの秘訣なんじゃないかなと個人的に思ってます。
(パスで振り回されて相手チームがヘトヘトになるので、自分たちが有利に試合展開できるというのも秀逸な戦術ですね...)


今とりかかっていることリスト

下記は10月の組織改変に伴い、デザイナー駆動で動いているプロジェクトのリストです。どのプロジェクトも来年の4月(残り4ヶ月...)を目処にローンチできるように動いています。

・アプリのユーザー体験およびUIの全体最適・統制
・会社およびサービスのブランディング
・働く環境、場のデザイン

足らないピースを探して

上述のとおり求められる役割も多く、質もさることながらスピードを落とさず価値あるプロダクト・価値あるユーザー体験を提供していくためには、今はもっとデザイナーの力が必要だと思っています。
まだまだデザイン組織としては人数も少なく、成長の伸び代しかないと思っているので、一緒にこの伸び代を埋めていってくれる方を探しております。Schooのサービスや組織文化をデザインで強くする取り組みを一緒にできる方の応募を心よりお待ちしています。