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【レジェンド対談②】想いの強さ、言葉の強さ #1152

おはようございます。
家の前がラージヒルみたいになってる森下です。

トップアスリートは「スイッチを入れる言葉(Qワード)」持っていて、テクニックとして使ってるんだよ、というお話です。

<言葉の力>

前回に引き続き、お正月に放送されたボクシング界のレジェンドの村田諒太さんと、プロ車椅子テニス界のレジェンドの国枝慎吾選手の対談番組の中から、僕の観点で印象に残ったことをお伝えさせていただきます。

前回の記事はこちら↓

番組の中でも放送されていましたが、
国枝さんは「おれは最強だ!」という言葉を自分に言い聞かせながらプレーをしていたそうです。

そのことについて、村田さんから「本当に強い人間は言葉自体必要ないじゃないですか。"おれは最強だ!"には国枝さんの心の葛藤が見えるのですが…」と国枝さんに質問をしていました。

すると、国枝さんは「いつも"俺は最強!"と思ってたらヤバいやつじゃないですか」と答えていました。(確かにそうだ笑)

自分のネガティブなイメージを切り替えるためのメンタルトレーニングの一環として、「俺は最強だ!」という言葉を使っていたそうです。

(この言葉を使ったスキル(セルフトーク)が国枝さんのブレイクスルーになったそうです)

「俺は最強だ!」という言葉を使う時に、「最強な自分はどんな自分か」という理想の自分のイメージを作ります。

国枝さんの場合はサーブを打つ前にネガティブなイメージ(弱気になる自分)が出てくることがあったため、「俺は最強だ!」と言うことで、最強の自分をイメージした状態で自信を持ってサーブを打つトレーニングをしていたそうです。(ラケットにも俺は最強だ!という言葉が書いてあるシールを貼ってたのだそう)

例えば、「最強の自分はこの場面を楽しめるはずだよな」とか「最強の自分だったら余計なことを考えないでサーブを思い切り振り抜くよな」という感じで、実際に言葉にしたり、言葉をイメージすることで自分を俯瞰して考えることが出来るため、気持ちの切り替え、セルフコントロールにもなるんです。

理想の自分をイメージする他にも、憧れの選手、偉人だったらどうするか、どう考えるかをイメージするのも効果的です。身近にいる尊敬できる人とかでもいいと思います。

トップアスリートでも辛い練習や疲れてる時なんかは練習のモチベーションが上がらなかったり、集中できなかったりする時もあるわけです。

競技以外のことでもネガティブになることはあるだろうし、なにかの選択肢で迷う時もあるかと思います。

そんな時に「最強の自分はどうあるべきか」「あの選手だったらどうするのか」を考えることで、理想のイメージができ、理想の行動を移すことができるようになります。

<セルフトーク>

セルフトークとはわかりやすく言うと「独り言」です。
メンタルトレーニングでは主流の、言葉を使った心理的スキルです。

人は無意識のうちにネガティブな言葉を使っていることが多いと言われています。(だいたい7割くらいはネガティブな言葉なんだとか)

「ヤバい」「疲れた」「眠い」「もう帰りたい」「最悪」「無理」「お腹すいた〜」みたいなことを言ってはないでしょうか。(僕は常にお腹すいてる)

みなさんも一日の自分のひとりごとや会話を、もし記録してみたらネガティブな言葉の多さに驚くかもしれません。

僕の大師匠(東海大学を勇退された高妻先生)がプロゴルファーのラウンド中にレコーダーでどんな言葉を発しているかを調べたところ、ネガティブな言葉が多い選手は、そうでない選手と比べてパフォーマンスが下がってしまったそうです。

なぜネガティブな言葉を使うとパフォーマンスが下がってしまうのかといえば、言葉は使うことでイメージを作ることができるからです。

ポジティブな言葉にはポジティブなイメージが乗っかってるし、ネガティブな言葉にはネガティブなイメージが乗っかっているんですね。

人はイメージが出来ればその通りに行動することが出来ると言われています。逆を言えばイメージしたことは行動に移してしまうとも言えます。

なので「疲れた」と言えば「疲れた」自分のイメージが出てきて実際に疲れてくる、「ヤバい」と言えば「焦ってる」自分のイメージが出てきて、パニックになるというわけです。

国枝さんのサーブの場合ですと、サーブ前に「俺は最強だ!」という言葉を言ったり見たりすることで、最強の自分に相応しいサーブを打っている姿をイメージができます。

ネガティブなイメージのままサーブを打つのと、最強のイメージを持ってサーブを打つのとどちらが良いパフォーマンスが出せるかは考えるまでもありませんよね。

<思い込みの強さ>

イメージの持つ強さはすごくて、イメージができれば行動が変わるるし、イメージが鮮明になればなるほど(思い込めば思い込むほど)より、実現しやすくなります。

「痛いの痛いの飛んでいけ」でお馴染みのプラシーボ効果という言葉は有名かと思いますが、これこそまさに思い込みの力です。

これとは逆でノシーボ効果というものもありまして、1996年にレベッカ・フェルカー博士が発表した研究によれば、「自分は心臓病にかかりやすい」と信じている女性の死亡率は、そう信じていない女性の4倍にのぼったそうです。

思い込みが身体への影響を及ぼすメカニズムはまだまだ解明されてはいませんが、「痛いの痛いのとんでいけ」で痛みが和らぐのも、「私は心臓病にかかりやすい」で病気にかかりやすくなるのも、どちらも思い込みによって身体が何らかの反応を起こしたということになります。

国枝さんのサーブもまさに思い込みの力を使っていて、ポジティブな言葉を意図的に使い、ポジティブなイメージを持つことで、思考や行動をコントロールしています。

ピンチや不安をどう捉えるかの解釈によって、身体の反応や行動は変わっていくし、テクニックとして言葉を使うことで(セルフトーク)、変えていくことも可能なのです。

<まとめ>

①言葉にしたり、言葉をイメージすることで自分を俯瞰して考えることが出来るため、気持ちの切り替え、セルフコントロールにもなる

②ポジティブな言葉にはポジティブなイメージが、ネガティブな言葉にはネガティブなイメージが乗っかっている。人はイメージが出来ればその通りに行動することが出来る。

③ピンチや不安をどう捉えるかの解釈によって、身体の反応や行動は変わっていくし、テクニックとして言葉を使うことで(セルフトーク)、変えていくことも可能

心の底からそう思えていなかったとしても、言葉を意識的に使ったり、演じることで思考や行動をコントロールできるようになります!

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森下健(もりしたけん)
1986/10/31 埼玉県三郷市出身。
学生時代は水泳に没頭。専門種目はバタフライ。現在はトライアスロンにハマっている。青春真っ只中。
奥様と息子(6歳)と娘(2歳)の4人家族。横浜在住。
メンタルトレーニングの情報を中心に書きたいと思います。

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