「遠慮」はしないけど「配慮」はする
巨人の調子がすこぶるいいです。
2019年7月9日時点で、2位に8.5ゲーム差の首位!
巨人以外のセ・リーグ5チームはみんな借金を抱えている(トータルの勝敗数で負け越している)という、まさに独走状態。
そんな巨人の今年の最も大きな変化といえば、そう、原辰徳(はら たつのり)監督の復帰です。
引用:スポーツ報知
きのうの試合は、原監督の名将たる所以のひとつが顕著に表れた試合になりました。
まずはジャイアンツの9回の攻撃、4番の岡本選手に送りバントを命じました。
『巨人の4番』というのは、他の球団の4番とはまた少し違った、とても歴史とその重みのある称号です。
他の監督だと、そこに気を使ってなかなか犠打なんてさせられません。
しかしそこで、原監督はやってしまいます。
1-0という投手戦で、もう1点欲しい、状況は無死1,2塁というチャンス。
しかも4番とはいえ、岡本選手は本調子ではありません。
そういった様々な状況を総合的に判断して、『勝つための最善策』として当たり前のようにバントをさせます。
そこには『巨人の4番だから』とか『岡本が傷つくかな』とかといった、無用な遠慮は存在しないのです。
そしてその9回の裏、巨人はマウンドにマシソンを送り込みます。
マシソンは長年ジャイアンツのブルペンを支えてきてくれている、巨人中継ぎ陣の大黒柱です。
彼なりのプライドもあるでしょう。
そんな彼を最終回のマウンドに送り出しておきながら、原監督は2死を取ったタイミングで、スパッと23歳の田口に代えます。
ランナーを出したわけでもないのに、しかもこうなると、セーブポイントは田口につくのに。
しかし原監督は、代えるのです。
故障明けで3連投となったマシソンよりも、対左打者に対しては同じくサウスポーの田口のほうがいいだろうという、『勝つための最善策』をとりました。
これらはほんの一部ですが、原監督の名将たる所以のひとつは、この『特別扱いしない』ことにあるのだと思います。
ただ、それってときには『非情』に映ることもあります。
誰であろうと、調子が悪かったり、力がなければ使わないぞという。
なんですが、原監督はそこらへんのケアまでしているから、抜け目がありません。
『遠慮』はしないけど、『配慮』はするという。
2つ目の例に出したマシソン交代のタイミングで、珍しく原監督直々にマウンドへ向かって、彼に投手交代を告げたのです。
一般的には、マウンドへ投手に交代を告げに行くのは、投手コーチの役目です。
でもそこで、あえて原監督自らマシソンのもとへ向かうことによって、原監督なりの『誠意』を、彼に見せたのだと思います。
ただただ非情なだけでなく、そういった人情味あふれる部分も使いこなす。
巨人5年ぶりのリーグ優勝が、待ち遠しいです。
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