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1年ぶりの日本帰国

飛行機に乗るための長い列に並んでいる間、緊張が止まらなかった。

もう飛行機は数えられないくらい乗ってきた。

今さら何をドキドキしてるんだ、と自分に言い聞かす。

行き先は東京・成田。これから日本に帰国する。

1年ちょっととなる海外生活に終止符を打ち、日本に帰国する。

それだけのことなのに、なぜだか緊張が止まらない自分がいた。

***

トランジットで夜を明かした香港では一睡もできませんでした。時差ボケなのでしょう。加えて、明るい空港での宿泊だったからでしょう。

目をつぶっても眠れなかったから、ずっとパソコンで作業をして、朝を迎えました。

香港のイミグレは無人対応でした。パスポートをかざして、カメラに目を向けるだけで終了。

いよいよ、あとは飛行機に乗るだけとなりました。

この辺りから、どこかフワフワして落ち着かない感覚を抱き始めました。

本を読んでいてもあまり集中できない状況に、自分が緊張していることに気づきました。

その緊張をぼかすように、帰国後に行く旅のことを詰めたり、メールチェックなどをしたりしていました。

出発時間が近づき、ゲート付近に来たところ、日本語がちらほらと聞こえ始めます。

ゲートには繁体字で書かれた「東京・成田」の文字があり、いよいよだと実感を強く感じ始めました。

エコノミークラスの長蛇の列に並ぶと、その緊張がどんどん大きくなっていくのに気づきました。

飛行機に乗ったからといって何かがクリアになるわけではないのに。

それだけ、この帰国が自分にとって大きなことだと感じました。

いざ飛行機に乗ってしまうと、逆に落ち着けるようになりました。

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飛行機に乗って離陸しようかという頃、寝不足から眠りについていました。

途中、機内食のために起きたものの、食べ終わったら再び睡眠へ。

完徹明けはやはりつらかった。起きているのに耐えられませんでした。とはいえ、ずっと寝ていたからあっという間に日本に着いてしまいました。

窓の外に見える日本の景色。

いよいよ日本だ。

わくわくした気持ちがふつふつと湧き上がります。

しかしながら、飛行機を降りた瞬間、別に何かの感情が蘇るわけでもなく、まだ旅を続けているような感覚を持ちました。

その看板の文字や雰囲気、空気から、確かに日本に帰ってきたと認識しているものの、「やったと帰ってきた母国」という感覚はなく、また新たな国にやってきた、といった新鮮にも近い感覚でした。

なぜだろう。

とても不思議な気持ちになりましたが、それでも僕は日本に帰っていました。もしかしたら、香港が日本と近すぎていたからかもしれません。

***

入国も順調にクリア、荷物も受け取って、税関も突破。

無事に日本に入国できました。

ちょうど今日、成田空港にWBCで優勝した侍ジャパンのメンバーが帰国したそうで、空港は大混雑でした。

タイミングが若干ずれており、選手とはすれ違わなかったものの、多くの人々が空港に出迎えで来ていました。

そのため、空港は大賑わいでした。

いざゲートを通り日本に上陸したものの、特に感動もなく、「普通」の感覚を抱きました。

あれ?

すこし拍子抜けしてしまいました。

1年ぶりなのに、まるでまだ旅行を続けているかのような感覚でした。

***

吉野家で牛丼を食べ、迎えに来てくれた父と合流しました。

思っているより早く、この環境に慣れている自分がいました。

この1年、長いといえば長かったし、短いといえば短かった。そんなことを思いました。振り返ると長く感じるし、感覚的にはそこまで長くなかったかも、と思えている自分もいました。

これからしばらくは東京で生活します。

久しぶりの日本という環境に甘えることなく、次の目標に向かって進んでいきたいと思います。

1ヶ月間の旅、これにて終了となります。




旅の様子はこちらにまとめています。

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それでは、また明日お会いしましょ

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