見出し画像

[どうやってできるか]ではなく、[いつできるか]!?『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ 』を読みました。

視野が広がった本でした。めちゃよかった。。。

日本ではあまり報道されていない分野まで紹介されていて、最先端で起こていることを知り、時代の躍動感を感じました。分厚い本でしたが、しっかり読み切ったので、面白かったポイントと考えたことを綴ります。

キーワードともに、面白かったポイントを1つだけ紹介します。

①「加速」と「融合」で発展している説明がわかりやすい

本書のキーワードは「コンバージェンス(融合)」です。
一つのアイデアを実現させるために、複数の分野の技術を使うことで、開発が進むというようなニュアンスです。

例えば、新しい電磁モーターを開発するのに頼ったのは3つのテクノロジーでした。(p32)
・1つ目:複雑なシミュレーションを行うための機械学習
・2つ目:軽量で安全な部品を造るための材料科学
・3つ目:あらゆるサイズをつくるための製造技術である3Dプリンティング
これらの技術を使うことで、モーターの熱効率が上昇したそうです。

また、「エクスポネンシャル(指数関数的)」も本書のキーワードです。直線的に発達するのではなく、指数関数的に発達するというのです。数字で捉えると以下のようです。

レイ・カーツワイルが「収穫加速の法則」に従って計算したところ、われわれはこれからの100年で、2万年分の技術変化を経験することになるだろう。(p35)

*

上記のキーワードを踏まえつつ、わかりやすく説明されているのは、イメージがしやすいところまで具体化され、開発にストーリーがあるところだと思います。

2021年ごろ、ジャボロンコフ(生物物理学者)は人口知能の画像、音声、文字認識能力が急速に高まっていることを知っていた。この3つのタスクには、重要な共通があることも知っていた。いずれも膨大なデータセットが入手可能なので、AIが訓練するのが容易なのだ。薬理学にも同じようにデータセットは存在していた。そこで、ジャボロンコフは2014年、そのデータセットとAIを使って、創薬プロセスを大幅にスピードアップできないかと考えて始めた。(p251)

この後ですが、ジャボロンコフは起業し、創薬エンジンを開発しました。この創薬エンジンは物質の発見だけではなく、薬の合成、有効性のシミュレーションもできるそうです。

このシステムを使うことで、新薬の大幅な時間と手間が削減されたのです。このシステムで使われた技術は、人口知能の分野の「敵対性生成ネットワーク」です。人口知能の分野とコンバージェンス(融合)が起きてますね。


薬の分野だけではなく、様々な分野でAIなどの技術とコンバージェンスが起きていることが紹介されています。どれも知的興味を駆り立てる内容です!

*

「どのようにできるか」ではなく、「いつできるか」に議論が移っているようです。SFの世界がどんどん近づいているのです。

たとえば、
・バックトゥザフューチャーのような空飛ぶ車
・レディプレイヤー1のようなVR空間
・タイムのような不老
・ガタカのような遺伝子操作
など、「想像」が、今まさに、「創造」されています。

そうなると、技術力よりも、空想力の方が必要になってくるように思いました。進化を続ける科学技術の本を読んで、「空想力が必要」って、少し変でしょうか。

「あったらいいな」を実現する力が高まっているのであれば、
「これもいいな」をイメージできることの方が重要に思えたからです。


みんなが芸術家になれば、めっちゃよい未来になるのかな


2030年にどこまで実現できているか、答え合わせしたいですね!
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

この記事が参加している募集

推薦図書

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?