妊娠の先送り―女性活躍と少子化。40代から子育てはアリ。


24年1月号のNational Geographicの特集『妊娠と出産』において、こんな文がある。

米国のバイオ技術企業の最高事業責任者の女性は以下のように言う
『技術の変化を知れば、多くの女性が妊娠を先送りにして仕事の実績を築き、最良のパートナーを選ぶ機会が広がります』

National Geographic 24年1月号

転職3回に、海外13か国、自転車やバイクで津々浦々日本全国ツーリングで40まで人生謳歌し42歳で初産した私としては大いに賛成する。

そして、声を出して若手女子後輩に言う。

『40代での子育てはあり』
それを高確率で実現するためには、
『とりあえず採卵、冷凍だけしとけ」

40代で出産子育てもアリと思う理由は以下①~⑤である。
また、40代で出産する懸念等は⑥に示す。
なお、本当にこれは個人的な意見で、お勧めしているわけではないです。
が、女性活用を声高に叫ぶなら考えてほしい問題です。


①20代・30代は最も頭も身体もキレる

まずは、何と言っても、創造力や徹夜できる体力を持っている20代、専門知識がついてきて、脂ののってくる30代。この時期に人口の半分である女性の能力が子育てで削がれてしまうのは非常にもったいない
しっかり、働き、稼ぎ、遊び、色々経験し、新しいものを創造し、国を若返らせる力に活用すべき。そしてお金を有効に貯蓄すべき。

②40代はお金も心にも余裕がある

1)お金の余裕

働いた20代30代は、40代を迎える頃には性別に限らず同じ職位も給料ももらえている。20代30代で遊びつつも投資を確りしていれば、うまい人だと『FIRE』だって達成できるはずだ。子育ては一般にお金は必須だが、40代だと余裕があるのだ

2)心の余裕

ついでに心にも余裕がある。
それは一つは①で十分、自分の思うように遊び、学んだからこれまでの人生に満足度が高いからである。
更に、40付近になると、性別問わず「将来の自分像」は見えてくるのではないだろうか。つまり、自分は「会社の上に行く人間」か「趣味や技術を貫く人間」か「自営の人間」か。
20代は自分が「何者か」になろうとして、がむしゃらに働くが、40代は自分が「何者」か分かりだす。不惑の年。上位であれヒラであれ、社内や世間と戦う相手も限られ、戦力は集中できる。諦観か達観か。
最早、子育てに時間を費やしても、20代や30代と比べ、他人の生き方に心乱されることは少ない。

③40代は感情もタスクも管理能力がある

あの人、昔と比べて丸くなったよね、なんてよく聞く話。
15~20年も社会生活をすると、スケジュールが思う通りにならないことも多々。理解に苦しむ人々に会い、理不尽な要求をのむこと、あまた。
少なくとも自分比較で20代より40代のほうが、アンガーマネジメントスケジュール調整、タスク管理は上手くなっている。
子育てはスケジュール変更の嵐。理不尽の嵐、嵐、アラシ。
20代では耐えきれなくても、40代になると『あの上司に比べたら子供の方がマシか』とか『ま、あれはあの人に任せ、このタスクだけやるか』なんて考えながら子育てができる。
要は、余裕をもって、感情的に怒ることなく、子育てできる。これは子供にとってもハッピー。

④40代は子供の視野を広げられる

なんといっても、40代は知識も人脈も経験も豊富。
学校出て間もないと、知り合いの幅は同じ学歴や地域に限られるが、15-20年もすれば、多少なりとも増えている。
子どもが『○○したい』『□□教えて』となったとき、教える幅は確実に増えているし、なんなら知り合いに頼む、というのもできる。
子どもの視野を十分に広げられるのだ

⑤40代の古い常識/スキルをUpdateできる

40歳にもなれば、もう、知識も常識も2~3世代くらい前。
でもここで子供をもつと、一気にUpdateできる。今でいえば、英語やプログラミング、お金の授業が必須になっているから、親の矜持としてはここはマスターしておきたい。歴史もサイエンスも地政学も変化しているからUpdate。美術だって、若い頃みるのと今では異なるだろうから一緒に鑑賞すれば、新たな閃きが生まれるかもしれない。
人生100年時代。折り返しの時期に、子供とともに常識や知識をリセット、Updateするのは、今後の人生設計に有効ではなかろうか。

⑥高齢出産のリスク

1)卵子の劣化・出産率の低下。

卵子も精子も劣化していく。DNAが損傷している確率は加齢とともに増えていく一方。一般に35歳以上で不妊や流産のリスクが高まるのはこのため。
そこで、『保険』として検討頂きたいのは、卵子凍結。体外受精。デメリットもたくさんあるが、選択肢に値すると思う。
是非、30代前半までに色々検索をかけ検討してほしいと思う。

卵子凍結の基礎知識|保存方法や費用を理解して【卵活】への第一歩を | 東京・ミネルバクリニック (minerva-clinic.or.jp)

【医師監修】不妊治療ってどんなことをする? 高度生殖補助医療とは?〈妊活の正しい知識〉 | Oggi.jp

2)介護とのダブルパンチ

これは自分はまだ経験はしていないが、両親健在な女性の高齢出産の将来には高確率で起こりえると思っている。
『効率的な』かつ『全国的な』社会制度の充実を望むとともに、将来に備えた計画と親と自身双方の覚悟を持っておかねばならない。

まとめ。

女性の活用と、少子化の対策を同時にするなら、それ相応の社会制度が必要。今回は、両方かなえるのなら、男女問わず、

  1. 20-30代は仕事に集中し国力Up

  2. 40代から男女とも育児を担う

という社会を一般化するのはいかがだろう、と思い書いてみた。


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