最近自然に笑える事が増えてきた。
これは大きな変化だ。

休職前は笑い方が分からなくなっていた。
テレビで好きなお笑い番組を見て面白いと思っても、声を出して笑うのはおろか笑顔にもなれずヒクヒクと顔を引きつらせてわずかに口角を上げるのがやっとだった。

休職して心療内科に通院するようになり自分の心と向き合い始め1年かけて少しずつ笑い方を思い出せて来た。
テレビを見て声を出して涙を流しながら思い切り笑う自分に気付いた時にはとても嬉しかった。

ただ、私生活では笑えるようになっても職場ではなかなか笑えなかった。
日々仕事をこなすだけで精一杯だったからだ。
平日は仕事以外の事に頭を使う機会を少しでも減らす事でやっと仕事についていける状態だった。

どれくらい精一杯だったかと言うと、復職してすぐは雑談に頭を使うのも大きな負担だったので同僚同士が雑談で笑っていても僕は「仕事に集中していて聞こえていませんよ〜」的な雰囲気を演出しバリアを作っていたし、休憩中に喫煙所で同僚と顔を合わせるのも避けた。昼休みには同僚が来ない公園で1人で弁当を食べていた。
終日社内業務の日には私服で出勤する事も認められているんだけど朝に私服を選ぶのも負担だったので僕は毎日会社の制服を着て出社した。
何を食べるか考えるのも負担だったので週4くらいで同じものを食べた。
そうしないと脳みそがオーバーヒートして真っ白になり心のザワザワが止まらず意識が飛んでしまいそうだったのだ。

それが最近になって仕事の合間に同僚同士がする雑談に笑えている自分を見つけた。
そういえばたまに雑談に参加したりもしている。

何気ない職場の一コマだけど僕にとっては大きな一歩だ。
複数の業務を抱えるといっぱいいっぱいな事もまだまだ多くて「聞こえてませんバリア」を作ってしまうんですけど。

これからも無理せず少しずつ進んで行こう。
出来ない事は出来ないと言って、助けて欲しい時には助けてと言って。
いまだ不安と焦りがいっぱいの日々の中にも一筋の光が見えた気がした。

そんな僕を遠ざけず優しく見守ってくれる職場の皆さん、ありがたいです。