薬指の疑問。
豊臣秀吉には指が6本あった、という話は後年の創作かと思ったら、あながちそうでもないらしく。
むかしの史料を研究した人たちの間では、秀吉は先天性多指症というもので、たしかに指が6本あったらしい、ということが、おそらく研究者の間でも合意形成がとれているものと思われる。
ここで指の数についてのある種の気遣い、みたいなものを一旦横に置いてまず考えたいのは「指の数はなぜ5本なのだろう?」ということである。
人間だけでなく、ほかの動物も多くは指が5本ある。
ダーウィン的に考えると、指の数というのはきっと、古代には3本の生物もあれば、4本の生物、または秀吉のように6本の生物もあったのかもしれない。
いまでも種によっては、指の本数に違いはある。
なぜ5本なのか? に対しては、環境への適応の中で、5本の生物が生き残っただけの話、とみるのが正しいような、正しくないような。そもそもこれは、ダーウィン的か?
ダーウィンと言いたいだけのカスだ。
残念ながらこの記事では、なぜ指の数が5本なのか? という疑問に対して明確な答えは導かれない。量産型の、よくある、問いに対しての答えがない記事のひとつになると思う。
…
これまたよく聞く話、小指(または薬指)がなくなってしまった場合、ものを握る力が大幅に下がってしまうらしい。
普段それほど意識して使っているわけではない小指と薬指には、物を握るという行為においての重要な役割があるとのことだ。
いま、小指と薬指、と書いたが、5本の指をどのように呼ぶかは、私たちは日本人なので、当たり前にこう呼ぶ。
親指、人差し指、中指、薬指、小指。
なんだか、以下のような問題が作れそうだ。
中学生くらいで考えつきそうな、でも解けたときには頭がすっきりしそうな良問である気がする。そうでもないか。
親指は、親だから? ん?
人差し指は人を指す時に使うから?
中指は真ん中にあるから? 短絡的だ。
薬指は薬を塗るときに使う指?
小指は小さいから? うーん、これも短絡的。
となってくると、さらに疑問が芽生えてくる。
私たちは日本人だから、指をこのように呼ぶが、ではアメリカ人は何と呼ぶのか?
5本の指をアメリカ人はどのように呼ぶのだろう?
アメリカ人の友だちはいないので、ここはGoogleさんに頼むことにする。
すると、こうなった。
・親指=Thumb
・人差し指=Index Finger
(Pointer Finger / First Fingerとも)
・中指=Middle Finger
(Long Fingerとも)
・薬指=Third Finger
(Ring Fingerとも)
・小指=Little Finger
Youtubeなどで、視聴者の目に最初にとまる画像のことを、サムネイル画像と呼ぶが、これはThumbNail、つまり親指の爪が由来である。
要は、親指の爪くらいの小さな画像、みたいなもん。転じて、画像や動画を読み込むかどうかを判断するサムネイル画像、という使われ方。
人差し指のIndex Fingerは、Indexなので「目次」とか「指し示す」という意味になり、日本語の意味合いと大きく変わらない。
小指はLittle Fingerであり、
中指はMiddle Finger。
これまた意味合いは、日本語も英語も大差がない。
問題は薬指である。英語ではThird Finger。
英語圏では何の工夫もない呼び方。
いかにも合理的。
ここで、薬指のことを英語ではThird Fingerと呼ぶのに、なぜ日本語では薬指なのか? なぜ、なぜ? は考えない。疑問をほっとく。
…
薬指。
これを書きながら、次に出てきた疑問はこれだ。
本記事のタイトルを回収しよう。
なぜ結婚指輪は左手の薬指につけるのか?
なんで?
と思って調べてみると、これは古代ギリシャ神話に由来するらしい。
古代ギリシャでは、薬指は心臓につながるぶっとい血管が通っていると考えられていた。心臓には心が宿っていると思われていたので、愛も心臓にある。
愛に直結するのだから、永遠の愛を誓う結婚指輪は、薬指にしましょうね。
ということらしい。
これはある意味、とてもロマンチックな由来なのだが、以下のような見方もあるらしい。
だ、そうです。
とても実用的な考えだなぁ。
でも、いざ結婚するときに「薬指に結婚指輪をする理由はね〜」と語られたら、100年の恋もギリ冷めそうだ。
これから結婚する方は、
この話を心臓の中だけにとどめておいてほしい。
【関連】なぜ? と考えるのが好きなら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?