エースで四番で監督もやった12年 〜はじめに〜

僕は動物病院を開業し、約12年間、診療をした獣医師であり、院長であり、経営者だった

約1年前、その動物病院の運営会社を売却し、すべてを手放した

病院の業績は開業時から右肩上がりであり、前年度割れをすることなく、売却の前年に最高益を叩き出した

そんな病院の経営者の私は、外からは順風満帆に見えただろう

では、なぜ病院を売るという決断をしたか? 
その決断に至る過程で起こった様々な出来事、そこから感じたこと、気づいたこと、学んだことなどをまとめたいと思い、noteで連載記事を書くことにした

病院を売る決断を下した理由、答えを簡単に書くと

「心が疲れた」からだ

主にはスタッフマネジメントによる精神的なストレスによるものだ

会社の借金のこと、顧客である飼い主からのクレーム、家庭とのバランスなど、他にもストレスはあったけど、大きなストレスではなかった

スタッフマネジメントのストレスとは?

僕の病院は年中無休で夜間診療もやっていたので、スタッフ(特に獣医師)の頭数をそろえる必要があった

辞められては困るので気を遣ってしまい、マネジメントが上手くいかず、獣医師を中心にチームの輪が崩れていった

自分の思うチームの状態とはかけ離れてしまったのに、言いたいことが言えなくなった自分がすごく嫌だった

続けていたら、鬱になっていたと思う(または、すでに鬱だったのかもしれない)

外に出て経営者の勉強をするという建前で現場から離れていった

それは言い訳でもあり、無意識の自己防衛だったと思う

現場にいるのが辛かったのだ

スタッフを思うように操るために、マネジメント手法を学ぼうと思った

色々なセミナーを受講していく中で、コーチングに出会った

コーチングを学んでいくと、問題はスタッフ側ではなく、自分にあることに気づいた

そして、学ぶ内容は他者を操るスキルから自分の内面を理解することへと変わっていった

学びのコミュニティに入り、講師や参加者たちのことばに癒された

学んだことを実践することでも自分を癒すことができた

自分の内面を見つめるようになり、自然との触れ合いを通して人々をエンパワーすることが自分のライフミッションだと思うようになった

キャンプ場を開くための山林を購入し、焚き火を囲むワークショップを主宰したり、自然農を学んで、家庭菜園を借りて野菜を育ててみた

それが、自分のライフミッションなのかもしれないが、今思えば、キャンプや焚き火、畑に通うことで、自分自身を癒していたのだと思う

そんな風に考えられるようになったのは、会社を売っても1年になる最近のことだ

会社を売っても、すぐにスッキリした訳ではなく、色々な出来事や葛藤があったのだ

そんな状況から、やっと抜けられたのが年末くらいだったと思う

自然との触れ合いを仕事にすることことはひとまず保留にして、それは趣味として楽しむことにした

そして、もう一度、獣医師として働きたい気持ちが湧いてきた

5年後くらいにもう一度開業しようと考えている

11歳の娘と5歳の息子が獣医師になると言ってくれたことも、開業の原動力となった

あと5年は家族との時間を最優先にして、獣医師としても働こうと思う

自分が子供に勉強を教えたいと思っているし、末っ子がまだ一歳なので、手がかからなくなるまでは育児に関わりたいからだ

経営者として、院長として、すごく大変な経験をしてきた

その時は目の前の課題で頭がいっぱいだったが、今思えば、心のダメージは限界に近かったと思う

チームの問題に対して、最初は無理やりスタッフをコントロールしようとしたがダメだった

原因は自分の内側にあると分かり、自己啓発に勤しみながら、学びや人に癒しを求めるようになった

最後は自然に癒されて、やっと心が癒えた

自分の心が病んでいたら、まずは自分を癒さないといけない

そんな状態でいいマネジメントなんか出来る訳がないのだ

そんな今、辛かった過去を振り返ってまとめてみようと思う

次回からは、実体験を振り返り、その時の気持ち、気づき、学びなどを記していく

自身初の試みではあるが、有料記事(100円)にしようと思う

ぜひ、読んでいただきたい







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