写真と民俗【秘境・白鹿権現】
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どうもメダカです
初めましての方は初めまして。
日本有数の秘境、大分県臼杵市にある白鹿権現(ししごんげん)を撮影してきました。
秘境・白鹿権現
白鹿権現って知ってますか?
大分県の臼杵市の山奥にある熊野神社に白鹿権現はあります。
稲作が伝わって以来、農耕がメインの日本では、狩りをしていけにえを捧げる風習が残る地域は今ではかなり少ないですが、完全になくなったわけではありません。
山の神を信仰し狩猟した獲物の頭を神にささげる古代の文化が今なお残っていると聞き山を越え谷を越え崖を登り行ってきました。
白鹿権現🦌
熊野神社
熊野神社ってなに?
白鹿権現と同時に熊野神社についても少しだけ勉強しておきましょう。
和歌山県熊野は日本書紀でイザナミを葬(ほうむ)った地とされ、「神が籠る」霊地とされています。
熊野は死後の世界の入り口とも言われ、同時に新たな生命を得て再生する場所ともされています。
熊野は山を信仰し山で修行する修験道の修行場としても有名です。
これから紹介する白鹿権現も山深い奥地にあり、厳しい山を歩き崖を登る事になるので、さながらな修験道の修行場のような山で、山の神に捧げものをする白鹿権現にぴったりの神社だと言えますね。
(すごく簡単に説明しています)
写真で見る白鹿権現
それでは実際に白鹿権現を写真で見て行きましょう。
白鹿権現に向かう山道
あいにくこの日は雨が降っており最悪のコンディションの中、山道を走っていきます。
臼杵市・熊野神社の入り口です。
入り口の時点で異世界感が半端ないですね。
落ち葉によって隠される道・・・
急斜面&雨で滑るので難易度爆上がりです。
さらに進んで行くとどんどん道は狭くなり、一歩踏み外せばゲームオーバーって感じの高難易度ステージに来ました。
道らしいモノを何とか進んで行くとそこには熊野神社・・・・
これが神社?
よく見るとここは拝殿で後ろに本殿がありました。
ここで必ず旅の無事を祈っておきましょう。
更に下っていくと白鹿権現の立て札
意外と開けてて少し拍子抜けしました。
が!それは甘い考えでした・・・
ふつう鳥居の方に下っていくと思うじゃん?
黄色い矢印は出口です・・・
白鹿権現はそんな甘くありません!正解のルートは赤い矢印です!
こんなの分かるかよ!僕ももちろん一回道を間違えて進みました・・・
納得できない気持ちを抑えて正解ルートを進んで行くと、どんどん道が狭くなってその先はなぜか行き止まり・・・
道を間違えたかと思って横を見たら・・・
何だろうこの鎖?
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
まさか?まさかとは思うけど、これ登るの?
いやいやいや・・・・
無理だろてっぺん見えないぞ!
こんなのルートと言わんだろ!
急いでネットで調べたところ、どうやら登るっぽいです・・・
仕方ないので覚悟を決めて登ります・・・・
というわけで登りました。
雨で足元が滑るのに、ど素人の僕が身体をあちこちぶつけながら、なんとか登っていくんですが、この鎖一本じゃないんです。
一回ミスると即死亡の崖を10mほど登った先に2本目の鎖がぶら下がっています。
その先には更にもう一本の鎖!
全部で3本の鎖があり、多分30m(体感100m)ほど鎖を登っていきます。
(もちろん写真を撮ってる余裕なんかありません)
そしてすべて登り切ったその先には・・・
なんもないじゃん!
絶望の先に何かあると信じて進んで行くと、
なにか人工物らしきモノが見える・・・
なんとか進んだ先には・・・
とうとう発見しました白鹿権現、視界に飛び込んできたのは骨骨骨!
無数に積まれた鹿の骨
山と積まれた鹿の頭の骨
写真で見てわかるように、死の匂いが漂う異世界。
僕の人生においても5本の指に入る強烈なインパクトと経験でした。
奥に進むとなんかじゃりじゃりするんですよね・・・
何だろうね・・・
さて撮るだけ撮ったので帰るか。
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
そっか〜・・・
そう言えば鎖登って来たんだから、また鎖つたって降りて行かなきゃダメじゃん・・・
足元が見えづらいので登るときより恐怖感が強く、身体もあちこちぶつけて、何度も足を滑らせて、手の握力も限界を迎えた頃、なんとか崖の下まで着いたときは「生きてたー」と思わず叫びました。
そして鎖で体力を使い切ってから道なき道を戻っていきます。
つらい・・・・
へとへとになってなんとかたどり着いた入り口の鳥居を見た時は本当にうれしかった。
まとめ
以上が白鹿権現巡礼の旅でした。
本当にすごい場所でした。
雨で足元が滑るなか、三脚とカメラを背負ってロッククライミングどころか、登山経験もほとんどない僕が何とか撮影出来ました。
※注意
興味本位で絶対に行かないでください。
行くなら万全の準備と覚悟が必要です。(頑丈な靴・杖・手袋は必須です)
あとロッククライミングの経験があったり懸垂が楽にできる程度の力がないと本当に死にます。
僕も場合によってはケガや死ぬことも覚悟して、それでも白鹿権現を撮影したくて行きました。
しかし命がけで目的を達成して得る満足感と、その後日常へ戻った時の生の実感ってすごいですね。
命からがら撮影を済ませて、なんとか車に戻りyoutubeアプリを立ち上げたら、偶然いつも見ている方が配信をやっていて、聞きなれた声を聴いたときに日常へ戻ってきた実感が強烈にわき、達成感と安堵感でなんか泣きそうになってしまいました。
死の匂いが漂う白鹿権現に魅せられた後だから、日常へ戻り余計に生を強く感じたのかもしれませんね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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