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算数文章題の思考過程「問題文と出会ってすることは?」

今回は、問題文と出会い、式を立てるまでの過程についてお話していきたいと思います。

問題
1mのねだんが80円のリボンがあります。2.3m買いました。代金はいくらですか?」

この問題に対し、主体的に取り組ませるには、2.3を(   )にして問いをもたせるなど、指導者側の工夫が必要でした。

仮にこのような(   )を使った授業で展開をしても、
実際に80×2.3の計算の仕方を考えさせるどうなるか?

何も指導の積み上げがない状態で授業すると、ほとんどの子は
上の2つのどちらかをノートに書くか、フリーズしてしまう。

なぜか?
それしか思いつかないからです。

問題場面と向き合って、理解しようとしていないからです。

文章題がでてきたら、文章題を解くための思考過程にそって考えていかなければいけません。

①問題文を読み、内容を理解する
②理解したことを図・表にし視覚的に捉える
③式を立てる
④計算する

①問題文を読み、内容を理解する
1mあたりの値段が80円のリボンを1本と考えると
2,3mというのは、1mのリボンが2本とちょっとの長さ。

②理解したことを図・表にして視覚的に捉える
これを図にすると、

問題場面を図にすると

表にしてみることもできます。

問題場面を表にすると

このように考えられます。

実際の5年の算数の授業では、下のような2本の数直線が組み合わさった図で問題場面の関係を図にして表します。
これは数直線図とよびます。

数直線図

③式を立てる
この数直線図から、式を立てます。
長さが2.3倍になってるのだから、値段も2.3倍になってるはずと考え、
80×2.3と立式するのです。

ですが、指導の積み重ねがない子たちだと、
いきなり80×2.3と式を書いて筆算をしてしまうか、暗算で答えだけ書いてしまうのです。

このような順序で式を立てられない子たちは、この問題文の数値だけを取り出して、小数のかけ算だから、とりあえず、80と2.3をかければなんとかなると考え、80×2.3としてしまう場合が多いのです。

もしも、この問題が、
10mのねだんが80円のリボンがあります。2.3m買いました。代金はいくらですか?

となっていたら、どのような式を立てるのでしょうか?
おそらく 10×80、10×2.3、10×80×2.3といった式もでてくることでしょう。

問題場面を図や表で合わせることができていれば、

10mのねだんが80円のリボンを2.3m買ったときの図

このような図にすれば、1mあたり、8円だから、その2,3倍の値段になるので、
80÷10=8
8×2.3=18.4
と解くことができます。

小学校の算数で一番大切なのは、九九の暗唱ではなく、問題を図や表に表すことができるかどうかです。

以上、文章題と出会ってから式を立てるまでの説明でした。

参考になる方がいたら幸いです。




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