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アレルギーを起こすヒスタミンの作用

こんにちは、ちょらです。

ヒスタミンはアレルギーを引き起こす物質として知られています。
花粉症やアトピー性皮膚炎に悩まされている人も多いですよね。
また、食材に含まれるヒスタミンを摂取することで起きるヒスタミン食中毒というのもあります。

しかし、ヒスタミンは食欲を抑制させたり、胃酸を分泌させるなど身体の機能を保つためには必要な成分です。

今回はそんなヒスタミンについて紹介していきます。


ヒスタミンの働き

1、気管支など平滑筋の収縮
2、血管拡張による急激な血圧低下
3、毛細血管透過性亢進による発赤や浮腫
4、胃酸の分泌
5、神経伝達物質

ヒスタミンは上記のような作用があります。

しかし、ヒスタミンはそれだけでは作用せず、細胞の表面にあるヒスタミン受容体と結合することで作用します。

ヒスタミン受容体はH1,H2,H3,H4とあり、それぞれ発揮される作用が異なります。

H1受容体(炎症やアレルギー)

H1受容体は炎症やアレルギー症状を引き起こす受容体です。
花粉症などのアレルギー性鼻炎、気管支喘息、蕁麻疹やアナフィラキシ症状を引き起こします。

これはヒスタミンが平滑筋や血管に与える作用(上記の1、2、3の作用)によって引き起こされます。

そのため、これらの疾患の治療として、H1受容体との結合を防ぐ薬が投与されます。

H2受容体(胃酸分泌)

H2受容体は胃酸分泌に作用する受容体です。(上記の4の作用)
胃酸はヒスタミンやガストリン、アセチルコリンなどのホルモンがそれぞれの受容体と結合することで分泌を促されますが、この中でもヒスタミンの受容体の刺激が最も強く、胃内のpHを低下させる働きが大きいです。

そのため胃酸過多による胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療にはH2受容体との結合を防ぐ薬が使用されます。

H3受容体(神経伝達物質)

脳の神経細胞に存在し、神経伝達物質の分泌を亢進させます。(上記の5の作用)
これにより、満腹中枢を刺激して、食欲を抑制する効果があります。
また交感神経を刺激して脂肪燃焼効果もあるとされています。

H4受容体(アレルギー症状)

H4受容体は脾臓などの免疫組織や免疫細胞に存在しています。
H4受容体と結合することで痒みなどのアレルギー症状を引きおこすとされていますが、詳しいことは未だ解明されていません。

ヒスタミン食中毒

ヒスタミン食中毒は食品中に含まれるヒスタミンを食べることで起こるアレルギー様症状です。
食中毒ですから、アレルギーとは異なります。

ヒスタミンはヒスチジンという必須アミノ酸からヒスタミン産生菌の働きによって生成されます。

ヒスチジンはカツオやマグロ、鶏肉などに多く含まれる必須アミノ酸で、食品の不適切な管理によってヒスタミン産生菌が活性化し、ヒスタミンが食中に溜まります。

一度産生されたヒスタミンは熱によっても分解できないため、加熱調理してもヒスタミン食中毒を引き起こす可能性があります。

ですから、食材をしっかりと管理して、ヒスタミン産生菌を鈍化させヒスタミンの発生を防ぐことが有効です。


ヒスタミンのまとめ

  • アレルギー症状や炎症を引き起こす

  • 胃酸を分泌させる

  • 食欲抑制や脂肪燃焼効果がある

  • ヒスタミン食中毒はアレルギーとは関係ない

それではありがとうございました。
健康生活をお過ごしくださいっ!


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