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請給我氷啤酒 

冷たいビールをくれ お酒が飲める年になって一年が経過してしまった 親友と会い、互いの理屈を捏ね合わせたり 思いがけない場所で偶然、見知る人に遇ったり 運命を捧げたい人や仕事などに出逢ったり 心をひん剥く音楽に遭ったりすることが 人生の楽しみに違いない かつての心友と縁あり再会 「ビールが美味い季節よ、飲みに行こう」 今年も邂逅の一年になるといいね

    • 邦楽のススメ

      ライブハウスに来てたって人生何も変りゃしねえよ まあみんなのこと応援はしてるけどな bachoがMCで放ったこのセリフが忘れらんねえ。 さよならポエジー、ルサンチマン、bachoの対バンに行った はっきり言ってこの対バンに金払って来た人たちはセンス抜群なのである 箱の中の200人は、この数時間が現実世界の一部でしかないことに気が付いてしまわないようにプラカップを握り締め魔法にかけられるのだ ライブハウスの空調の効きはすこぶる悪く、フロアの換気扇は人々の週末の疲労困憊を排気す

      • 雪世飛行

        手垢にまみれたライターで 煙草に火をつける 普通が迫る 今朝の新聞の見出しは 鹿児島県歴史的大雪 五文字以上陳列された漢字は 信憑性を欠くのだと 友が発言していたのを思い出す カメラとダウンを持ち家を出る 軒に連なる作り物のような氷柱や 某テーマパークさながらの屋根の雪化粧は 繊細な幻ではないかと錯覚する 静寂に咲いた景色が ファインダー越しに滲む 半押しのシャッターが輪郭を切り抜く 一瞬の快楽である 脳内で犇めき合っていた大小の感情が 日常から乖離していくような感覚

        • 歩けよ乙女

          クリスマスに取り残された街にて親愛なる友と久々の盃を交わす。零時を廻る頃、酔いが回り切る前に、と席を立ちお会計を済ませ、良いお年を〜と手を振りながらお互い反対向きに歩き出した。 少し名残惜しくて振り返ってみても、友は既に白い吐息とともに夜の街に溶け込んでいった。 「今年はいい年だった?」何気ない質問にはうまく答えられなかった。 不甲斐なさを感じるも、来年はお金と単位をなどと、酷く貧相な欲望に囚われるニューイヤーズイブ 思考する脳にそっと布を被せ、洒落た五拍子の曲に耳を傾けな

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        • セレクト
          3本

        記事

          紅茶を淹れるのに適切な時間

          朝食をとり終え お皿を流し場に運ぶついでに ケトルの電源ボタンを押す 今日の気分は…… 必要以上に迷う時間を費やしてから アールグレイのティーバッグをひとつ手に取る お気に入りのマグカップにセットして 適温になった温かい水を注ぐ ふわっと香るベルガモットを感じてから マッチを擦り煙草を燻らせる 携帯へ伸ばしかけた手をふと引っ込め 色づき始めたマグカップの中を覗いてみる 灰をいつもよりこまめに落としながら カウントダウンをする 短くなったタバコの火をそっと消したら でき

          紅茶を淹れるのに適切な時間

          Night crossing

          心地いい暑さの残るアスファルト 灯る街灯が夜を合図した 昼の私を包み込んでいた 小さな優しい陽だまりは どこからか漂う闇に紛れる 口づけを交わす恋人達を 赤信号が華やかに照らし 火照った影を足元に落とす 押しボタンの表示が消えた 彼らの横をそっと通り抜け 少し大股になりながら 白線の上を歩く 黒いアスファルト踏まずに渡れたから 明日もいいこと起こりますように

          Night crossing

          眩暈

          11月はめまぐるしく走り去り、今年のカレンダーは頼りなく痩せ細ってしまったが、街はクリスマスムードに溢れかえっていてなんとなく心踊る。12月の南半球は、みんな軽やかな装いだからか根っから日本人の私からすると少し足りなさも感じる。 左指先の、少し分厚くなってた皮がいつのまにか剥けてつるつるになっていた。エレキギターの弦を掻きむしっているときはまるで青春のど真ん中にいるような気がして気持ちいいんだよなあ。 ところで2週間前、簡単な会話程度余裕でこなせるだろうと見得を切って出航し

          Getting stuck in that comfort zone also has its risks, she says.

          セルフネイルの左右差のような 9点を取ってしまう小テストのような 授業を休んでしまう午後の気怠さのような 生き心地 怠るという単語はさぼる、休むという意味だが 高校で習った古語の意味では確か 病気が治る、快方に向かう、であったなとか 怠惰に思考をする 安っぽいサングラスを宛てがって 母国より強い紫外線を遮る 自分に向けられる視線も和らげられる 気がして少し安心する しかしながら、その心地良さに浸かり続けることにもまたリスクがあるのだろう

          Getting stuck in that comfort zone also has its risks, she says.

          魔王

          どうしてたっけなあ……こんなとき 愛すべき友は言う 人に裏切られやるせなくなった時、非情な現実に打ちのめされた時、行き着くは避けるとも避けれない自己嫌悪という非常事態。 他人なんて気にしなくていい。苛立ちを隠し、気持ちを殺した果てにフラストレーションの渦は何処へ。 骨折り損のくたびれ儲けというが、かつて、鬱憤の末に自分の指を3本折ってしまい、格好をつけてその場を去ったも行先は病院という可愛いらしい後日談付きの話を聞いた。 世に迎合して生きていくことは決して恥ずかしいことで

          Shower (天気雨)

          天気雨 雨を涙と喩え「涙雨」「天泣」などと呼ばれるらしい 晴天の空に雨が降る これは対として揶揄され 終には虹を架ける 晴れのイメージの強いオーストラリアだが、珍しく窓の外からは雷の落ちる音がする。 ギャップに落ちるとはよく言うが…… 恋愛においてこれを武器に持たれると敵わない よなあ!!! みなさんあるだろうその経験を是非お聞かせ願いたい。 しかしながら、自己にそのギャップとやらを見出すことはできるだろうか?これには、パーソナリティの自己分析という世にも小っ恥ずかしい(た

          Shower (天気雨)

          タコスとハイネケン

          さて1日目、波乱万丈の幕開けを綴りたいのだが、 タイトルが全てである そんな書き出しはごく一般的な常套句で、1日間、時差を加味するならば23時間が経過したのだから何かもっと他に起こるべき出来事があったのではないかと考えるだろう。仕方ない、もう一度振り返ってみることにする。 長いフライトを終え、3回に渡る入国審査を受けた後、外貨両替所を探し求めていたがYou can't here.とあえなく断られ、私人生史上最低価値の諭吉数名とともにバスに乗り込み、見たこともないような鮮やか

          タコスとハイネケン

          Start The Clocks

          フライトは大幅に遅れ、23時半の離陸となった。 窓から望む夜景と星空がとても綺麗だった。 期待が加速し、コンクリートの地面を離れる、ぐぅんとGがかかる。先日遊園地に行った時のことを思い出した。 国際問題も地球温暖化も深刻化し、賢者のシンキングも捗るばかりだが、世間はセルフ化が進み、個人の隔離を感じさせる。しかし、某ランドを筆頭として遊園地はキャスト、スタッフの接客が人を楽しませる。遊園地はひとときの休日を彩る人々の笑い声で溢れていた。 この機内でも、清廉な制服を着こなし美しい

          Start The Clocks

          燃ゆる富士 Burning Mt. Fuji

          拝啓 中と外の寒暖差に服装を悩ませる季節がやってまいりましたが皆様お変わりないでしょうか。 出発の時が参りました。 別れというものは寂しさの反面、いつも当たり前のように周りにいてくれる友達や恋人や家族の愛に一層強く触れられる機会なのですね。この数日でひしひしと実感いたしました。わざわざ私のために集まってくれた同期たち、声をかけてくれる先輩後輩、別れを惜しんでくれた全ての人々への愛が溢れて出国を渋るところだった、危ない。 流石に家族に空港で見送られた後感極まり、目から液体が溢

          燃ゆる富士 Burning Mt. Fuji

          5:23

          一睡もできなかった朝には、 ベットからそっと抜けて 暁の空気を薄く纏って 今日の色を見に行こう 始発列車の疾風に靡かれ レトロポップに耳を傾け 西の空にツキを見つけて 昨日のことは朝に流れていく 今朝の街並みもどうやら明るい

          犬も歩けば

          大学は嫌いだ。群れる学生の視線で蒸れる。 情熱に焚き付けられていたのかはたまた熱情に取り憑かれていたのか。華麗なる学生生活を満喫していたのは高校までだったか…… 卑屈になるのは良くない。 兎に角今の私は人様に合わす顔もない。学校にも行かず国外逃亡を企てるほどには。 自分が何者でもなく狭く小さな人間なのだと思い知らされる日々なのです。 なんてこった人生 犬も歩けば棒に当たるなんて諺があるけども つまりはニートに金なんか降ってこねえよ働けってことで、 トータル70万の入金を果た

          犬も歩けば