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居心地よいのはオランダ。会社勤めよりも明らかに、今のほうが楽。

概要:
「今まで訪れた中で自分の特性に合ってると思った国」
「一般企業の被雇用者であった頃とフリーの今、どっちが精神的に日々を楽しめてるか」
という質問に回答。

カジヤマです。質問箱に届いた質問にお答えするマガジンの記念すべき1回目です(唐突)。
匿名、無料の質問箱はこちら→https://peing.net/disorderwriter
2月中に届いた質問への答えは無料公開します。

今回届いた質問はこちら↓

質問ありがとうございました!あわせて状況も教えてくださりありがとうございます。いつもnoteを読んでくれてありがとう。

私の本業である(トラベル)ライターに関連した質問が届きました。

初めての質問が、今流行りの「発達障害者は不妊・去勢手術をすべきだ。ひきこもりニートでいるべきだ」というものじゃなくてほっとしました…
質問も来ないし、こういうの多いみたいだから怖くて閉鎖しようかと思ってたくらい。
フォロー返しは気まぐれですが鍵アカでのフォローも歓迎です。

「今まで訪れた中で自分の特性に合ってると思った国について」

海外をふらふらしてるのは事実なんですが、実は飛行機のトランジット以外で滞在した国はぜんぶヨーロッパです。他エリアを旅してない状態で答えていいんだろうか…

一応、この機会に今まで滞在した国を挙げてみます↓
イタリア、チェコ、オーストリア、イギリス、オランダ、ベルギー、ハンガリー、スロバキア

日帰りで訪れた国もあるものの、8か国をふらふらしてます。


見ての通りヨーロッパが大好きです。「自分の特性に合ってる国」とのことですが、おそらくこの「ヨーロッパ大好き」ということ自体に、自分の特性が大きく関係してるのではないかと感じています。

そのことも混ぜて「自分の特性に合ってると感じた国」を紹介したいと思います。

今まで訪れた中で、最も居心地がよいと感じたのはオランダです。おそらく自分の特性にも合っていると思います。

日本語の他にコミュニケーションがとれる言語が英語だけなので、英語を話す人が多いオランダでは人とのかかわりを素直に楽しめた、という見方もできます。

オランダ人の話す英語が好きです。学生時代に研究していた画家の故郷、美術館の多い国、好きなバンドのいる国というのも、気に入った理由です。

理由はそれだけではありません。

私の感じた居心地のよさには、オランダという国がこれまでたどってきた歴史や民族性、国の現状などが大きく影響していると思います。

17世紀にさかのぼりますが、その当時鎖国令をしいていた日本にとって、オランダは数少ない交易国でした。

なぜならオランダは、キリスト教を広める目的ではないことを江戸幕府と約束したからです。

他の列強諸国にとって、日本とのやりとりは貿易と布教を兼ねたものだったので、キリスト教の広まりを恐れた幕府は鎖国をしました。

そこで「そんなに怖がるなら布教はしないよー、でも貿易はお互いの利益になるからやろうよー」というスタンス(超ざっくりなニュアンス表現)で関係をもったのです。

全く異なるものと共存するには、双方が歩み寄る必要があると考えています。
17世紀、栄華を誇ったオランダだからこその余裕ある対応ではないかと。

障害がある人とそうでない人がともに暮らすために、このオランダの姿勢から学べることがあるのではないかと思います。

超大昔の話で申し訳ないのですが、私の暮らす日本と寛容に接していたことも、私がオランダという国にシンパシーを感じる理由のひとつです。

また、オランダ人には「多様性」を否定するのではなく、共存していこうとしてきた歴史があるのをご存じでしょうか。

17世紀の日本とオランダの関係も、オランダ側が多様性を否定しなかったゆえの結果だと思います。

詳しい流れは割愛しますが、その後もオランダは移民を多く受け入れてきました。ヨーロッパだけでなく、アジアやアフリカ、世界中から人が移り住んでいます。

オランダにおいて、国のルーツや宗教、言語が違うのは当たり前のことです。オランダ語が第一言語であるにもかかわらず、国民のほとんどが英語を話せるのには、言語の異なる人が多く暮らしているからという事実があります。


教育においても、ひとりひとりに合った指導をする体制が整っています。日本のように「みんな同じ」であることを強要するのではなく、違って当たり前という前提です。

このスタンスが「子どもの幸福度世界一」「フリーランスが暮らしやすい国」「自由の国」という今のオランダを作ってるんだと思います(所説あり)。

2017年3月に5日ほどオランダを旅していたのですが、ちょうど同時期にオランダ国内で重要な選挙が行われていました。

首相率いる自由民主国民党と、移民受け入れ反対や反イスラム教徒を主張した右派の自由党、どちらが多く議席を獲得するのか。世界中で注目されていた選挙です。

(ここで主張した反イスラムとは、コーラン禁止、モスクの閉鎖など。)

選挙の結果、勝利したのは自由民主国民党。

多様性を否定することをよく思っていない、国民の意志が反映されたとメディアが次々に報じました。

この選挙を知らずに渡航を決め戦々恐々としていましたが(こういう結果なので)大きな暴動や混乱が起きる様子もなく。1泊したホテルのすぐそばにモスクがありましたが超静かでした。

多様性が尊重される結果となってホッとしています。

オランダでは、みんな違うのが当たり前です。だから多様性を否定することなく、全く異なる性質を持った人々が共存できています


一人一人が違って当たり前のはずなのに、日本のシステムは超画一的です。障害のある人に周りと同じであることを強制したところで何一つよい結果は生まれないのに。

オランダには多様性を認めて来た歴史があります。対して日本にはありません。
日本にもオランダにも「自由」が権利として認められているはずなのに…

多様性を徹底的に排除してきた日本は、障がいをカミングアウトした私にとって居心地が悪い国です。だいぶ寛容になったはずの現代においても、多様性を排除する慣習や雰囲気が残っています。

マイノリティであると自覚しているからこそ、私はオランダという国に親近感を持ち、もっと近づきたいと思うようになりました。

オランダに限らず、日本よりもヨーロッパのほうが寛容だと感じることが多いです。現に、私が今まで訪れたのは移民の多い国ばかりです。


ぜんぶ挙げてくときりがないので(笑)割愛しますが、国によって差はあれど、その寛容さが居心地よいと思ってるんじゃないかな?と。

オランダ人の国民性と居心地の良さについて説明してきましたが、私が今まで訪れたのはヨーロッパの数か国。これを日本と比較するので、未熟なデータですし、説得力もないかと思います。
ここまで述べたのはあくまでも私の主観や経験に基づくこと。障がいを持つすべての人にヨーロッパの雰囲気が合うとは思いません。

アメリカやカナダも発達障害のある子どもに対する教育体制がありますし、もしかしたら障害という概念がないアフリカの原住民コミュニティの方が居心地がよいかもしれない(あくまで私の想像です)。

私がまだ見ていない国に、自分の特性にあう国があるかもしれない。


いずれはヨーロッパを飛び出し、自分の特性にあう国を探しに行きたいと考えています。しばらくはヨーロッパをふらふらするつもりですが。

今年中にクラウドファンディングで支援金を募り、訪れた国で発達障害に関する「何かしらの」調査をする予定です(まだ真っ白)。

「一般企業の被雇用者であった頃とフリーの今、どっちが精神的に日々を楽しめてるか」

いまのほうが楽です

会社勤めの際はクローズ(障害を隠して就職すること)で働いてました

会社側に伝える義務もなければ、隠すことが法律で罰せられることもありません。一見自分を守っているようですが、この働き方が私を苦しめていたのです。

クローズで働くことには、罪悪感がありました。ウソをついているという意識ですね。
私は真面目な性格で正義感が強いので、ウソや隠し事をすることに免疫がありません。そのような状況で平常心を保つことは難しいです。

クローズで1年間働いた結果、1年で10キロ痩せました。今もガリガリのまま、体重がもとに戻りません。

ストラテラ(一時的に発達障害の症状を抑え込む薬)の強い副作用もありますが、一番の原因はウソをつくことへの罪意識だったと思います。


このように、隠すことにストレスを感じやすい当事者さんも多いのではないでしょうか。こんなつらい思いしてほしくないなあというのが本音です。


「困ってたらなんでも質問してね」と声をかけてもらっても、クローズで働いてるので、私が仕事で困っている・悩んでいる原因=障がいを伝えられません。

健常者であればとても働きやすい職場だったと思います。私が隠し事をすることで、知らず知らずに周りとの壁ができていたのです。

障害を隠さないと就職できないのであれば、私にとって会社勤めは生き地獄でしかありません。

この経験をした私がたどり着いたのが、今のフリーランスという働き方です。

正直、ライターとしてはまだまだです。経験・実力を身に着けている最中にあります。

まだ貯金を切り崩しながら暮らしています。生活が保障されていない、会社が守ってくれないという不安もあります。


ですが、精神的には今のほうが楽です。同じ空間に人がいないので障害を隠しながら働く必要はありません。自分に合わせて「困った」が起きやすい要素を排除することもできます。

自分の特性に合わせて仕事ができているので、ストレスが本当に減りました。


ライターは、ひとりで完結できる仕事です。

もちろんクライアントや取材相手がいる仕事ですが、会社勤めの時ほど人間関係は複雑でありません。私は複雑な人間関係ほど「困った」が起こりやすいので、とても助かってます。


併せて「文章を書くこと」という自分の得意・好きなことができている、ポジティブな意識も関係していると思います。

文章を書くことが得意・好きなのは周りもよくわかっているので、誰も反対しません。身内が反対していないというのはとても大きいです(笑)


生活のための会社勤めでイカれてしまうよりも、自分のペースで進められるフリーな今のほうが、私にとっても周囲にとっても幸せですね。

私は言語性IQが高い発達障害者なので、ライターという仕事がつとまっているという側面もあります。私と同じように言語能力の高い当事者さんは、副業からでもトライする価値があるんじゃないでしょうか。


もちろん向き不向きありますので…なまけ癖がついてしまうと生活できなくなる仕事だし。会社勤めのほうがモチベーション的に楽だ、と感じる人もいると思います。


「会社勤めが合わないので自殺したい」と思うくらいなら、フリーランスもありだよ、ということです。

4000字を超える回答になってしまいすみません。2回に分けるべきだっただろうか…(笑)

オランダで見た景色をちょくちょく挟みつつお送りしました。


このように、2月中に受け取った質問への回答は無料で公開しております。ご利用の注意をお読みいただいたうえで、質問箱、活用していただけると嬉しいです。
質問箱→https://peing.net/disorderwriter

(匿名で質問できますが、このようにnoteで公開しますので…)


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