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生産性について今思うこと

今まで

ワーキングマザーの私は、生産性を上げないと仕事が終わらなくて、家事も育児も終わらなくて、だから、「生産性」「効率性」こういったことを日々試行錯誤して向上させてきました。
三種の神器(乾燥機付きのドラム型洗濯機、ロボット掃除機、食洗機)は全て買い揃えました。
仕事では、かなり非現実的な目標で仕事して(午前中で1日の仕事を終える!とか)、実際には毎日達成出来ないですが、現実的な目標は結果的に達成する、といった具合で仕事をしていました。
そんな当時の愛読書は、ちきりんさんの

こちらの本でした。
今でも読むと、「そうそう!」と思うこともあるし、ちきりんさんの著書でダントツに好きな本です。

最近感じる違和感

そんな、生産性ラブ!な私が、なぜか最近生産性に違和感を感じ始めたのです。
あんなに好きだった生産性、生産性さえ上がれば、私のこの毎日お手玉をし続けているような大変な毎日が楽になるという気持ち、この気持ちが、なぜかシラケたものになってきたのです。

理由を考えた

稲垣えみ子さんの著書がきっかけだと思います。
稲垣さんは、冷蔵庫を持たない暮らしでまさかの時短を手に入れた方です。
一般的には、冷蔵庫があった方が、食材を保存できて買い物の頻度も減るし、作り置きおかずは冷蔵して数日分作った方が時短になると思います。
しかし、そこを逆転の発想をしたのが稲垣さんです。
冷蔵庫がない時代の昔の人の暮らしを真似ると、干し野菜と漬け物と味噌汁だけの質素な暮らしになったとのことです。しかも、全て常温で長期保存ができますので、毎日同じ顔ぶれの食事を続けるということです。
毎日カラフルで子どもウケのいい食事を作らなければという呪縛から解放され、さすがにタンパク質のために肉魚をメインに据えますが、副菜はぬか漬けやら単にきゅうりサラダという簡単なものにして、味噌汁とごはんを必須にしたら、稲垣さんの言う通り、料理にかける時間がかなり減りました。料理は、献立作りと買い物がかなり時間を奪いますが、献立はなくなり、干し野菜と漬け物生活により、買い物はまとめ買いは2週間に一度で済むようになりました。(さすがに冷蔵庫はあります。)
そうしたら、何だか漬け物を漬けたり、野菜を干したりするプロセスそのものが楽しくなってきたのです。今まで暇な人がするものと思って敬遠していた「ていねいな暮らし」「手仕事」といったワードが、私の近くにやってきたのです。

生産性を上げなきゃいけない仕事に意味はあるの?

生産性を上げなきゃ!と思っていた家事は、それ自体が毎日の繰り返し、ルーチンワークで、できたらやりたくないこと、という前提なら、生産性が上がることで嫌な家事をやらなくて済んで、あるいは短時間で済ますことができてハッピーです。しかし、稲垣えみ子さんの著書によって、家事はむしろ率先して毎日やった方がいいこと、それ自体に価値があるということに気付かされました。稲垣さんの著書では、認知症を防ぐ手立てとして家事の有用性について述べられています。

翻って、仕事についても、同じ考え方ができないか、と思えてきました。
生産性を上げなきゃ!と思うのは、その仕事が「意味のない」「ルーチンワーク」だという前提だからではないでしょうか?だって意味のある毎日発見だらけの楽しい仕事なら、むしろ終わってほしくない、味わい尽くしたいと思うし、楽しいことって生産性なんか考えなくても自然と生産性が爆上がりしています。
ちきりんさんは、生産性を上げて仕事を早く終わらせることで、余った時間で意味のある仕事をすることができると説いています。
余裕のないワーキングマザーの私は、とにかく仕事を時間内に終わらせる必要がありましたが、ふと立ち止まると、私がしている日々の仕事って、そんなに早く終わらせないといけないほど、意味のないルーチンワークなのかな…と思ってきたのです。
確かに、必死に髪振り乱して働く私の横でネットサーフィンしている同僚に腹が立った日もありましたが、今感じるのは、そんなにすぐに終わらせないといけない仕事なんて、やる意味そもそもあるの?ということです。
私達のしている仕事ってそんなつまらないものなの?私は楽しくて楽しくてやっているうちにいつの間にか終わらせちゃった、というスタイルで仕事したい、そういう風に思えない仕事なら、やりたくない、と思ってきました。

まだ答えは見つからない

なんとなく、生産性を上げるというのは、つまらない仕事を早く終わらせるための方策に思えます。これは被雇用者からみた視点で、雇用者からみると、生産性が上がればPL上コストが下がる(残業代分の人件費が減る)のに加えて、余った時間でクリエイティブなことを社員がしてくれれば利益も上がるという美味しいものです。
私も、経営者なら、社員がそんなマインドで働いてくれたらかなりラッキーだと思います。
だからといって、社員が会社に抵抗して残業時間を増やしたり、仕事をなかなか終わらせないのは違うと思うものの、もう少し、自分がこの仕事をどう思うか、という視点で考えたいなと思います。
でもまだこの生産性へのシラケた気持ちを解消するための答えは見つかりません。

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