見出し画像

本読みの履歴書 4

本読みの履歴書4回目。もとは2005年にmixiで内輪向けに書いていたものの再録です。高校卒業までで100冊あげたので通し番号はその名残。
前回はこちら。

https://note.com/kinokoubazakura/n/n846441aa2635

<創元社の世界少年少女文学全集 第一期分30冊 その2>
まだ小学生です。やっぱり小学校時代が一番本を読んでた気がします。

20.第21巻(北欧編1) アンデルセン童話集/絵のない絵本
アンデルセンは本当に面白かった。人魚姫だとか、マッチ売りの少女だとか、有名な話もたくさんありますがそれ以外にたくさんの童話がありどれもすばらしい。続けて読むとアンデルセン・ワールドみたいな雰囲気にどっぷり浸かれます。人生の悲喜こもごもがすべて混じり合っている、みたいな。小学生だってそれはわかるんです。

「絵のない絵本」は、お話の形式をとった詩ですね。

21.第15巻(ドイツ編2) ホフマン 「くるみわり人形」
これはまだバレリーナだった時代に自分で踊ったので思い入れのあるお話。そうなんです。小学校の頃、ほんの2年ほどですが憧れのバレリーナになりました。ええと、踊ったといっても「客の子ども3」とか、そんなんですよ。才能はまったく皆無で常にその他大勢のうしろの方でしたけど。

このお話はチャイコフスキーのバレエとは微妙に名前が違います。このお話の主人公は「マリー」ですが、バレエでは「クララ」なのです。ストーリーはだいたい同じ。

今でも懐かしいのは幕が上がる序曲から最後まで全部曲を覚えたからかもしれません。何度も何度も繰り返し練習し、人が踊るところはすみっこで待っていたので頭に入ってしまったのです。クリスマスパーティに人々が集う様子、憎々しげなネズミの大将が出るところ、雪の国を通っていく道中。もう物語よりも自分が出た舞台よりも、大人になってからDVDで観たバレエの場面の方が鮮明ではありますが。

22.第13巻(フランス編3) ドーデ 「風車小屋だより」/「月曜物語」
 同じ巻の、ジョルジュ・サンドによる「ものを言うかしの木」も好きでした。おっともしかしてショパンに出会うずっと前にジョルジュ・サンドの方に出会っていたのか。そうだったのか自分!

ショパンに傾倒するのはピアノがちょびっと弾けるようになった中学生以降だったので、この本を読んでいた頃はまだ存在を知らなかったですね~

23.第20巻(ロシア編3) バジョーフ 「石の花」
「ツルコケモモ」って果物(植物)が出てくるの、このお話でしたっけ?
妙に記憶に残っているんですが、どうだっただろう?

この物語は民話をベースにしてて子ども向けとは言うものの、なんちゅうかいま振り返ると市井の幸せと芸術の追究の二律背反というか、大人でないとわかんない話でしたね。読んだ当時は小学生だったので「主人公、最後には○○で良かった良かった」みたいな単純な感想しかなかったんですけど。今でもどこかで読めるかな? もう一度手に取ってみたいな。

24.第4巻(イギリス編2) スウィフト 「ガリバー旅行記」
小人国リリパットだけじゃなくて、馬の国の話までちゃんとありました。

ガリバーって小人国の話が有名だけど、そのあとで巨人国にも行ってるし(ゆで卵をどちら側から割るかで政争になっていたのは巨人国でしたっけ?)、それからラピュタに行って、最後に馬の国(馬じゃないけど)に行ってるんですよね。馬(繰り返すが実際は馬じゃない!)はとても高潔な存在でアホな人間ども(ヤフー)とは違うんです。スウィフトって本当に人生でいろいろ嫌なことがあって人間嫌いだったんですかね。そういう感じの話です。

というわけで小学校の頃から「ヤフー」は知っておりました。で、あのyahooはこのヤフーから取ったんでしょうか? それとも全然違うのかな?


25.第2巻(中世編) マロリー原作 「アーサー王物語」
この全集、すべてが子ども向けに書き換えたり削除されたりしている部分があるので、大人になってから「あれも読んだ」「これも読んだ」と思っても実は原典は結構違っていた……ということがあります。

大人になってからこの時の印象をもとに「ランスロットが好き」と言ったら、知り合いの英文学者に「忠実じゃないですよ、あいつは」と言われてしまいました(笑)。でも今でもきっとランスロットが好きだわ。おつきあいするかどうかは別として(笑)。


26.第26巻(東洋編2) 西遊記
唯一の漢字もの。手塚治虫のアニメに「悟空の大冒険」というのがあって、それを観ていたのでストーリーやキャラの大枠を知っていた、というのが大きいのではないかと思います。

名前を呼ばれて返事すると閉じ込められてしまうひょうたんが怖かったですね。ドキドキしました。


もうこのへんで創元社はやめますが……

面白いのは、この全集、他にも有名な作品がいっぱいあるんです。

たとえば「ジャングル・ブック」「宝島」「家なき子」「クオーレ」「アンクルトムの小屋」など。それから中国や韓国、東南アジアのお話、アラビアンナイト(これは大きくなってからバートン版を読んだ)、そして日本の古典から近代物まで。

でもそれらはすごく印象に残っているわけではありません。
特に日本の「文芸童話集」ってのは、内容はまったく覚えていないのに全然面白くなかった記憶だけが(笑)。

それから、どうも男子が好むような冒険モノと、漢字の名前はダメだったようです。西遊記は例外。西遊記が入っていた巻には水滸伝もあったんですが、漢字の名前が区別つかなくてダメでした。ヨーロッパ系カタカナ名前は異常に良く覚えられるんですが。なんなんだろこの特性?


本ばかり読んでいた小学生時代。もう少し続きます。


この記事が参加している募集

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?