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またかよ入院日記 3

前回はこちら。



術後1日目


眠れぬ夜が明けました。

まだ痛いけれど、手術直後の夜半よりはずっとましになっています。ああやっぱり最初のひと晩がヤマなのね、と、改めて実感しました。12時間、術後12時間ですよ皆さん。12時間がんばれば少しずつ楽になります。

腹腔鏡手術をした直後は、起き上がれないのですけれど寝返りは打つように言われます。そうやって少しでも動いた方が良いとのこと。
かつての胆嚢摘出の時は、寝返ろうとすると手術の傷口に近い部分があたって痛くてなかなかできませんでした。今回の婦人科の手術では、傷口が寝返りで響く場所にはなく、左右に向くのは比較的自由にできました。そこはうれしい誤算です。開けた場所が違うのね。

真ん中のマルにバツはおへそ

おへそを開けるのは同じですが、こうしてみると全然違う位置ですね。
ああ、でも、ということは、森野の腹にはいまや6つの穴の跡があるってことね。
「6つの穴を持つ女」
ぜんぜん小説にも映画にもならない情けなさそうなタイトルだ。まあいいや。


そしてごはんが出ました。じゃーん。

ご飯が多くて食べられなかった

すごいよここのごはん。
病院食なのに! 
箸置きが! 
ついている!

それにおいしい。単なるシンプルなお浸しとかだけじゃなくて、隠し味に軽くスパイスを使った凝った副菜もあったり。すばらしいわ~~

すばらしいんですが胃が痛くてあまり食べられません。それに絶食あけにいきなり常食が出るんだもんなー

そう、胃が痛い。

みぞおちがずっとシクシク痛いのです。病院にいるので訴えましたが、科も違うし、いまは術後の管理の時期なので大した対応も出来ず、ゆるい胃薬をもらいました。レバミピドと言う奴です。ないよりマシなので有り難くいただきましたが、それで治るものでもありませんでした。

なんで胃にきちゃったかなあ。
術後痛かったからストレス?
夜中にもう一度、坐薬を頼めば良かったのかなあ。時間的にもらえただろうか。しかしもう済んでしまったことなので戻れません。

手術が午後遅かったせいか、午前中は足のポンプも尿管も付いたままでしたが、午後になって看護師さんが来ました。
「起き上がって歩いてみましょうか」
歩けるかどうかが、尿管を外す目安になっているようです。よっこらしょ。

おや、問題なく歩けますよ。
前回の胆嚢摘出では最初、痛くて分速10メートルだったのに、今回はゆっくり普通に歩けます。手術から24時間弱たって、まだ痛くはあるものの昨晩のうめきが嘘のように痛みが引いていっています。背中も痛くない。圧迫感もない。部位が違うって、穴の場所が違うってこんななの?

おかげで点滴以外をすべて外してもらい身軽になりました。あの尿管がね、好きな人いないよね。作家の朝井リョウさんなんて著書の中で特大フォントで嫌がってた*もの。

(* 朝井リョウ 「風と共にゆとりぬ」 文春文庫 )


術後2日目~5日目

2日目には点滴も取れました。針を抜いてもらってスッキリ。手術直後にうんうん唸っていたのが嘘のようです。

手術跡は、当日夜の苦しさがマボロシだったかのように痛みが軽くなっていました。合併症などがあれば別なのでしょうが、自分の場合、本当にすんなり良くなっていったのでありがたいことこの上ないです。

寝たり起きたりする動作の時は腹筋を使うので痛むのですが、それもベッドの柵を手でギュッと握って腕力で身体を起こせばなんてことありません。縦になってしまえばゆっくり歩くのに支障はなし。腹腔鏡手術は確かに早く回復するというのを身をもって感じました。

ただし術後の回復はめざましく順調だったのに比べ、胃の方は全然だめ。せっかくごはんがおいしいのに半分くらいしか食べられず残念でした。うまくいかないものです。そしてちょうど土日を挟んだせいもあり、同じ病院の消化器科を新たに受診することはできず、そこもなんだかなあと。退院して一段落したら近くの医者に行ってきちんと調べてもらおうと心に決めました。

元々そういう予定だったのですが、何の問題もなしと言うことで術後5日目に退院となりました。
朝10時までに退院というのでバタバタと支度する森野。たった4日前に腹に四つも穴を開けたとは信じられません。

でもこれで入院とはおさらばだしね。やっほー!
迎えに来てくれたオットに荷物を持ってもらい、胃は重いけど足取りは軽く、病院を後にしたのでした。ちゃんちゃん。



この後、控訴審で逆転敗訴となることを、この時のわたしはまだ知りません。


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