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天使の時間

祖父は脳梗塞で数年入院していました。

長期入院ができた昔々のことです。

お見舞いに行くと祖父は話しかけてくれますが、後遺症で麻痺があるため何を話しているのかわかりにくかったのを覚えています。


母は4人兄弟の2番目

近くの病院に祖父を入院させ面倒をみていました。

コーヒーと筋子が好きな祖父のために、よく差し入れをしていました。

段々と祖父は衰弱し会話が難しくなりました。

もう時間の問題かもと母から連絡があった2日後

「コーヒーが飲みたい」と言ったそうです。

「おじいさん、ちょっと元気になったよ」と連絡がきました。

でも、喜んだのも束の間

その2日後祖父は旅立ちました。

「元気になったと思ったのに」

それが「天使の時間」だったことを後から知りました。

「中治り現象」「last rally(ラスト ラリー)」「最後の回復」とも呼ぶようです。


最近、似たような事がありました。


知り合いのおばあさまで、ずっと施設に入られていました。

血圧が下がり危ない状態だったのに、血圧が少し戻り会話ができる状態になった、とご家族は喜ばれていました。

「良かったですね」と言いながら天使の時間ではないことを祈っていましたが

その数日後、旅立たれたそうです。


天使の時間

それがわかっていたなら、何か出来ることがあるのでしょうか




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