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「日本のヤバい女の子」がヤバい

昔々、マジで信じられないことがあったんだけど聞いてくれる?

「えっ…タイトルもさることながら、導入からヤバない?」

幼い頃、昔話に出てくる彼女たちが
かっこよくて、面白くて、大好きだった。
やっと会えたね、うれしいね。
わたしたち、積年の呪いを解き合って、
どんどん自由になっていこうね。
− 松田青子(書籍帯より)

「これは…最高の本に出会ってしまったのでは??」

期待を膨らませながらページを繰っていると、
気づけば最後のページになっていた。(ヤバい)

この本には20編のヤバい女の子たちの話が詰まっている。

「古事記」「日本書紀」のイザナミや、
「浦島太郎」の乙姫、「落語 皿屋敷」のお菊などの有名どころから、
うぐいす女房、飯食わぬ嫁、鉢かづき姫などマイナー?どころまで。
(私が知らないだけかも)

昔話って、知っているようで、案外知らないもので、
日本にはこんなにもヤバい女の子たちがいたのかよ。

驚きながらも、次へ、次へとページを繰る手が止まらない。

■ここがスキ!ポイント
・物語がわかりやすく(時に現代風に)まとまっている
・時たま、著者のはらださんがバチバチに怒る
・現代の彼女たちのイラストがめちゃくちゃ可愛い

昔話といえば、古典。
私はどうも古典を読むのが苦手で、
「ん〜?つまり?テンション上がっちゃったの?」とか
置き換えないと感情移入ができなかった。

最近「エモい」=「をかし」なのでは?とネットで話題になった。

そ れ だ っ ! ! !

苦手だと思っていた古典表現も、現代的に表してくれると
「なるほどね!エモかったんね!わかりみ!」となる。
学が無いと怒られそうですが、そんなの知らん!

そんな私がスルリと読み終えてしまった。
この本はあまりにも適切に内容を噛み砕いてくれている。

さらに、1編の構成が
【昔話→著者の考え→彼女たちが現代に生きていたら】
となっているので、女性に対する考えが
この数百年、数千年で大きく変化したんだとよくわかる。

「女のアドバイス=恥」というような時代背景の呪いや
「女らしい」という価値観の呪いや
「女の幸せ=結婚」というような呪い

そんなことあるかよ!!!
と思うことが昔々、たくさんあった。
今も、無くなっていないけど、声をあげる人は増えたし
呪いを解いて自由になっている女の子は増えたと思う。
(一緒に解いた男の子もたくさん増えたと思う。)

私のそんなことあるかよ!!!を代弁してくれるかのごとく
著者のはらださんは、怒っている。

例えば、《CASE STUDY1「献身とヤバい女の子−おかめ」》
「女の助言で仕事を成功させたことが不名誉になる」と
死を選んだおかめについて。

私「えぇぇぇ!おかめ、死ななくてよくない!?!?!?そんなことあるかよ!!!」

−女だから、自分の存在を消すことが最もよい選択だから、私もそれで納得しているから。私、ほんとに全然後悔していないの。これから先どんな価値観の時代になろうと、何の後悔もしないの。
 もしも友達だったらそうやって笑うあなたを張り倒し、「うっせーバカ!アホ!ステーキ食ってカラオケ行くぞ!」とキレることができたのに。素敵食って、カラオケ行って、そのまま夜行バスで眠って、起きたら電車を乗り継いで、飛行機にも乗ったりして。あなたが満ち足りた気持ちでいられて、誰もそれを悪く思わない場所まで言ってしまえたのに。もちろん、あなたの功績を残してどこかへ移動しなければならないことに私は忸怩たる思いを感じるけれど、それでも、何でもいいから生きていてほしかった。

−CASE STUDY1
「献身とヤバい女の子−おかめ」

バチバチに怒ってる…泣ける。


《CASE STUDY8「喧嘩とヤバい女の子−イザナミノミコト(古事記/日本書紀)」》

日本創成の折に、亡くなってしまったイザナミ。
黄泉の国まで会いに行くイザナギだったが、約束を破られブチ切れたイザナギに追いかけられる。
何とか逃げ切ったものの、「毎日千人殺してやる」と言われ、
「それならば一日に千五百人誕生させる」と言って現世へ戻る。

私「授業でやったことあるけども…「女から声をかけたのがよくない」って何だそれ!そんなことあるかよ!!!ツッコミどころが多すぎるんだよ!」

えっ、もしかしてこの夫婦げんかの為に人間の寿命が存在してる、みたいな話!?イザナミに殺される千人の人、迷惑すぎない?というかイザナギ、お前というやつは……!そもそも冒頭の「女から声をかけるのはダメ」とかいうやつ、何なの?
(中略)
大体、ちょっと腐ったからって何だというのだ。何びびっとんねん、ナメとんか、どつきまわすぞ。イザナミの怒りはもっともだ。ムカついて、イザナギを追いかけて殺してしまっても仕方ないのかもしれない。

−CASE STUDY8
「喧嘩とヤバい女の子−イザナミノミコト(古事記/日本書紀)」

ほんと…それ!!!!

こんな具合である。
まだまだ紹介したいところがあるけれど、
全文紹介してしまうことになりそうなので、
ぜひとも読んでほしい…!!

女の子にはもちろん、男の子にも読んでほしいなぁ。

天野 潤平さんの感想noteもぜひ。

平成も終わっちゃうことだし、
女の子も、男の子も、どんどん呪いを解き合って
自由になっていこうね。

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