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【読書】 「ハートドリブン」これからの時代に必要なのは4つの目

物事を見る時、3つの目を持つことが大事だと言われています。
「鳥の目」「虫の目」「魚の目」の3つです。
鳥の目は物事全体を俯瞰で見る目。
虫の目は小さなところまで細かく見る目。
魚の目は潮の流れを読むように時代の流れを読む目。
物事を見る時、これら3つの目を意識して世の中を正しく認識することが大事です。

ただ、これからの時代は、この3つだけでなく、4つ目が必要になってくるのだと思います。
それは、自分の内面を見る目です。
「心の目」という感じでしょうか。
なぜそう思ったかというと、「ハートドリブン」を読んでそう思いました。

「鳥の目」「虫の目」「魚の目」の3つは、自分の外側の世界を正しく認識するための目です。
そして、世の中にあるビジネス書の大半はこの3つのどれかの視点で書かれています。
一つの分野に特化して詳細に書かれている本は、虫の目の視点で書かれています。
専門書の分野も主に虫の目の視点で書かれて本と言えるかと思います。
流行やトレンドについて解説した本は魚の目の視点で書かれています。
成功哲学や法則など、普遍的な内容を抽象的に解説した本は鳥の目の視点で書かれています。

そして、いわゆる「自己啓発本」や「スピリチュアル本」が上の3つの視点とは別の、自分の内面に目を向けて書かれた本であると思います。

ここからは本の感想です。
「ハートドリブン」は、株式会社アカツキのCEO、塩田元規さんの著書です。
編集担当は幻冬舎の箕輪厚介さん。
この本を購入して読んでいるとき、友人から「スピリチュアルに目覚めたん?どうした?」的なことを言われました。
私は単純に箕輪さんが担当した本のファンなので今回も読みたいと思い、購入しました。
なので買うときにはあまりジャンルは気にしていませんでしたが、確かに、「魂」や「目に見えないものを大切にする力」というキーワードが出てきますし、内容もスピリチュアルでした。

本の中では、塩田さん自身が上の3つの目で世界を見た時、「次は心の時代になる」とおっしゃっています。
そして塩田さんの実体験を元に、自分の感情や魂といった内面に目を向けることの大切さや、一見無駄に見える時間の大切さ、などのことが書かれています。
この本では自分の内側、いわゆる「魂」を進化させることに重点を置いて書かれていますが、実際には自分の外側にもちゃんと目を向けて、世の中にどんな価値を提供できるかを考えていくことも大切だと思います。
塩田さんはDeNAに就職したときは、睡眠時間を削って本を読みまくり、周りの人よりも行動しまくって結果を出していたと書かれています。
きっとこのときに、自分の外側の世界に対して自分の力でどうやって価値を生み出すかを必死に考えていたんじゃないかと思います。
塩田さんは自分の外の世界を知ったうえで、自分の内側にも目を向けた。
その結果更なる進化をすることができたのではないかと思いました。

これからの時代は、「自分の外側の世界」と「自分の内面」の両方を客観的に見て冷静に分析することができる人が成功する時代なのかもしれません。

最後に、「ビジネス書」というジャンルについても思うところがありました。
「ハートドリブン」は、本のカテゴリ的にはビジネス書ですが、内容はとてもスピリチュアル的でした。
箕輪さんは時代を作っていく人だと私は思っているので、これからの時代はビジネス書にもスピリチュアルな本が増えていくのかもしれません。
もしくは、本をジャンルで分けることにあまり意味がなくなるような気もしています。
ハートドリブンでは、これからは心や感情を大切にする時代になると言っています。
また、最近は「好きを仕事に」とか「仕事と遊びの境目がなくなる」なんて言葉もよく聞きます。
そうなると、本を「ビジネス書」「自己啓発本」「スピリチュアル本」という風にジャンル分けすること自体があまり意味がないような気もしてきます。
ジャンルにこだわらずに、その時代の人々に価値を提供できる本が今後は残っていくのかもしれません。


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