北城 駿

北城 駿

記事一覧

あの人は今 筆頭は横須賀にいた!?

今でもたまに思い出すことがあるんだよ。 眠れない夜にツイッターを眺めている、そう、こんな夜に。 もう何年前だったか、俺は筆頭さんにフォローされた。 筆頭? すぐググ…

北城 駿
1年前
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あるフォロワーさんへの手紙

いつからだろうか、足りないものを嘆いて、欲しいものを探してばかり 人の命が地球より重いかけがえのないものだというのなら、 人は生きているだけで既に一番大切なものを…

北城 駿
2年前
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午前6時のカレーライス

 私が妊娠してから、夫の勇司は朝のジョギングを始めた。子を持つ親として、体力をつけなきゃいけないと言って。それまでいつも出社ギリギリまで寝ていた勇司のことだから…

北城 駿
8年前
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午前4時の肉うどん

 まぶたを開くと俺は薄暗い照明の中にいて、一瞬ここがどこだか分からなかった。 「ん……、ごめん、寝ちゃってた」  見慣れた調度品と、堅いけど座り心地のいいソファ…

北城 駿
8年前
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午前1時のポテトサラダ

「そろそろ終電。帰らなきゃ」 時計のデジタルは、0時33分。シンデレラだったら大遅刻だ。 「いいじゃん泊ってけば」 祐司はゲーム機に顔を落としたまま言う。 「腹減…

北城 駿
8年前
3

あの人は今 筆頭は横須賀にいた!?

今でもたまに思い出すことがあるんだよ。
眠れない夜にツイッターを眺めている、そう、こんな夜に。
もう何年前だったか、俺は筆頭さんにフォローされた。
筆頭? すぐググって意味を調べたら「筆の先」だって。
イヤらしい名前だな。筆おろしの先っぽ? 亀頭かよ!
間もなく通知が止まらなくなる。真夜中のふぁぼ爆だ!
なんて奴だ。マナー違反もいいとこだろ。
シコシコせっせと俺のツイートを片っ端からふぁぼってやが

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あるフォロワーさんへの手紙

いつからだろうか、足りないものを嘆いて、欲しいものを探してばかり
人の命が地球より重いかけがえのないものだというのなら、
人は生きているだけで既に一番大切なものを手に入れているのに
それはもう奇跡をかかえて暮らしているようなもの
それでもなお、あれもこれもと、手を伸ばし
手に入れたものをたくさん抱え、
さらに手に入れられなかったもの、失くしてしまったものへの執着と後悔で
やがてがんじがらめになって

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午前6時のカレーライス

 私が妊娠してから、夫の勇司は朝のジョギングを始めた。子を持つ親として、体力をつけなきゃいけないと言って。それまでいつも出社ギリギリまで寝ていた勇司のことだから、どうせ長続きしないだろうと思っていたら、昔陸上部だった血が再び目覚めたとか、朝練を思い出すとか騒ぎながら、雨の日以外はずっと走っていた。

 何を勘違いしたのか知らないけど、私がいよいよ陣痛が酷くなって夜中に分娩室に運ばれる時も、「お前が

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午前4時の肉うどん

 まぶたを開くと俺は薄暗い照明の中にいて、一瞬ここがどこだか分からなかった。

「ん……、ごめん、寝ちゃってた」

 見慣れた調度品と、堅いけど座り心地のいいソファー。行きつけのスナックのテーブル席で、だらしなく正体を無くしていた俺の体には、派手なブランケットがかけられていた。

「初めてね、シゲちゃんがお店で酔いつぶれるなんて」

「本当ごめん。悪酔いしたみたいだわ」

すぐに状況を把握して、俺

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午前1時のポテトサラダ

「そろそろ終電。帰らなきゃ」

時計のデジタルは、0時33分。シンデレラだったら大遅刻だ。

「いいじゃん泊ってけば」

祐司はゲーム機に顔を落としたまま言う。

「腹減った。なんか作ってよ」

目的はそれか。駅まで送ってもらうことは諦めていたけれど、こんな夜中に飯炊きババアにされるとは。

「なんでもいいからさ」

そう簡単に言うけれど、冷蔵庫を開けても缶ビールとペットボトルの飲みものくらいしか

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