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あなたはよくねむるひとでした。 「013_がっぽさん」は削除しました。

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マガジン

  • ためになるもの

    これはためになるものだ。 ためになるものをいれるはこなのだ。

  • よいもの

    これはよいものだ。 よいものをいれるはこなのだ。

  • 奇譚

    進行形で記憶を供養していきます。

  • エッセイ/日記

    考えたこと感じたこと。

  • 交差点

    交差点とその後。

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001_坂

坂がある。 A町から大学病院方面へ抜ける坂がある。 日中は学生がよく通る、平凡でありふれたちょっと薄暗い坂。 日が沈むにつれて人の往来はなくなり、 脇に茂る竹藪が風で擦れ合う音だけが耳に残る。 先輩からこんなことを聞いた。 雪が積もる夜にこの坂を二人で降りてはいけない。 一人で降りても三人で降りても良い。 二人で登っても良い。 二人で降りてはいけない。 二人の間にもう一つ足跡がつくから。 友人Nと坂を降りていると、ふとこの話を思い出した。 信じていなかったけれど、

    • 021_霊感テスト

      霊感があるかどうかをチェックするテストがある。 目を瞑って自宅の玄関から各部屋の中を想像し、 誰かがいたら霊感があるというテストがある。 怖いものが苦手なHと話をしているとき、 脅かしてみたくなって、霊感テストということは 伏せて簡単な心理テストとしてやらせてみた。 目を瞑って、自宅を思い浮かべます。 玄関から入って、洗面所のドアを開けます。 ゆっくり歩いて浴室のドアも開けます。 窓があるなら窓も開けて、 その後はリビングに向かいます。 リビングを左回りに回って、 ク

      • 煙草#新生活20字小説

        じっくり燻された肺胞が眠り、僕も眠った。 #新生活20字小説

        • 暖かくなってきてだんだん起きてきた…!ドルステニアラブラニー!成長遅過ぎる…けど葉っぱが可愛いから許せる。

        • 固定された記事

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        • ためになるもの
          16本
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          20本
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        記事

          020_蔵の中

          座敷林に囲まれた敷地の外れに蔵がある。 漆喰の壁に囲まれた蔵の中に蔵がある。 サークルの友人Bから聞いた話。 Bの地元は散村で有名な地域で、 実家もそれなりに由緒ある家系だからか 敷地に大きな蔵が2つもある。 そのうちの1つは商店をやっていたころの名残で 陶磁器や掛け軸、桐箪笥といった古道具が びっしりと詰められている。 春と秋の天気の良い日には家族総出で 虫干しと掃除を半日以上かけて行うのが風物詩だった。 作業を終えた後には、祖父母からお小遣いがもらえて、 家族み

          020_蔵の中

          溶ける石 #新生活20字小説

          蹴飛ばし運んだ石はもうどこにもなかった。 #新生活20字小説

          溶ける石 #新生活20字小説

          これは良い桜。良いものです。

          これは良い桜。良いものです。

          エッセイ/シュロとTジュロとソテツ

          今までソテツだと思っていたものがシュロだった時の衝撃たるや… 偶然ソテツ地獄という言葉を知ったので せっかくなのでソテツエピソードをば。 シュッとしているのがシュロで、 ずんぐりしているのがソテツ。 細長い南国っぽいやつはだいたいトウジュロ。 庭とかにある背高いやつはだいたいトウジュロ。 いつもソテツと間違えられがちなので 「あれはトウジュロだね」って解説できるとスマート。 シュロ系はヤシ科、ソテツはソテツ科。 シュロは葉柄が長くて扇状に大味な葉っぱ、 ソテツは葉柄の両

          エッセイ/シュロとTジュロとソテツ

          019_アルバイト(大学図書館)

          大学図書館事務補助というアルバイトがある。 受付、配架・書架整理を行うアルバイトがある。 自学生だけを対象とした 大学が募集しているアルバイトだ。 勤務地が大学内というのは都合がよく、 空いている時間は本を読んだり 課題をしたりしても良いので 学生にとっては破格の勤務条件だ。 あと、地方にしては時給も悪くない。 そんなバイトなので辞める人は殆どいない。 たまたま卒業生の枠に滑り込むことが できた自分は幸運だったといえる。 平日の勤務は16時半から22時半まで。 閉館後

          019_アルバイト(大学図書館)

          エッセイ/なにものかのように振る舞い続けた、なにものにもなれなかった

          とってつけた言い訳を大事に抱えて、 かっこつけた言い淀みで繋いで、  その場をしのいできました。 その集大成が現状の自分なんだなと。 今もあるのか分からないのですが、 古めの洋楽のCDを買うと ペラペラ冊子の和訳が入っていたんです。 マリリン・マンソンのThe Nobodiesだったかな。 その中に「ひとかどの人物になりたかった」 みたいに訳されたフレーズがあって、 酷く不恰好な訳だなぁなんて 一丁前に思ったことをふと思い出しました。 漠然とひとかどになりたかった、

          エッセイ/なにものかのように振る舞い続けた、なにものにもなれなかった

          018_交差点3

          交差点がある。 友人から観察記録が送られてくる交差点がある。 #私の作品紹介 #眠れない夜に

          018_交差点3

          017_手の鳴る音

          手の鳴る音がある。 両手を打つ音がある。 うちに泊まって欲しい。 サークル棟のベンチで友人たちと煙草を吸っていると、 何の脈絡もなくKに誘われた。 Kは実家から大学近くのアパートに最近引っ越していた。 引っ越した当初は人を呼びたくなるよね、と深く考えず いいよ、と返した。 帰り道のスーパーで買い出しを行い、アパートに向かう。 学生が多く住むA町ではあるが、賃貸よりも一戸建てが 多い場所にKのアパートはあった。 この辺りは大学移転に伴う開発があまり入らなかった区画で

          017_手の鳴る音

          Xを始めてみました。未知数。 https://twitter.com/Fox_YouBoku

          Xを始めてみました。未知数。 https://twitter.com/Fox_YouBoku

          016_望郷

          故郷がある。 好むと好まざるとにかかわらず誰しもに故郷がある。 それを思い偲ぶことを望郷と呼ぶ。 研究室の同期から聞いた話。 その子の実家はF県の県境に近い小さな町の出身。 明治期は何とか耐え忍んだものの、昭和の大合併で周辺集落とくっついて新しい集落となり村となり、ついには平成の大合併で町になったと。 元々は別々の村だったから同じ町でも文化が違うんだよ、ツギハギの町なんだよ、と地元の話になるといつも言っていた。 民俗学専攻の研究室ということもあり、たびたびそういう(一般

          エッセイ/グミに酸っぱい粉をまぶす時代、グミを固くする時代

          やや固めのグミに酸っぱい粉をまぶすのが少し前まで流行っていたのかなと思っております。とりあえず粉まぶしとけばええやろ的な。 袋の中でグミ同士がくっつかないようにという意味合いがあるのかなとも考えております。なんかインパクトあるやろ的な。 そこから「これはグミ…なのか…?」みたいなグミが大量に発生して、ここ数年は歯応えを推す風潮がグミ界隈にあるのかなと感じております。そして奇抜な商品名をつけよう、原色をたくさん使おう的な。 一方で、果汁グミしか認めない果汁グミ原理主義者も

          エッセイ/グミに酸っぱい粉をまぶす時代、グミを固くする時代

          015_ダム

          ダムがある。 大学を横目に車で20分ほど山を進むとダムがある。 もっと車を走らせると少し有名な天体鑑賞スポットがあるのだが、 カップルや家族連れが多いのて、 ふらっと夜風にあたりたいとき、星を見たいときは そこに行くのが定番だった。 その日も友人と星でも見に行くかと、男3人で出発した。 本線から脇道に入ったところに車を置いてダムに向かう。 5分程歩いたところに開けたスペースがあり、 澄んだ夜には空いっぱいに星が散らばるなかなか良い場所だ。 電灯も殆どないため暗がりのな