南からの贈り物6 タニワタリノキ
朝早く涼しいうちに散歩に出かける。しばらく歩き回って家に戻る頃になると、南の島の真夏の日差しの強さはもう容赦無くなっていて、じりじりと長袖シャツの中の肌をも焼いた。それでも、自宅近くの狭い道に差し掛かると、木々の枝は低く木陰を作ってくれていてほっとした。近くに迫った頭上の熊蝉はシャンシャンシャンと物凄く煩いのだが。
屋久島の庭の横にあった小さな谷川沿いにも背の高い自然林が生い茂っていたので、川に面したあたりは、熊蝉の声がとても響いた。その谷川に面した部屋は景色は良く、せせら