社会生活

見えない病気というのは
大抵自覚がない。
周囲にも、自分自身にも。
だから、いつまでも気づかないし
事の重大さを知る余地もない。


そして、見えない病気は
ほぼ理解はされない。



限りなく健常に近い障害。
挫けるのはいつも、周囲のズレと
自分のキャパの狭さだった。




だから私は自分を出来損ないだと
思った。


私は、社会不適合の欠陥品だと。

この世の中を
レーンで例えたら
私はきっとすぐに、はねられて
廃棄処分いきだろうなと
考えてた。




だけど、悲観した所で
誰も私を助けてはくれない。
当たり前だ。
みんな自分の事で手一杯。

適応していかなければならない

強くならなければならない。

食べるため、眠るため、克服するため

生きていくため。



職をクビになったり、自ら辞めたりして
何度も挫けては
その度に、もう限界だと泣いても

もう一度、もう一度と鼓舞して
強く強くなろうとした。



その甲斐あって
私は取り繕う術を覚えた。

悲しくても、笑えるようになった、
何を言われても誤魔化す事ができた。

体調が悪くても無理ができるようになった。
症状を、隠す事もできるようになった。

それが、「社会人としてのマナー」だと
思った。


そうして出来上がったのは、
自分にとっても相手にとっても
嘘をつく事しかできない

【偽物】だった。
それが間違っているわけでもない
ただ、それが正しいのかもわからない。


今の会社に入って、4年が過ぎた。
その間に、私が原因で一人去った。

その人は優しい人だった。
明るくて真面目でよく笑う人だった。
きっと、私の病気を理解したかったのだと思う。
私の病気をネットで調べたり
私が休んだ穴をサポートをしてくれたり。

本当に良い人だったと思う。


ただ、私の偽物の姿が
彼女の中の、病気や障害のイメージに
疑問を与えてしまって

結果、本当に私をどう扱えばいいのか
わからなくなってしまったらしい。

体調不良も、本当なのか
疑問に思うようになったと言われた。



私の伝え方が下手だったのか
そもそも理解されないと
決めつけてしまったからか

彼女とは会社では極力
会わない様にシフトを変えてもらった。


溝は深まるばかりで、些細な事で
よく争うようになった。

私も、敵視するようになった。
会社での居場所を奪われると思ったから。


だから、自分のルールを作った。
精神的な理由では休まないとか。


そして、彼女は私との争いに
疲れて去っていった。


ホッとした気持ちもある。でも、
回避できたんじゃないかと思う。

彼女を苦しめた原因は私で
それもれっきとした事実だったから。


それが、ずっとひっかかりながらも
時を過ごしてきた。

だけど、一難去ってまた一難。

新たな問題が生まれる。


この会社だから、できる事も大きい。
融通も効く。上司の理解もある。

きっと辞めてしまったら
振り出しにもどる。


枠にはまった会社に勤めたら
私はまた
できない自分を卑下し続けるだろう。


でも、私が争う種になるのも
もう充分だ。

もうこれ以上
無理に強がることもできなくなってきた。
現に薬を追加する事も増えた。

ここらが潮時なのかもしれない。


その気持ちが揺れ動く。



見えない障害を抱えて生きるには
とても生きづらい。

でも、それでも私は
生きていかなければならない。



どうすれば少しでも
心を楽に生きていけるのか。


必死に探しながら、今日を乗り切るのだ!

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