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同じ家に住まない夫婦。

先日、我が家に友人を招き、ホームパーティーを開いた。

お招きすると、多くのゲストが「キレイなお部屋!」と言ってくださるのですが、何を隠そう「ココでは生活をしていない=生活感がない」ので、当然といえば当然なのである。
そう、我が家は、家がふたつあるのです。
しかも、同じマンションの同じフロア、というか、隣同士でふたつ、です。

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※これは我が家ではありません。理想……(笑)


1.隣同士、二戸で住まう

遡ること、結婚前の話………
ウチは二人とも自営業で、それぞれの仕事部屋確保が必須条件。
結婚前、私はマンションを購入していたのだけれど、一人暮らしを想定していたので自営の2人で住むには狭い。
ほかにも理由はあったけれども、まあとにかく、結婚に伴って新居は別で用意しよう、そこに夫の仕事部屋をつくろう、という話で合意した。

……と、新居を探していたら、驚くことが起こった。
ある日の夫からのメール。

「ねえ、これってさ、もしかして……そこのマンションじゃないの?」

物件の情報を見てみると、ええええええ!!!!

おそらく、私の部屋の、真隣りの部屋………
なんと、分譲賃貸で借り手を探しているようだ。

「そうだよ、きっとそうだよ!!!どうする?見てみる?」

すぐに不動産業者に連絡をとり、真隣りの住人ということはいったん隠して、しれっと見学にいった。間取りは違うので、ふむふむと見つつ、「検討します」と別れた。が、いいではないか、真隣り。

ほぼ即決。

夫の引きの強さは、その後も我が家の伝説として語り継がれることになるのであった………。

こうして、2軒隣同士の新生活が始まった。


といっても、新しく借りた方が夫の仕事部屋+夫婦の生活スペース。もとの私の部屋は、私の仕事部屋+ゲストルーム。贅沢といえばそうかもしれないけれど、繰り返すが1軒で住むにはどうしても手狭になる仕事なので、致し方ない。しかも、やってみたら、これが………何かと便利でイイのです!
たとえば……

●両家の親が来た時に、ゲストルームに通せる
(完全別の家なのでお風呂など気兼ねがない。でも隣なので行き来が簡単)
●友人が来た時に、片付けであわてることがない
(生活スペースがぐちゃぐちゃでも大丈夫。笑)
●喧嘩してもすぐ家出できる
(でも、隣にいると丸わかりなので探しにすら来ない)
●インテリアの好みでもめることがない
(これは自分のスペースさえ確保できれば2戸でなくてもいいかも)
●一人になりたいときにすぐなれる
(同じ家の中の別の部屋、よりも、プライベート感は各段に違う)




などなど。

この話を聞いたシングルの友人たちは、こぞって

「いいな、それがいい!」

とおっしゃる。とくに、一人暮らしの長い、大人(もちろんみんな大人だけど……笑。中でも30代半ば以降くらいでしょうか)は、男女問わず賛同されることが多い。自分の生活スタイルができている分、誰かと暮らすことへの諸々の抵抗感は、少なからずあるようだ。
ウチは2人とも自営なので仕事部屋を自宅につくらなくてはならないから部屋数の条件があるけれど、お勤めの方ならたとえば1LDKの隣同士、でもいいかもしれない。

……と思っていたら、最近、リモートワークが急速に進む中、

「家をもう1軒借りた」

という話を聞いたりニュースで観たりするようになった。
オンライン会議中の家族の乱入を避けたいとか(私個人的には嫌いじゃないけれど、やばい場合もありますね)、集中したい、とか。そもそもダイニングとかソファで仕事するのは、身体的苦痛や不具合を伴うので、ちゃんとした仕事部屋が欲しい、とか。仕事用のプライベート空間をどのように確保するかは、今後、ビジネスパーソンの課題になってくるのかもしれない。

2.夫婦、一緒に住まなくてもいい

話が少しそれたけれど……「夫婦の家」という観点でいけば、別居婚なんてものは以前からあるわけだから、「夫婦=一緒に住む」とは限らないけれど、遠方だからなどの事情がなくとも「夫婦で2軒スタイル」がこれからもっと加速してもいいのかもしれない。

そういえば、ウチが2軒隣同士、っていう話が知人の中で広がっていき、中には「2軒で別々に暮らしている」と思う方がいるようで。
「そういう暮らし方いいね、って話してたんですよ~」って言ってくれる人がいる。そういう時は、

「あ、一応、一緒に暮らしてるの。同じ寝室で寝てるんだよ」

と返してます。
時々、「え、そうなの」とガッカリした顔をされるのは何故だろう(笑)。

とはいえ昨年までは、私がとんでもなく出張が多い生活をしていたので、極端な時は1ヵ月のうちに1週間しか一緒に暮らしていない、ということもありましたから、別居婚みたいなものでしたけれどね。


ところで、我が家の「まさに今」は、また少し、家や、暮らし方をマイナーチェンジしようかと話し合っているところ。
望む人生にあわせて、住まいの形・住む場所・暮らし方を軽やかに変えていこう、と実験の日々を送っています。

※実は私の両親は、50代後半を迎えた頃、「田舎暮らしがしてみたい」とそれまで住んでいた自宅を売り、裏手は山・目の前は河・街灯がなく夜は満天の星空が楽しめる北陸の田舎へ引っ越し、広大な庭に桜や柿の木・山野草の植わった古い家に移住した過去がありまして。(12~3年住んで、「やはり元々暮らしていたエリアで死にたい」と戻ってきた)
こういうのを「血はあらそえない」というのでしょうか(笑)

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