見出し画像

【大河ドラマ】鎌倉殿の13人 第32回&第33回感想

遅れに遅れている大河感想。
今回は8月21日放送の第32回「災いの種」、8月28日放送の第33回「修善寺」です。

第32回

源頼家が意識を取り戻しても、時計の針は戻らず。
第三代鎌倉殿に千幡=源実朝が就いた第32回。
時代が大きく動いて、新たに登場する人物がいれば、舞台を去る人物も。

「加持さん」なんだよなぁ

第32回では慈円僧正が初登場。
『愚管抄』の著書で九条兼実の弟。
どうやら本作では後鳥羽上皇のアドバイザー的役割のようで。
「新将軍、大事になさいませ」
ここのやりとりはこの後の後鳥羽院と源実朝の関係の方向性を理解する上で非常に重要だと思います。

「正室」は八重ではなく彼女。ここ重要。

この回では比企氏から義時に嫁いできた比奈(姫の前)が離縁を申し出ました。
悲しいシーンではあるのですが、比奈を演じる堀田真由氏がゼクシィ(結婚情報誌)のCMガールであることを想起すると別の意味で酷い脚本だなぁとニヤリとできるシーンでした。
彼女は朝時と重時の二人の男子を産みますが、朝時は祖父・北条時政の名越の屋敷を受け継ぎ、名越家の祖となります。
比企の血と時政の屋敷を受け継ぐ名越家は「我こそが本流」との自負を持って、北条本家(得宗家)の最大のライバルとなっていくわけですが、これは義時の死後の話であり、大河ドラマの結末より少し先の話。
比奈(姫の前)自身は上洛し、村上源氏の公家・源具親と再婚しました。

第33回

この回では修善寺に逼塞させられた源頼家が死去。

坊主頭になってから余計に魅力が増した感もあり

頼家役の金子大地氏、ハマり役でしたねぇ。
最後まで私の思い描く源頼家でした。
SNSでは人気の善児もこの第33回で退場。
ただ、私は特に思い入れ無くて、語ることはないかな……

源実朝といえば「和歌」なんですが、母・政子に「和歌をやらせてやりたい」と語らせるのは面白い展開。
藤原定家はこのまま登場しないんですかね?
歌人・源実朝を語る上でも、後鳥羽院を中心とする京の歌壇を語る上でも絶対に外せない人物のはずですが……

義時が和田義盛を訪ねるシーンでは仏師・運慶が再登場。
運慶が鎌倉まで下向したかどうか史料で確認できず、議論が分かれるところではありますが、和田義盛の依頼で仏像を制作したのは事実です。
阿弥陀三尊・毘沙門天・不動明王像の5体の仏像が横須賀市にある浄楽寺に伝わっています。
このうち、毘沙門天像と不動明王像は10月7日から神奈川県立金沢文庫で開催される「運慶800年遠忌記念特別展 運慶 鎌倉幕府と三浦一族」に出展される予定ですので、関心のある方は是非金沢文庫に足を運んでください

加えて宣伝ですが、雑誌『宗教問題』39号で「仏師・運慶と御家人たち」と題する記事を書かせていただきました。連載させていただいている「神と仏の鎌倉幕府」の第3回となります。金沢文庫に先駆けて開催された横須賀美術館の運慶展と最新の運慶研究を紹介しつつ、自分なりの考えをまとめました。
是非お買い求めの上、お読みください。

会話の流れ的に運慶は最低でもあと1回は登場しそうですね。
次は義時のために仏像をつくるのでしょうか?
承久の乱の後かな?

下記はドラマ放送以前に書いた記事。
よろしければお時間あるときにでもお読みください。
「【いざ鎌倉:人物伝】源頼家」は自分でもお気に入りの記事です。


この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?