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【誰でもわかる!】絵の具と日本画絵具のおはなし

こんにちは、 清世です。

少し前に、展覧会に連動した「あなたの投稿から日本画を描きます」という企画を立てました。 ※現在は募集終了し制作に取り掛かってます


ところで皆さん。わたくしが専攻している「日本画」、そもそもどんなものかご存知でしょうか?

日本画って何?という質問への答え方は二通り。ひとつは、画材の観点。もうひとつは絵全体の雰囲気のような、いわゆる絵面(えづら)の観点です。

今回は「日本画ってなんぞ?」から画材についておはなしをします。みなさんが展覧会に行ったときに絵具の話をして、ド素人のご友人に「コイツ…やりよる…」と思われるように書きますね〜。

日本画ってなあに?


「日本画とは、顔料を膠で溶いて和紙などに描いた絵である。」

以上を復唱したらあなたの日本画知ったかぶりが完了です!やったね!!

はい、オイオイそれ以上突っ込まれたらわけわかんねーぞと感じる方も多いと思うのでもう少し解説しますね。

日本画の絵具は、自分でつくります。
そもそも絵具は「顔料 (色のもと) +展色材(色のもとを紙などにくっつける接着剤となる材料)」の組み合わせで種類が分かれています。 

ね、 文字にするとよくわかんないでしょ?

式や絵にまとめると絵具ってこんなかんじ。

岩絵具の小瓶。ゴディバ缶をお譲りいただける方はご一報ください

日本画では、顔料に膠という接着剤を指で混ぜ合わせ、水で溶いて使います。チューブなどに入ってるものを自分でつくるわけですから、他の絵具で描くのに比べて結構時間がかかります。
使う量が多いときは、1色を「さあ塗るぞーう!」の状態にするまで2~30分かかることはザラにあります。

さらに、展色材(接着剤)となる膠も湯煎で溶かして作ります。液状で売られている膠は水で薄めて簡単にできますが沢山描くと液膠は割高なので棒膠を使っています。

カッターの横に寝かせてあるのが棒膠。後ろのボトルが液膠です。

棒膠は折ってから一晩水に浸けてふやかします。
翌日湯煎で溶かして冷ましたあとで、ようやく展色材として使えるようになります。

【ふやかすまでの動画】

動画の翌日、続きを撮影し忘れたので今度膠を作る時に撮影します…。

細かな画材の違いはもっとあるんですが、日本画ってなんぞ、への最も簡潔なアンサーは「顔料を膠で溶いて和紙などに描いている絵」です。

なんとな~くおわかりいただけたなら幸いです。

日本画絵具の魅力

やっぱり和紙に色が重なる工程や生まれる色合いと質感が好きです。

これまでnoteではデジタル塗りを主に公開していましたが、指で絵具を溶き、絵具の粒子が和紙にゆっくり乗っていく様子や柔らかな風合いはアナログでないと味わえない良さや楽しさがあります。

それは描く側だけでなく見る側もそうだと思います。

画面越しではない、絵具の重なりや粒子の微細な隆起。
絵と対峙し、対話をする時間とその空気。

緊張も無駄な緩慢もなく、ただ絵と自分があるだけの時間っていいなと思うんです。

そこには、わずかな希望のようなものがあると信じています。


誰でもわかる日本画・続編↓


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