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#2 実践するためのコツ

前回は、#1 技術を高める3つのポイント  をお伝えさせて頂きました。
①理論 ②実践 ③意志
が大切であり、その中でも実践がより重要とお伝えさせて頂きました。では、どのように実践していけばいいのでしょうか?


◇出来ていないを自覚する

どんな技術でも、上手くなるためには、反復練習が必須条件になります。そのことは、誰もが知っている事実ですが、その反復練習を怠ってしまいます。
なぜ、練習不足を感じているのに、練習をあまりしないのでしょうか?
前回の内容とも重なりますが、そこには、過信という問題が、隠れています。頭では、わかっているから、できるはずだという、間違った思い込みに陥っているからです。この思い込みや過信が、実践を積み重ねていく上で、本当に邪魔でしかありません。
大切なのは、出来ていないと『わかる』ことです。私もそうですが、どこかで出来ているという無意識での過信がすぐに出てきます。

このことをお伝えすると、逆に多くの方が、自分の無力さを感じ、自分には、センスがないとか、向いていないとか、そんなに練習したくないとか、やらないことのいい訳ばかり出てきます。つまり、自分には、出来ないと諦めてしまっている状態です。

ちょっと待って下さい。あなたの意志(なりたい)は、どこへいったのですか?あなたが目指している理学療法士や作業療法士は、そんな簡単になれる職業なんですか?

全くやったこともないスポーツを、いきなりプロレベルでできると思う人は、いないと思います。ある程度、できるようになるためには、やはり練習を繰り返すしかありません。

◇原因は、自分の中にある

頭では、皆、知っているんです。
でも、やらない、やれない!!
その原因は、実は、自分の中にあります。
無意識で、何かから逃げようとしていたり、自分には、出来ないと思い込んでしまっています。
他に、出来ないという事を、マイナスでしか捉えていないことにも原因があります。

出来ない自分は、ダメだ!
出来ないと認めてもらえない!
出来ないことが恥ずかしい!

と、出来ないことに対して、考えてみると、マイナスの言葉いっぱい出てきます。

◇出来ないことって、ダメなの?

出来ないことが、ダメだというイメージって、多くの方が持っています。私も持っていました。まだ、完全に手放せたわけではないですが、以前よりは少しだけ、手放せるようになってきました。
手放せるキッカケになったのは、視点を変えるという考え方を、自分の中に取り入れることができたからだと思っています。
すると、こんな問いが、自分の中で生まれるようになってきました。

本当に、出来ないことってダメなの?

この問いに対して、あなたは、どう答えますか??

先にお伝えしておきますが、正解は、ありません。つまり、必ずしもダメだと言い切れないということなんです。

となると、ダメなことに、囚われて落ち込むことが、少しずつ減ってきます。

いきなりは、難しいかもせれませんが、少しずつ、何がダメなの?という問いを自分の中で考える練習をしてみて下さい。

考えるということは、実は、めちゃめちゃ大切な実践だと、私は思っています。

①理論 ②実践 ③意志 という3つのポイントは、全てがつながりっていて、重なり合ってるので、理論の中に考えるという実践が入っていたり、実践の中に意志や理論が入っていたり、意志の中に実践と理論が入っていたりします。

出来ないことが悪いわけではなく、出来ないと気づいたからこそ、出来るようになるという成長を感じることが出来ます。

◇原石を見つけよう

自然の法則として、変化し続けるという法則があります。
私たちの体、細胞は、日々変化し続けてくれています。つまり、成長していくことは、自然の法則なんです。
成長するためには、まず出来ないということに、気づくことが、一番最初に必要なことなんです。

私たちは、生まれた時から、何でも出来る人は、いません。誰もが、歩けなかったし、話すこともできなかったし、何も出来なかったんです。そんな時、凹んで、落ち込んでいましたか?むしろ、何度も何度も繰り返し、実践し続けたからこそ、色んなことが出来るようになったんです。

成長するための力は、もうすでに持っているんです。

出来ないに気づくということは、出来るという可能性の原石を手に入れたと考えると、めちゃめちゃ素敵なことではないですか?

しかも、出来なくて凹むってことは、より出来るという可能性が高いってことかもしれません。そんな視点で、出来ないを見ていくと、出来ないを探すことが、面白くなってくるかもしれません。

あなたは、どんな原石を見つけましたか?

ここまでの話は、実践のコツといいながらも、実は、実践するためには、意志(意識)、考え方が大切ですよ〜って、ことです。実践(練習)をしたいと思う、気持ちがあるかどうか?って、めちゃめちゃ大切なんです。
なぜなら、その意志(思い)がないと、継続し続けられないからです。

◇比較することの落とし穴
出来ないという原石を見つける時に、よくやってしまうことが、比較です。確かに、原石を見つけるためには、何かしらの見本があります。その見本と比較することで、出来ないということに気づかせてもらえます。なので、比較することが決して悪いわけではありません。

大事なのは、比較の仕方なんです。

見本と自分の原石を比べて、形が違う、輝きがない、色が違う、大きさが違うなど、確かに見本と比較すると全然違うと思います。その違いがダメなんですか?

ここで、最初に落とし穴に落ちてしまうケースは、自分も見本と全く同じようになれると思い込んでいることです。

宝石で例えると、あなたが見本にしていた宝石は、ダイヤモンドだったとします。そして、あなたが見つけた宝石の原石が、必ずしもダイヤモンドだと限らないということです。実は、サファイアかもしれませんし、翡翠かもしれませんし、オパールかもしれません。宝石の種類は、めちゃめちゃたくさんあります。つまり、そもそも、ダイヤモンドを探そうとしている時点で、間違っているのです。もちろん、ダイヤモンドに出会うこともあります。ですが、それもダイヤモンドという種類が一緒なだけであって、見本のダイヤモンドと全く一緒することは、絶対に不可能なのです。

どんな宝石も、完全に一緒にすることは不可能です。色、形、大きさ、輝き方など、どこかに違いがあります。

私たち、人も全く同じ人は、いません。当たり前のことですが、この前提をいつの間にか忘れてしまい、同じじゃないといけないと思い込んでしまいます。

◇原石の磨き方を学ぶ

実践するためのコツで、大切なのは、原石の磨き方を学ぶことです。見本の宝石にするのが、目的ではなく、見本の宝石が今の形や輝きにするために、どんな磨き方をしたのかということを、学ぶことが一番大切だと思います。

ここでも、落とし穴があります。見本は、ダイヤモンドとわかっていても、あなたの原石は、まだ何かわからない状態です。なので、ダイヤモンドと同じ磨き方では、上手く磨くことができないかもしれません。

磨き方を単に真似するだけでは、思うように綺麗に磨くことができなかったり、時間がかかるということがあります。これは、あなたの原石にあった磨き方ではない可能性が高いです。

磨き方を学ぶ時には、何を意識しているのか、どういうことを考えながら、そして、何を感じようとしているのか、といったことを学ぶ必要があります。

治療技術を習得するのも、実は、全く同じことが言えます。

ある技術を何とかして習得したいと思った時に、やり方だけを学び、自分なりに実践してもなかなか上手く出来ないので、結局は、その技術は、効果がないと判断してしまうことがあります。

それは、ダイヤモンドの磨き方を知識として学んで、何となく磨けても、結局は、売り物になるような磨き方やカッティングまで出来ないので、諦めてしまうことになります。

売り物のダイヤモンドにするには、ダイヤモンドの特性をより深く理解するのと同時に、道具の細かな使い方や体の使い方、そして、加工している時の感覚(強さ、方向など)は、何を感じているのかなど、実は、方法よりも、何を感じているのかという感覚を学ぶことが、重要ではないかと思っています。

磨き方を学ぶとは、感覚を学ぶということである。

◇実践という実験

技術を学び、そして高めていくためには、技術を磨くと表現されますが、私が大切にしていることは、『感覚を磨く』ことです。技術を高めていける人は、感覚を磨き続けている人だと、私は思っています。

感覚を磨くためには、やはり実践していかなければ磨けません。ただ実践するのではなく、実験して下さい。実験は、何かに対して、何かをすれば、どうなったかという結果が出ます。そして、その結果から何がわかったのか、次は、どうしていくのかという繰り返しになります。
エジソンは、『私は失敗したことがない。1万通りうまくいかない方法を見つけた』といっています。実験という感覚をもちながら、日々の中で実践の経験を積んでいけば、自ずと感覚が磨かれていくと思います。


今回は、アレコレとかなり長く書かせて頂きました。最後まで読んで頂きありがとうございます。皆さんにとって、1つでも、ヒントやキッカケになれば幸いです。


次回は、具体的な方法をお伝え出来たらいいなぁ〜って、思っています。

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