僕の自慢のお宝本

古本屋や古本市に行くのが好きなのですが、やっぱり「お宝本」を見つけるとテンションが上がりますね。古くて貴重な本。今ココで逃すと、二度と手に入れるチャンスがないような本。そんな自慢のお宝本を紹介したいと思います。

アニメージュ特別編集「映画天空の城ラピュタGUIDE BOOK」

「バルス!」でおなじみの「天空の城ラピュタ」。この映画の公開直前、1986年の夏に出版された本です。

とはいえ、僕が手に入れたのは40年前当時のものではなくて、2001年に復刻したもの。でも、内容は86年当時のままです。

86年というと、「カリオストロの城」を経て、宮崎駿が「スタジオジブリ」を立ち上げ、「ナウシカ」を製作し、いよいよ「ラピュタ」が公開される、そんな年。「トトロ」も「もののけ姫」も「千と千尋」も、まだ生まれてません。

だから、この本に出てくる宮崎駿は、白髪に白いひげの「世界の宮崎駿」ではないのです。

「40代の知る人ぞ知る中堅アニメ監督・宮崎駿」なのです。

カリオストロ、ナウシカ、ラピュタをどんな風に作っていったのか、80年代当時の、まさにジブリを立ち上げた当時の話が、宮崎駿自身の言葉でたっぷり詰まっているのです。

絵空事であるアニメの世界を絵空事だと気づかせないために、徹底的に世界観を作りこむ。でも、それ以上にやっぱり話や人の描き方が丁寧なんだな、というのがよくわかる本です。創作をするすべての人が一度は読むべき本です。

僕も、繰り返し繰り返し読んでます。

猪野健二 編「東京闇市興亡史」

1978年に出版された本。戦後についた書かれた本の参考文献によく登場する、そういう本です。戦後について何か書く時に、まずこの本を参考にする、それだけ史料価値の高い本なんです。

図書館でしかお目にかかれない本だと思ってたので、古本屋で見つけた時はびっくりしましたよ。売ってるの? 買っていいの? と。

戦後を経験したライター達が、当時を振り返りながら自分自身の体験として書いているので、かなり史料価値が高いです。

季刊「怪」

水木しげる、荒俣宏、京極夏彦ら、妖怪の大家が結集して作った妖怪専門の季刊誌。現在は「怪と幽」という形で続いています。

僕が手に入れたのは98年に出た、記念すべき第壱号! それも初版本!

歴史ある季刊「怪」の、これが一番最初だと思うじゃない。

実は、その半年前に「第零号」が出てるんですよ。

これも初版本でちゃっかり手に入れてます。

岡本太郎「神秘日本」

そして、今週手に入れたのがこの岡本太郎の「神秘日本」。

岡本太郎は縄文土器の持つ呪術・芸術的価値に見せられ、1960年ごろは日本各地を巡って「呪術文化」に触れる、そんな旅をして、その度を著書にしてきました。「日本再発見」「沖縄文化論」、そしてこの「神秘日本」です。

一番最後に書かれた「神秘日本」が、理屈抜きでもっとも純粋な目で日本文化をとられている、僕はそう思ってます。僕に大きな影響を与えた一冊です。

恐山のイタコ、熊野の火祭り、東北の修験道、日本の呪術文化を太郎の曇りなき眼がとらえていきます。

これまた図書館でしかお目にかかれない本でした。岡本太郎にまつわる美術館や展覧会に行っても、「神秘日本」は絶版なのか手に入らない。

新装版でないかなぁ……。

なんて思ってたら、なんと50年前に出たハードカバー本を発見したのです!

ついに、「神秘日本」が我が家の本棚に! ばんざ~い!


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