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優良学生服リユース店の認定制度が開始

 去年の記事で、優良な学生服リユース事業者の認定制度の創設を提言していましたが、今年の5月に設立された「学生服リユース協会」において、優良学生服リユース店の認定制度が開始されたようですので、紹介したいと思います。

 その前に、なぜ優良な学生服リユース店の認定が必要なのかを改めて説明します。

 学生服のリユースは、中古の学校制服や体操服を扱うという商品の性質上、それらを「趣味」として収集する人たち(本来の使用方法ではない用途で使う人たち)に販売しないということが、売りに来る人が安心して我が子の中古学生服を売るためにどうしても必要になります。

 その担保がないと、より高く売れる「趣味」の市場に流れてしまうリスクがあるからです。本来の用途、つまり通学時や学校内で制度・児童が着用するのではなく、大人が趣味やコスプレで着る用途に使われると知っていたら、我が子の制服や体操服を売りたくないと考える保護者がほとんどでしょう。

 学生服リユース協会にも、以下の声が寄せられているそうです。

「ネット検索したら高値で学生服を買い取ってくれるページが出てくのですが、どこで販売されるのか不安」
「ネット検索して出てきたところに娘の学生服を売ったら、学生服一式がそのまま別のブルセラショップページで販売されていて憤りを感じました」

 以前の記事でも書きましたが、メルカリなどのフリマアプリでは、使用済みの学生服や体操着は出品禁止の扱いになっていて、これに違反した出品は取引キャンセル・商品削除・利用制限などの措置が取られると明記されています。

メルカリでは青少年保護・育成および衛生上の観点から、使用済みのスクール水着、体操着、学生服類などの出品を禁止します。事務局が禁止出品物に該当すると合理的な理由に基づき判断した場合は、取引キャンセル・商品削除・利用制限などの措置を取る場合があります。
どのようなものが違反になりますか?
・使用済のスクール水着
・使用済みの体操着、学用ブルマ
・使用済みの学生服類
・クリーニング済みのスクール水着、体操着、学生服類
・記載内容、金額や着用画像の掲載などによりブルセラと誤認する可能性があると事務局が判断するもの
・その他、上記と同等品と判断されるもの

 フリマアプリで「青少年保護・育成」の観点から個人間の取引ができないようにしているわけですから、通販を含むリユース店でも本来の目的での使用が確認できない販売は避けるべきでしょう。その制約がないと、ブルセラショップで売られる商品の価格帯が高いことから、高額買取を謳う買取店に学生服リユース市場が歪められてしまうおそれも出てしまいます。

 こうしたことから、利用者が安心して利用することができ、倫理上も問題のない学生服リユース店を「見える化」することが、業界の健全な発展と利用者の保護を図るために必要なのです。

 NPO法人学生服リユース協会のホームページを見ると、「保護者の皆さんが、安心して学生服を購入並びに販売していただけるよう…優良学生服リユース店の認定制度をはじめました」と書いてあります。

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 認定基準は認定規程に書かれており、
・店舗等情報(住所、電話番号、営業時間、定休日)に関する情報の提供が行われていること
・利用者からの相談や苦情に対し適切に対応できること
・個人情報保護法の遵守
学生服を本来の用途(生徒や児童が着用すること)に供するために目的に販売し、その旨の情報提供が行われていること
などとされています。
 これにより、ブルセラ目的の販売でないことを確認しているようです。

 学生服リユース協会のホームページには、認定を取得した店舗の情報が掲載されており、
・学生服リユースショップさくらや松原店
・学生服リユースショップさくらや長崎大村店
・学生服リユースショップさくらや高松店
・学生服リユースショップさくらや東京店
が連絡先や認定満了日(認定は1年間有効)とともに載っています。

 学生服リユース協会の馬場加奈子代表理事(学生服リユースショップさくらや代表)は、「さくらやだけでなく、全国のリユース店や自治体が実施しているバザー販売、ボランティア活動の一環で行っている学生服譲渡など、統一して地域の保護者の方々に安心と信用を得られるように取り組んでいきたい」と語っています。

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 この認定制度が普及することで、ブルセラ目的の学生服リユース店との差別化が進み、安心して中古制服を後輩にバトンタッチできる環境が整うとともに、学生服リユース業界のイメージが向上すると良いですね。

https://gakuseifuku-reuse.or.jp/



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