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サービス普及の鍵は「ペインを取り除けているか。」

大阪府さんで戦略的思考に関する研修でした。非常に志高く力もある皆さんが大阪府には集われておられることを目の当たりにし、大阪府の未来がさらに良い方向へと拓かれていくとの確信を持たずにはいられません。

さて、この研修では1日を使って、行政運営に生きる経営戦略の発想法をワークの中から経験的に学んでいただいたのですが、そんな中でも皆さんの心に刺さったのが「バリュー・プロポジション・キャンバス」でした。

ペルソナ分析、共感マップなど、顧客を分析する手法は様々に提案されているのですが、そんな中で後発ながら近年急速に評価を高めつつあるのが、バリュー・プロポジション・キャンバス。細かく顧客の特性や感情を深掘りしていく前2者にくらべると、「顧客の喜び(Gain)」と「顧客の痛み(Pain)」に2分類するだけという、ものすごくシンプルかつ粗っぽい分析なのですが、それが逆に良いのです。

世の中の製品・サービスが失敗する原因はもっぱら、「顧客のPainを取り除けていない」ところにあるからです。

たいていの製品・サービスは、Gainの側はよくデザインされているのです。そうでなければ売れませんし、そこのところの直観は大体当たっている。

しかし、イマイチ売れ行きが伸びないなあ…という場合は、顧客がその製品・サービスを利用するにあたり、ちょっとウンザリしてしまう要素:Painを取り除けていないことが原因であることが多いのです。

テレビという媒体が苦しんでいる原因はまさにここにある。番組はきちんとGainを与えるものになっているけれども、テレビという媒体の視聴環境が、スマホを手にしてしまった消費者のライフスタイルに合わない。Painとなってしまっている。

繁盛しないレストランの原因もたいていここですね。おいしいのだけど、何となく居心地が悪いとか、接客が悪いとか、薄汚いとか、入りにくい雰囲気があるとか。Painのほうを軽視してしまっている。

そして、行政の皆さんにこれが刺さった理由は…、もう皆さんお分かりですね。行政サービスは、近年Gainのデザインは非常によくなったけれども、まだPainを取り除くところまではサービスが十分に進化していないという問題意識があったからのようです。

そうか、府民に行政サービスを積極活用して頂くには、Painをもっと分析する必要があるのか、と。

そんなわけで、あえてシンプルに、顧客のGainとPainという2軸で見ることが今日の企業や行政の課題に有効となっている。「バリュー・プロポジション・キャンバス」、ぜひご活用ください!


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