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地球はファインチューニングされているのか?その1

前回の続きです。

今までは、ミクロ・マクロという2軸で触れてきました。今回は解像度を上げた「地球」という視点でのファインチューニングの話です。

要は、地球がなぜ生命が誕生する舞台になりえたのか?ということです。

ただ、複合的な要因があると思うので、その中でも主要な原因であろう、
・水の存在
・適切な温度管理
がなぜ実現できたのか?に絞ってみたいと思います。(その2つだけで生命が誕生した、とはさすがに言い切りません)

水が生命にとってなぜ都合がいいのかは、過去にもふれたので割愛します。

そもそもこのシリーズのきっかけとなったのも一杯の水からでした。

前回も触れましたが、4つの力関係がくずれると、水分子を構成する水素も酸素も存在することが難しかったわけです。

以降の話は下記のサイトを主に参考にしています。

宇宙初期からの絶妙な元素配分で、酸素だけでなく炭素や金属なども誕生します。その大きな元素を含んだものが塵・氷・岩石・小惑星となっていくわけです。

次に、太陽系最大の質量をもつ木星の誕生で重力分布が大きく変わり、それが引き金になって、遠い地球に上述で触れた生命の種が届いた、というのが従来の説です。

最近新説が出てますが、今回は枝葉なので、興味を持った方は過去記事をご覧ください。

いずれにせよ、原始地球に金属・炭素・氷が届けられるわけです。

その時に届けられた水(氷)の量は、シミュレーションによると現在の30-70倍にも及んだそうです。

一体その時の水はどこに消えたのか?

1つの説は、月誕生のきっかけとなった「ジャイアントインパクト」説、つまり、火星規模の惑星が衝突して蒸発してしまったというものです。

そして地球にとどまった水も、大半は内部のマグマ・金属核(コア)に溶け込んでいき、あとはわずかに大気中に水蒸気として残ります。

これは結構意外かつ重要なプロセスです。

というのも、そこで水が内部の金属と化学反応を起こして、水素と酸素に分解されていくわけです。ついに酸素の登場ですね☺

その後徐々に地球が冷えていくと、わずかに地表上に残った水蒸気が冷やされて雨となり海が形成されていくわけです。

このように、地球全体でのダイナミックなプロセスですが、ここでのファインチューニングは「水の量」です。

地球は「水の惑星」で、実際地表の7割は海洋です。もし原子地球で惑星の衝突で水が地表から逃げてしまうと、生命は誕生しなかったわけです。

ただ、地表面でなく量で見ると見方が変わってきます。
地球の半径は約6千kmですが、海の平均の深さはWikiによるとわずか3.7kmです。地球全体質量比では0.023%にすぎません。

そして、海の量が2倍になっただけで、陸地は水没してしまいます。生物の歴史上、生物は海中から陸上に上がってきたわけで、水没していたら人間含めて今のような多様な生態系は存在しなかったでしょう。
つまり、過去の大気外への蒸発や地球内部に溶け込んだ水の量がまさに絶妙な配分だったわけです。

次回は、温度について触れてみたいと思います。

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