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障害児を受け入れるとは、事実を受け入れること

先日、子供の障害を受け入れられないお母さんAさんに会いました。

Aさんのお子さんは、5才になるのですが、5才になる今もおしゃべりをすることがなくて。自分の意見は、指差しや、泣き喚くことで親に訴えるそうなんですね。

5才というと幼稚園や保育園の年中さんの年齢で、私は小児発達の専門家ではなんでもないのですが。
年中さんの年齢で、おしゃべりをしないで、指差しですべてを伝えようとするのは、発達がゆっくりな子供ですよね。

実際、Aさんのお子さんが入園した幼稚園でも、幼稚園の先生が5歳になってもおしゃべりができないことを気にかけていて。発達相談のために病院へ行ってくださいとAさんに何度も勧めたようです。

でも、Aさんはお子さんの発達がゆっくりだとは思っていないので、発達相談には行かず、逆に幼稚園に「子供が障害児扱いされた」とクレームを言ってしまい。

結局は、Aさんは幼稚園側と対立して、最後には、通っていた幼稚園を退園してしまったようなんですね。

そんな騒動があったのですが、Aさんは、今も、自分の子供の発達がゆっくりだとは思っていなくて。

または、もしかすると、自分の子供の発達がゆっくりであることを認めたくないのかもしれませんが。病院を避けており、Aさんのお子さんはおしゃべりをしないままです。

で、我が家には、脊髄髄膜瘤で生まれた息子がいて。
息子は10歳になる今も立てず、歩けないので、いわゆる車椅子に乗った重度の身体障害児なのですが。

私も、息子が生まれた10年前に、自分の子供に障害があると告げられた障害児の親なのですが。

障害児の親からすると、障害を受け入れるとは、事実を受け入れるということなんですよね。
事実とは、理想や夢ではなく、私の息子でいえば歩けないことや、MRI画像を見ると脊髄に傷がついていることですね。

私だって、妊娠していた頃には、お腹の子供は顔が良くて、スポーツもできて、勉強もできる自分の子供とは思えないようなすごい子供のはず、と理想や夢くらいは見ていたんですが。

実際に生まれてきた息子は、スポーツができるどころか、歩くことすらままならない子供でしたので。勝手に子供に夢を見ていた分、夢が打ち砕かれて、ショックも大きかったのですが。

でも、たとえ、息子に障害がなくても。

私自身が顔も運動も勉強も、中くらいで。会社は大手と言われる一部上場企業に滑り込めたものの、入れたところでしょせん中くらいの人なので出世もしていないのだから。

たとえ障害がない息子でも、私と同じように顔も運動も勉強も中くらいの子供のはずで。妊娠中に、もしかしてお腹の子供は上の上の子供かもしれないと、勝手に思い浮かべていた理想や夢を打ち砕かれたはずです。

というわけで、障害を受け入れるとは、事実を受け入れることなんですよね。
よく、「夢だったらいいのに」と言われますが。
寝ても覚めても、事実として息子は車椅子だし、私自身の顔も運動も勉強も中の中です。


ということで、先日、子供の障害が受け入れられないというお母さんAさんに会いました。

Aさんのお子さんは5歳になっても、おしゃべりができず、指差しで意思表示をするため、発達がゆっくりなのかなと思われますが。
Aさん自身は、自分の子供がしゃべらないことを認めたくなくて、発達相談を勧めた幼稚園の先生のことをボロクソに言っていました。

Aさんに直接アドバイスをすると逆上しそうなので、何も言えなかったのですが。

Aさんにアドバイスをするなら、自分の子供に夢や理想を思い描いていて、それが打ち砕かれそうな現実が辛いと思うのですが。

お子さんのためにもゆっくりでいいので、まずは事実を受け入れてほしいです。

(追伸)
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