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光だけの心が欲しい。
「光だけが欲しい」
加奈子は、はっきりとそう言った。
もうそれをお願いするんだと、ずっと前に決めていたのだとわかる、ごくわずかな揺らぎもない声だった。
「一度きりの願いです。それでいいですね?」
女神様は、相変わらず喜怒哀楽のどれでもないトーンで加奈子に確認した。
加奈子はやっぱりなんの迷いもなく、すぐに浅くうなずいた。
うっかり眠ってしまっていた私は、慌てて起き上がり、加奈子の左腕を
世界の崩壊 「才能を発揮してはならない」 1
「できすぎてはいけないと、そう思ってしまうのです」
美奈子はためらいながらも、今まで誰にも言わなかった想いを、ようやく言葉にした。
こんなことを言って「大してできもしないくせに」と相手に思われたらどうしよう・・・。
そんな恥ずかしさと心配が、腰から肩のあたりまで一気にざーっと湧き上がってくる。
ああ、どうしよう。
やっぱり、言うんじゃなかったかも。
こんなおごった発言、口に出してはいけなかっ