見出し画像

春です、旅立ちの季節です。

年度末。
世の中は進学・就職・転勤の、
民族大移動の季節。


引っ越しの思い出、二つ

①新婚早々、、、!

うちのオットは、県内転勤のある仕事だった。
3月半ばに転勤辞令が交付され、約二週間で次の職場に移動する。
ほぼ3年おきに転勤し、行き先によっては引越しか?、単身赴任か? 
我が家にとって年度末は、花見なんかする余裕もない、落ち着かない季節だった。

一番面食らったのは結婚してすぐのこと。
結婚したのが3月中旬で、10日ほどで転勤になった(笑)
社宅を申し込むにあたって、入居早々の転勤は避けたかったオット。
課長をはじめ、たくさんの上司に「転勤ないですよね?」「入居すぐに引越しなんてやめてくださいよ」と根回ししたようだった。
しかし、アピールも空しく、引越しを伴う転勤辞令、、、。
段ボールから出した荷物を、また段ボールへ。
オットは上司に嫌われているのか? 
あの時は本気で心配したものだ(笑)


②長女の就職と次女の一人暮らし

我が家は娘二人とも地元の大学に通った。
ママ友たちの子どもは進学で都会に行ってしまった。
夫婦二人の状況を憂いている友人、ラクになったと喜ぶ友人。
私は娘がいてくれて嬉しいのだけれど、
「まだまだお弁当作らんといけんのよ、あと何年作ればいいんかねぇ!」
彼女達には、やれやれ、みたいな顔をしてみせていた。

次女は理系だったので、ゆくゆくは実験で夜遅くなることは想定していて、3年生くらいからは大学近くに下宿するのだろうと覚悟はしていた。
でも、まあ、車で1時間。美味しいものを作ったら、食いしん坊の次女はすぐに帰ってくるだろう!
うちはこのまま家族4人でにぎやかに暮らすのだ!

だけどちょっぴり、このままでいいの?、、、思わないでもなかった。

長女の就職が決まった。
複数の内定をいただいて、最終的に、中国地方で転勤のある会社と地元の市役所で悩むことになった。
私は絶対、地元の市役所推し。
女性が家庭と仕事を両立するなら、親の手を借りられる地元が良いに決まっている。
ああ、これで長女の未来、いや、私の将来は寂しくない!

しかし、長女が決めたのは中国5県を転勤する会社だった。
本社は広島だから、いずれ帰ってくるから、という長女。
長女は、一度は親元を離れないと自分は成長しない、とでも考えたのだろう。
ストイックな長女らしい、選択だった。
最初の勤務地は希望通り岡山になった。

同時に、次女も大学近くのアパートに住むことになった。

年が明けると、私はせっせと荷物を作り始めた。
こんなにあなたのことを心配しているのよ、大切に想っているのよ。
旅立つ日を考えると涙が出るので、出来るだけ忙しくして。
電化製品、お布団、台所用品、物干し竿、洗剤、掃除道具。
調味料、味噌、米、レトルト食品、、、
毎日毎日、荷物を作って過ごした。
まるで、二人をお嫁に出すみたいに。

7年前の3月30日。
長女の旅立ちを応援する壮行会。

長女の好きなケーキ屋さんの特大ケーキ

長女は入社式からそのまま研修に旅立ち、一週間後にいよいよ岡山へ。
古い独身社宅に一人長女を置いて帰る時、私は22年間の子育てを思っていた。
親としてやり残したこと、教えきれなかったこと、まだまだたくさんあるのに。
この子達と暮らすことはもう無いのか、、、
振り返らず、なるべく明るく「じゃあねぇ~!」と手を振った。
もちろん、車の中で号泣、、、。

(次女はやはり美味しいものに釣られて、ちょいちょい帰ってきました~!)

今の時代はスマホがあるから

娘たちが出て行ったあと。
私は寂しかったかと言うと、思ったよりそうでもなく!笑

長女はお昼休みになると、たびたびLINEをくれた。
「夜ごはん、お母さんの〇〇を作るけん、レシピLINEしといて」と。
私はいそいそと分かりやすくレシピを書いて送った。

月曜の朝は「さあ、今週も頑張っていきましょう~!」と家族LINE。
金曜の朝は「明日はお休みだよ。あと一日だよ~!」とLINEする。

次女には、片道1時間のドライブで、おじいちゃんのお野菜をお届け。
ドアノブに荷物を引っかけて帰る。
一人でドライブするのも楽しいと思うように。

「今週帰るよ」とLINEが入れば、次女の下宿までお迎え。
その車中のおしゃべりも今は良い思い出だ。

そして二年後。
二人揃って、我が家に帰って来た!笑
(アレ?、嫁に出すような覚悟はどこへいった?)
二年間で大人になった。

Nちゃん

この春、私のもう一人の娘が旅立つ。
次女の幼なじみのNちゃん。
転勤で一人暮らしを始めるのだ。

Nちゃんのお母さんは私の一番のママ友。
ワンオペ育児のうえに介護もしてきた、ちょっとお人よしの苦労人。
そんなお母さんの支えであり、愛情のすべてをまっすぐ受け止めて、目標にぶれることなく頑張ってきたNちゃん。

Nちゃんの高校受験の合格発表の時、ぎっくり腰で歩けないNママを私の車にのせて合格の掲示板を見に行った。
Nちゃんと次女は学部は別だけど同じ大学に合格した。
4人で遠足みたいな気分で入学式に行った。
大学の卒業式は、Nママは行けなくて、私とNちゃんと次女で写真を撮った。

”第二の母”は、あなたの旅立ちに胸がいっぱいです。

Nちゃん(及び、新生活を始めるみなさん)へ。

あなたのお仕事は今の社会には欠かせない大事なお仕事です。
大変なお仕事だけど、あなた自身が折れてしまわないかと、親はいつもいつも心配してしまいます。

親に心配かけまいとするでしょう。
弱音を吐かないなんて、アホな我慢強さはいりません。
弱音を吐ける人が一番強い人です。
弱音を吐いてくれるあなたに、親は安心するでしょう。

離れていても、心はいつも隣です。
あなたの声色で、LINEの行間で、あなたのピンチが分かります。
だから、がんばり過ぎる前に一息つきに帰ってきてください。

でも、あなたの芯の強さや逞しさに、すこし期待もしちゃいます。
これまでとはちがうベクトルの成長に、楽しみもあります。

一人暮らし。真面目過ぎる性格をすこし開放して、一人を味わって新しい自分を発見してみましょう。
次に会うのを楽しみにしています。


Nちゃんと、日本中の旅立つきみへ。

春ですね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?