見出し画像

【ライターの裏側】 ライター講座を開くときは、レジュメは用意しない。

レジュメ、で合ってますでしょうか? 横文字に疎いので間違ってたらすみません。
ときどき企業の社員さん向けに文章講座を開催するのですが、私の講座ではプレゼン資料を印刷したもは一切お渡しないと決めています。

毎回勉強会の冒頭に
「私の講座で資料をお渡ししていません」
とお伝えします。
何人かは「え、そうなんだ」って顔をされます。始まる前に「今日って資料とかないの?」と担当者に確認している方もいらっしゃいます。
講師を招いたセミナーや勉強会って、必ずスライドを丸々コピーしたような資料が手渡されるじゃないですか。
私、あれ好きじゃないんですよね。

その理由の一つは、資料が手元にあると、先に読み進めてしまって満足してしまったり飽きてしまったり、ある程度自分の中で完結してしまう人がいるからです。
私がそのタイプなんですが、セミナーとか勉強会とかプレゼントかで興味のない話が出てきたらすぐ資料をパラパラめくっちゃうんですよね。資料って講師の説明あっての充実した内容になると思うので、資料だけ見るとつまらない、わかりにくい内容だったりする。始まる前や、まだ進んでいないところを先に見て興味を無くされるとかすごく勿体無いと思うんですよ。
あと、資料をめっくているときは講師の話を聞いていないことになりますので、大事な話や注目してほしい話を聞き逃してほしくないから邪魔なものは手元に置いてほしくないのです。「気が散って資料に目がいってしまうような講座をひらく方が悪い」と言われればそれまでなんですが、林先生のように講師業で一攫千金できるひとは一握りですしね。一般の私たちは、話術やパフォーマンス以外のものでも気が散らないような対策をしないといけないなと思うんです。


もう一つの理由は、勉強会や講座の内容を聞いて、必要だと思った部分を自分でメモしてほしいからです。
これはロザンの宇治原さんがテレビでおっしゃってたことなのですが、黒板を丸写ししたり先生の言ったことを一字一句間違えずに書いていると、書くことに集中して覚えることが後回しになってしまうそう。先生の話を聞きながら必要だと思ったことだけをメモすることで、重要な部分をしっかり覚えられるそうなんです。
学校の勉強なら、新しいことを習うときには何も知らないところからみんな一斉に習うわけです。しかし、社会人が勉強会で何かを学ぶときは、人によっては既にもう知ってることや身につけていらっしゃる内容もある。なので、全ての情報を頭に入れていただく必要はなく、必要だなと思ったことを選んで、必要だなと思った部分を自分の言葉で書き留めてほしいのです。“重要だ”と認識して”書き留める”までいけば、勉強会で見聞きしただけでなく、より具体的な“体験”としても残ると思うので、私は勉強会では参加者の方々には自分でメモってくれとお願いしています。


また、セミナー講師側も、資料を作って渡して満足している人がいますよね。文字ばっかの、プロジェクターに表示された内容と全く同じ内容の資料を渡して、資料を読めば勉強会の内容が全部わかるようになっている、非常に親切な資料。でも、それならわざわざ時間を割いて先生の話を聞かなくてもいいと思うんですよね。資料DLとかでいいじゃない。
勉強会や講座って、先生がいることや先生から教わることの意味、ライブ感などが大切だと思っているので、そういった意味でも私は資料は渡しません。

最低限覚えてほしい大事なことだけお渡ししたり、

括弧の用途一覧(コマツオリジナル)

このような、書き留めるのが難しいけれど覚えていてほしいもの、あとで見返したいと思うものだけをピックアップして印刷してお渡ししてます。
紙も削減できるしね。


この方法で勉強会を開催すると、こんなお声をいただくようになりました。
「ひさびさに、ちゃんと勉強をしたって感じがしました!」
「学生時代以来です、こんなにしっかり話を聞こうと思ったのは」

内容がわかりやすい・難しいなどの感想とはまた別のものですが、社会人が仕事の中で勉強会に参加し、「勉強した」という感想がでるということは、とても満足度が高いと考えてもいいのではないでしょうか。勉強会で「あ〜勉強した〜!」っておっしゃってるんだから、成功ですよね。

じゃないと、文章講座なんてただでさえみなさんが苦手意識の高い「文章」で、文字ばっかで、嫌になるじゃないですか。
そのためにも、資料は渡さず自分で選んで情報を得てもらうことを重視しています。

ほかにも、私のプレゼン資料は絵が多いとか、途中いろんな人にめっちゃ話しかけたり、挙手してもらって答えてもらったりと参加型の内容になっているとか、いろいろ工夫しています。「文章は嫌い」という概念をまずなくしてもらえたらいいなと思って。
そのあとに、
「あの先生面白いからまた呼ぼう」
「あの人わかりやすかったから人にも教えてあげよう」

ってなってくれると、とっても嬉しいなと思います。

この記事が参加している募集

ライターの仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?