お米日和

奈良県の自然栽培のお米農家です。 農薬、化学肥料、有機肥料、何も使わずにお米を栽培して…

お米日和

奈良県の自然栽培のお米農家です。 農薬、化学肥料、有機肥料、何も使わずにお米を栽培しています。 安心安全を追い求めたわけではなく、美味しいお米を追い求めると、そうなります。

最近の記事

震災から12年

干支が一回り。当時自分は23歳。 地震発生時もいつもと変わらず田んぼで作業してて、勿論関西在住なので何の被害も受けていません。 スマホの通知で知ってから、しばらくの間はスマホを眺めっぱなしでした。 自分の置かれた環境は何も変わらない日常なのに、スマホの画面内はあまりにも現実離れしていて。どれだけ見ても、津波の光景が現実のものとして受け入れられなかった。 今が100年続くとは思ってなかったけど、そういう感覚が大きく壊された人も多かったんじゃないかと思います。 生きるとは? 死ぬ

    • 栽培スケジュール④田植え

      田植えは手植えが1割、残り9割は機械で植えてます。 機械での田植えは、箱に土と種を入れて育てたマット苗というのを使います。 種まき後30日~40日までの苗を使います。 植え付けの間隔は、横幅は30センチ、縦は28センチ。慣行農法では18センチぐらいが通常ですが、あまり狭すぎると窮屈になるので、うちは広めにしています。 苗はもちろん大きければ大きいほどその後の成長を考えると有利だと思いますが、一定の大きさを超えると箱の中で成長が止まってしまうので、ベストな日数を優先して植えて

      • 「分からない」、は「存在しない」ではない

        植物は土の中に根を伸ばして、栄養や水分を吸収して成長していることは皆さんご存知かと思います。 自然栽培の場合はどうやって栄養を吸収しているのか。微生物が大きく作用していることは解っているそうです。 ここからが問題。 では土の中の微生物について、現状何%の働きが解明されているのか知っていますか? 2017年現在の答えは以下の通りです。 2017年から5年経っていますが、大きく進歩したという話は全く聞きません。 要はほとんどの微生物がどういう働きをしてるのか謎ということです

        • 物の価値

          付加価値をつけて売る、とかよく言われますが、そんなこと必要ない気がする。 価値のあるものを作って、正しく評価されるように努める。 人や数値のような他者ではなく、ちゃんと自分が主観で評価する。 美味しいって言われた時に「ありがとうございます」って答えるんじゃなくて、「そうでしょ?」って思わず口走ってしまうような、それぐらいの自信は持ってないと一般の倍以上するお米なんて人様に売れない。もし実価以上で売ってるなら、きっと詐欺師と変わらない。 それぐらい稲と向き合ってないと、出来た

        震災から12年

          栽培スケジュール③代かき

          代かきとは、今まで乾かしていた田んぼに水を入れて、水が溜まった状態で耕すことを言います。要は土をかき混ぜる作業です。 目的としては ・土をトロトロにして田植えしやすくする。 ・泥の層ができることで水が下に抜けにくい田んぼにする。 主にそんなところです。 それと代かきの際にもうひとつ大事なことがあります。 田んぼの高低差を無くすことです。 水を張ると、水は横に流れるので田んぼの中でどこが高くてどこが低いか、というのがはっきり見えます。 10メートル以内程度の土の移動で済むなら

          栽培スケジュール③代かき

          心の棒

          何かに打ち込む中で、きっと誰でも見えない心の棒ができています。 この棒は案外曲者で、特に新しい情報を自分に取り入れようとする時に色んな形で邪魔をしてきます。 これはどれだけ意識しても勝手に作られるもので、存在しないようにするのは不可能だと思います。 じゃあどうするべきか。ある人の話で、「普段交わることのない職種や境遇の人と意識的に話す、交流することによって、心の棒を定期的に折ることを意識している」という話を聞いてなるほどと思いました。 それ以降できるだけ意識して自分も実践して

          栽培スケジュール②耕運

          種まきとほぼ同時期に行う作業が耕運です。 トラクターに乗って、5月10日頃~月末までに1回耕します。深さは5センチ前後の浅め。一面に覆われた草の根が土を耕してくれるので、深く耕さなくてもフカフカになります。草の背丈が30センチあれば、土の中で根も深さ30センチまで伸びるそうです。 一般的には稲刈り後の秋に1回、春先に1回、代かきまでにもう1回、少なくとも計3回は耕してる人がほとんどです。その理由は、稲ワラを分解するためが多いと思います。 うちも以前は冬に1回耕してましたが、

          栽培スケジュール②耕運

          基本的な栽培スケジュール①種まき

          大雑把にスポットごとに書いてみます。 5月10日~20日頃 種まき(種もみは脱ぼう機のみかけて、塩水選、浸種や芽出し等行わず乾もみを使用してます) だいたい種まきから30日頃で田植え可能な大きさに育ちます。種まき後30日~40日で植えるのがベストです。 そのタイミングで植えられるように、田んぼの準備を進めていきます。

          基本的な栽培スケジュール①種まき

          自己紹介

          私は奈良県で自然栽培をしているお米農家です。 化学肥料、農薬は勿論使いませんが、有機肥料(動物性植物性堆肥、米ぬか等)も何も使いません。なんなら稲からお米を取り除いたワラさえも取り出しています。 一般的には植物は土から栄養を吸収して成長するので、減ったぶんは何かを投入して補ってあげないと満足に育たない、というのが常識としてあります。が、親の代から約25年栽培している田んぼでも、変わらず立派に成長してくれています。 理屈がどうであれ、実際に結果として実現できているのでそれが

          自己紹介

          成田悠輔さんについて

          色んな場で話されてる動画をずっと拝見して思うこと。 人の能力は千差万別。 どの物差しで測るのかによって優劣がつくだけであって、きっと人は人でしかない。 どんな話をする時もその事が根本にあるから、見下したり、諦めたりしないのかなと感じます。 能力差はあくまで「違い」でしかない。 それが世界中に浸透しきった世界がどんな景色なのか、そこに至るまでのプロセスがどんなものなのか、興味があるのかなーと推察しました。確実にその理想の世界には100年前よりも近づいてる、またこれからその速度は

          成田悠輔さんについて

          生きるために生活しているのか、生活するために生きてるのか。 色んな人を観察してると、盲目的になってる人があまりに多すぎる気がする。 物理的には大きく発達した現代で、人が生きることの本質を見つめ直すことが何より大切な気がします。

          生きるために生活しているのか、生活するために生きてるのか。 色んな人を観察してると、盲目的になってる人があまりに多すぎる気がする。 物理的には大きく発達した現代で、人が生きることの本質を見つめ直すことが何より大切な気がします。