韓国ドラマ「MINE」 感想文

財閥ヒョウォンの会長には二人の息子と一人の娘がいる。長男はバツイチ。海外留学から戻ってきたばかりの息子がいる。次男には離婚歴はないものの、独身時代に産まれたまだ幼い息子がいた。長女が既婚だが、子供はいない。彼女の性格に悩む夫が一人いる。

現在、息子二人には聡明な妻がそれぞれにいる。長男の妻は同様に財閥出身。次男の妻は元女優。

二人の妻の関係は良好であり、長男の妻であるソヒョンが家を仕切り、義妹のヒスはそれに程よく従う関係。

次男が妾腹であることから、会長と妻の関係は悪い。妻の情緒不安定が長女に影響し、二人は時にヒステリックに振る舞い、周りを困惑させるが、ソヒョンの采配により、家庭内及び財閥はうまく回っていた。

ある日、次男の息子ハジュンを世話する家庭教師としてジャギョンという女性が現れる。ジャギョンはハジュンの世話に励むが、その溺愛ぶりの過剰さにヒスはある想像を巡らせる…。

韓国ドラマの財閥ものって正直食傷気味もいいところなのだが、日本のドラマではもう観なくなった超ゴージャスなセットや衣装が眩しくてウキウキしながら観続けてしまった。

日本のドラマで豪華なものを見られるのって、年に1、2回あるかないかの山崎豊子原作ドラマくらいだし。それも、今のハイファッションとは限らない。舞台が昭和だから当たり前だけど。

長男嫁役のキム・ソヒョンさんと次男嫁役のイ・ボヨンさんは、ヒロインとしてはいささか地味だが、ゴージャスな雰囲気が二人を高揚させて魅せ画面を華やかにしていた。

韓国ドラマにハマる時の、続けて何話も見てしまうような激しい吸引力はこのドラマにはなかったが、社会的なメッセージを時間をかけて丁寧に届けようとする制作側の意欲は、視聴者であるこちらにもじっくり伝わってきた。

以前観たドラマ「スカイキャッスル」での怪演も目覚ましいキム・ソヒョンさんは、このドラマで気品ある存在感を発揮。

秋野暢子さんと生田智子さんとギャランティーク和恵さんを足したような迫力美人。一条ゆかり先生の漫画に出てくるような洗練された大人の女性。これからも出演作品を追いたい女優さん。

「今」をテーマにしつつ、さらにその進化系を行く韓国ドラマ。エンターテイメントとは、奥行きの差で魅力が変わるのだなと再認識させられるドラマだった。



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