見出し画像

1ヶ月間、noteに書くことを本気でやったら、「書く」が「つくる」になって、サマーウォーズの見方が変わった。




休職をしている。


今年の3月までは、ついつい忙しくしてしまう方だったと思う。
転職先と元の職場の仕事を掛け持ちしながら、資格試験の勉強をしていた。ボランティア団体にも所属していた。


いつのまにか、情報量に頭がついていかなくなって、いくつもあるビジネスチャットを見るのが怖くなってしまっていた。それからしばらくして、うつになって休職をした。


休職してからはひたすら休んで、好きなことをして、おもしろい人たちと会って話して、遠出して、寝て、好きなもの食べて、ウクレレを弾いていたら、いつの間にか回復していた。まだ波はあると思うけど、それなりに乗りこなせるようになったと思っている。


そしたら、仕事をしていない、時間があるうちにやりたいことが見つかった。



休職中、いろんな人の言葉に助けられてきた。直接会った人の言葉や、メールや電話でのやりとりもそうだし、うつ病経験のある人の体験談を綴った本だったり、闘病や休職経験のある人のpodcastだったりもした。


自分がこれまで友人たちとやってきたstand.fmの番組も、聞き返して救われていた。

他の人が言ってくれた、「聞いて楽になりました」のひとことに、僕自身が救われた。ああ、こんな自分でも人の役に立つことをしていたのかもしれないと思った。


言葉は薬になるんだってことを、身をもって経験した。


はじまりはちょっとした躁状態だったのかもしれない。自分たちがやってきたstand.fmは、何度も聞き返す価値があるんじゃないかと思った。更新されるたびに過去の配信が古いものになってしまうのが、もったいない気がした。音声コンテンツに普段接しない人にも、この対話のことを知ってほしいと思った。


音声を、テキスト化することに取り組んでみよう。これまでやってきたnoteで、別のアカウントを作って、一話一話の配信を、読み物として楽しんでもらえるように文章にしよう。そう思って、いくつかの本を参考にしながらどんな記事にするか考えた。景観の良い、池のほとりにあるスターバックスに通い、本を読んではノートにメモをとり、生かせそうなアイデアを集め、方向性を考えた。

考えるとしんどくなることもあるテーマだったから、気分を上げるために、スタバ代はケチらなかった。といっても、ショートサイズのコールドブリュー。なるべく安いやつ。休職中だからできるだけ節約。参考にした本は図書館で借りたものと、以前買っていて元から家にあったやつ。




なるべく丁寧にじっくり取り組むこと


最初に読んだのは、西村佳哲さんの、「自分の仕事をつくる」(筑摩書房)という本。

西村さんが、働き方にこだわり、一般的なものから少し離れた、ユニークな働き方をしている人たちにインタビューした内容をまとめた本なのだけど、インタビューの内容に入る前の、西村さん自身の語りが印象的だった。

人間は「あなたは大切な存在で、生きている価値がある」というメッセージを探し求めている生き物だと思う。そしてそれが足りなくなると、どんどん元気がなくなり、時には精神のバランスを崩してしまう。

「自分の仕事をつくる」(筑摩書房)p6 
(本、図書館に返却済みで、ノートにとったメモを写したので不正確かもしれません。)


大切に作られたものに囲まれていると、大事にされている気分になる。という話が続いていた。


しかし、時間をかけることによってのみ、達成される仕事がたしかにある。

同、p48
(本、図書館に返却済みで・・・、以下略)



今回のnoteは、大事に作ろうと思った。時間はあることだし。

音声収録を文字起こししたのをじっくり読んで、実際の音声を聞き返して、どこを載せるか、どんな表現にするか何度も読み返して考えた。番組に出てくれたゲストの方が個人でやっているpodcastも聞いた。

センシティブな内容もあるから、話者の人とちゃんとコミュニケーションをとりながら進めようと思った。




「書く」から「つくる」へ


並行して読んでいたのが、古賀史健さんの「取材・執筆・推敲ー書く人の教科書」(ダイヤモンド社)という本。2年ほど前、ライターになりたいと思っていたときに買ったものの、最初から順に読んでいたら挫折してしまった。だって、476ページもあるうえに、各章がめちゃくちゃ濃い。

本棚から引っ張り出して読み返した。前から読んで挫折するなら、目次を開いて気になる箇所から読んでみよう。読み終わった章は目次にチェックをつけて、その次は、まだ読んでないうち、一番気になるところを読む。

情報量多くて忘れちゃうから、簡単に復習できるように、目次にメモを書き込みながら少しずつ読んだ。



高校の頃、授業中ノートを使わずに教科書にメモしてる人いたな。


前から読むのをやめたら挫折はしなくて済んだ。
まだ50%くらいしか読めてないけど。


第七章 「原稿をつくる」にこんなことが書かれていた。

結末(原稿のゴール地点)がすでに決まっているとしたとき、多くの書き手は「ゴールに至る、いちばんおもしろいルート」を考える。どの道を通っていけば、より魅力的な旅になるかを考える。
(中略)
このルートがおもしろくて、こちらのルートがつまらないなんて、客観的な優劣などつけられない。唯一、次善の策として指針にできるのが「距離」だ。「これだけ遠く離れていたら、きっとおもしろい旅になるだろう」という、ある種あてずっぽうな指針だ。移動距離が長ければ、目に映る景色の量も増えるし、エピソードも増える。止まらない論の展開が、猛スピードでの失踪が、きっと読者の旅をたのしいものにしてくれる

「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」(ダイヤモンド社)p376‐377


伝えたいことの、ど真ん中の内容だけだと、つまらない人にはつまらないかもしれない。しんどいかもしれない。だったら少し遠いところからスタートしてみよう。

安直すぎるかもしれないけど、音声配信の内容とは全然関係のない、果物の話からはじめてみようと思った。


古賀史健さんは、ライターは、書くのではなく、コンテンツをつくる人だと言っていた。本を書くセンスを磨くために、映画も参考にしているらしい。自分はそれまで、おもしろい文章を書く人の書き方を参考にすることはあっても、映画を参考にしたことはなかったから、驚きだった。

この本を読んで、noteに文章を書くのではなくて、noteを使ってテキストコンテンツを作るという意識に変わった。

イラストも入れたいから、素敵な絵を描く人にお願いして描いてもらおう。

話者のプロフィール欄もせっかくならちゃんと整えたい。
好きなウェブマガジンを参考にしてCanvaで作ってみた。

PCで読んでもスマホで読んでも違和感のないサイズの画像にするのにちょっと苦労した。





サマーウォーズの見方がかわった

そんな作業を進めていたある日、友人が家に泊まりに来た。

夜、ジブリ映画を見たいと言った友人は自転車で近くのGEOに借りに行ったけど、お目当ての作品がなかったらしい。代わりにドラえもんの映画を借りてきた。

その前日に、サバンナ高橋考案の「ドラえもん秘密道具将棋」をしていた影響に違いない。「ドラえもん秘密道具将棋」はめちゃくちゃおもしろくて、こないだ一度対戦した別の友人は即購入して、職場に「ドラえもん秘密道具将棋」部を作ると豪語している。


ドラえもんの映画を借りてきた友人は、疲れたのか映画の途中で先に寝ていた。おもしろかったから僕は最後まで見たんだけど、ジブリを見るはずが見れなかったから欲求不満になった。

映画が見れないなら本でも読もう。ジブリのその映画に関する本が図書館に1冊くらいあるだろう。友人が帰ったあとで図書館でアニメ映画のコーナーに行ったら、ジブリよりも細田守作品の解説本が目についた。そういえば、細田守作品って好きだったな。しばらく見てなかったけど。

借りて読んだら、めちゃくちゃおもしろかった。


氷川竜介さん著「細田守の世界ー希望と奇跡を生むアニメーション」(祥伝社)


おおかみこども、竜とそばかすの姫、時をかける少女、サマーウォーズ、DVDを借りて見返した。

氷川竜介さんのその解説本を読んで、細田監督の狙いをある程度知ってから映画を見ると、「冒頭10分でもうアニメの世界の設定の紹介が終わって、メインの舞台に主人公たちが移動している」、「この短いシーンでこれだけのことを説明してるのか」と、作る人の視点で見るようになった。

視点が加わると飽きることなく没入できて、余計に感動した。サマーウォーズの疾走感と詰められた情報量の多さは本当にすごい。しかも、公開から14年がたってもまだまだ色あせてない。むしろ、IoT(Internet of Things)化が進むことで、インターネットがインフラであることによる社会的なリスクは当時より高まっているかもしれない。



やろうと思えば、人はこれだけの密度の素晴らしい作品を作れるんだ。もちろん、密度が高い方が良いとは限らない。テーマやジャンルによっては、シンプルなメッセージや情報を、じっくり味わう方がいいことだってある。


文章はどうだろう。読む人はどれくらいのスピードで、何分かけて僕の文章を読んでるんだろう。長すぎると疲れてしまう。もう3582字。写真もあまり入れていない。


ああ、すみません。

そろそろ疲れましたよね。

この辺で終わりにしますね、、、。






違う!!



違うんだ。


7月に作っていたものを紹介したくて書いてたんだった。

それを載せないと意味がない。




読んでください。




映画「サマーウォーズ」より 



たまには遠くを眺めてぼーっとしようね。