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HSPの私のこと

1.HSPとは

HSPとは、"Highly Sensitive Person" の頭文字を取ったものである。

日本では「繊細さん」なんて言われたりしている。そんな人が5人に1人ぐらいの割合でいるらしい。

5人に1人と聞くと、普段関わっている人の中に誰かしらHSPの人がいるんじゃないかなと思う。自覚してない人も公言してない人もいるだろう。

HSPは病気ではなく、生まれ持った気質である。気質だから治らないし具体的な治療法があるわけでもない。

HSPは人口の約20%しかいなので、マイノリティである。

約80%の人が気にならないことを気にして疲れたり、みんなができることができなかったりする。それゆえ、劣等感を持ちやすく、自己否定しがちである。だから、HSPの人はうつ病になりやすいそうだ。

最近は、HSPの本がベストセラーに選ばれているし、ロンブーの淳がHSPを公言しているので、現在進行形で認知度が高まっている。

2.自分がHSPだと気づいた経緯

HSPをよく知らなかった時の私が想像していた繊細さんって、学校で例えると、教室の端っこでひっそりと本を読んでいるようなおとなしい人っていうイメージだった。クラスの中心にいる人気者を怖いって思ってる人。周りにビクビクしている人。みたいな。(偏見にも程がある)(無知って怖いね)(ごめんなさい)

私が今まで仲良くしてきた人は、クラスの中心的な存在の人が多かった。いつもそういう人とつるんでたから、自分は違うだろうなってどこか他人事にしていた。

でもそんなとき、就活に向けた自己分析の一環でHSPというものに偶然辿り着いた。

HSPの人の特徴を見てみると、

・共感しやすい

・刺激を受けやすい

・疲れやすい

・ネガティブ思考で自己否定しがち

・1人の時間が必要

・マルチタスクが苦手

と書かれていた。

え?これ私のトリセツじゃんって思うぐらい当てはまったので、HSPの診断をやってみたら

このように、HSPという結果が出た。

3.HSPらしいエピソード

この結果を見て、今までの自分の行動や、周りからの刺激に対する反応を思い出してみた。

親や祖父母から聞いた話によると、私がまだ小さかった時、扇風機とエアコンのスイッチを押しただけでギャン泣きしていたそう。幼い頃から音に敏感だったらしい。

スイッチの音に反応していたのか、機械が作動する音に反応していたのかはわからない。なんせそんな前の記憶がない。

今は誰よりも冷房に当たりたがるしフル活用している。「暑い」という状態、汗をかいている状態が不快だから。

それにしても私のせいで暑いのに涼めなかったのは本当に申し訳ないと思う。みんなに謝りたい。

日常生活もHSPあるあるが溢れてる。

液晶画面の明るさや部屋の電気はかなり暗めに設定している。ざらざらした洋服のタグは気になるから切っちゃう。アレルギー反応を起こすものがいくつかあって、くしゃみが出たり蕁麻疹ができたりする。満員電車は生き地獄。車のクラクションには必要以上にびっくりする。

あと、私によくあるのは、他人の何気ない表情や言葉が頭から離れないことである。

ちょっと天然な子が、周りから「アホだな」とか「ポンコツだな」って言われていて、その子は「うるさいなぁ」って明るく振る舞ってたんだけど、ふとした時に嫌そうな顔をしてたのが頭から離れなかった。
「るなみも言っていいんだよ?」って言われたけど、あの表情が忘れられなくてイジることなんてとてもじゃないけどできなかった。

挙げたらキリがないけど、こんな感じのエピソードがたくさんある。HSPとわかった今なら全てに納得できる。

読み返すと生き辛そうって自分でも思う(笑)

4.HSPという結果を見て

HSPという結果を見た時、20年間私を悩ませていた苦しみの正体がわかってスッキリした。霧が晴れたような感覚があった。

他にもいろんな感情が湧いてきた。

変えられない気質と一生付き合っていかなきゃいけないという絶望

生き辛さがこの先もずっと付き纏ってくるんだという鬱陶しさ

マイノリティが故に、理解してもらえないかもしれないという不安

"私はダメ人間"という囚われからの解放

本当の意味で人生のスタートを切れたという希望

今までの自分の行動は、繊細な自分を外部から守るためだったんだという納得感

私以外にもこういう気質の人がいるんだという安心感

生き辛さの理由がわかって、もう名前のない苦しみに悩まなくてもいいという喜び

これらが一気に溢れてきて涙として外に出てきた。
この歳で声が漏れちゃうぐらい泣いた。
泣くのに飽きるまで泣いた。

今までいっぱい我慢したね。
よく耐えてこれたね。
疲れたね。
しんどかったよね。
なんとかやりすごしてきたけど、
思い返せばずっと苦しかったよね。
ここまでよく頑張ったね。
偉かったね。

そうやって過去の私を抱きしめた。

些細なことが気になっちゃって悩みやすいのに誰にも言えなくて、お風呂とか布団の中で声を押し殺してよく泣いてたな。

鈍感な人たちがずっと羨ましかった。
私が気にしちゃうことに対して平気でいられるなんて信じられなかった。

私は、非HSPの人からしたら余計だと思われるようなことでくよくよ悩んでいた。これって本当に疲れるけど気になっちゃうからどうしようもなかった。些細なことで悩みたくないって何度思ったことか。

でもこれは治らないんだって。
ずっとこの気質と付き合っていかなきゃいけないんだって。

それならもうHSPの特徴を熟知して、上手くコントロールするしかない。

私に嫌なことをしてくる人は関わらないほうがいい。もし誰かに嫌なことをされたら、とりあえず美味しいご飯を食べてゆっくりお風呂に浸かって早く寝よう。泣きたくなったら泣けばいい。

HSPの人は外部からの刺激に敏感だけど、これはマイナスの刺激に限らず、プラスの刺激も人より何倍も深く感じられる。

だから、芸術作品や音楽を鑑賞したら人より心の奥底まで響くし、いい匂いに癒されるし、季節の移ろいを楽しめるし、誰よりも日常の小さな幸せを噛みしめられるってこと。

周りの人が気にならないことに気づけるから、些細なことで心の底から喜べるのはある意味お得だよね。

もっと美味しいものを食べたい
大好きな人たちと喋り倒したい
大好きな音楽をかけて踊りたい
心地良い空間でぼーっとしたい
知らない街の空気を感じたい
良い匂いを嗅いで癒されたい
美しい景色に見惚れたい
動物に触れて和みたい
面白い本を沢山読みたい
まだまだ勉強したい
もっと美術館とか行ってみたい
息をするのが苦しくなるくらい笑いたい

今やりたいことがこんなにある。
探せばきっともっとある。

五感をいい方向に活用したい。

プラスの刺激でいっぱいにして、毎日を豊かにしていきたい。そうしたらHSPの悪いところじゃなくて良いところが色濃く見えるようになると思う。

ロンブーの淳は、HSPであることを「宝」と言っている。
HSPを宝にできるかどうかは自分次第だね。
どうせなら宝物にしたい。
だって人口の2割の人しか味わえないことがわかるんだから。

私はHSPと付き合って生きていく。
これを私の中の一つの個性として受け入れる。
自分で自分の人生を充実したものにしてみせる。

さーて、明日は何をしようかな。

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