本屋さんが増えていく仕組みを広めよう

2013年4月に無人古本屋、2019年7月にブックマンションという本屋さんを作った。

無人本屋は、実店舗を借りて本棚を設置し、本棚に本を置き、支払いはカプセルステーションで行ってもらう。ブックマンションはみんなで本を持ち寄り販売、運営もみんなで行っていく。

よく「邪道だよね」と言われる。たしかに、一般的な本屋さんとは異なるので無理はない。ただ、2008年から2018年の10年間に約30%もの書店が減っているのに対して、「本屋さんどんどんつぶれているよね。大変なんだろうね」というだけで終えたくなく、たとえ”今の基準”では本屋さん未満かもしれないけど、本のある空間を増やす仕組みに取り組み、それを知らない人に広げていきたかった。

目標は本屋さんを作りたいのではなく、本屋さんが自然と増えていく仕組みを広げることにある。

楽天という会社に新卒で入社をし、16年間勤務をして2019年4月に退社した。なので書籍の流通についても、書店員さんの業務内容も全くわかっていない。本屋さんが好きでふらふらと本屋さん巡りを楽しんでいる社会人だった。こんなにも面白い本屋さんがあるのだから、自分のお店を作ったとしても到底太刀打ちできないだろうし、そもそもそこに対して対抗するようにお店を作っていこうとなど恐れ多く微塵にも思っていなかった。

ただ、業界全体を見てみると、「本屋さんを増やす」という活動をしている人はおらず、門外漢の立場だからこそ本屋さんが自然に増えていくような仕組み作りに取り組んだり広げたりできるのではないかと思っている。

一人で取り組むことには限界があることは会社生活の中で痛いぐらいに感じていた。そう感じているからこそ、日本中に多くいるであろう本屋さん運営に興味がある人に動いてもらえるようなフォーマットを用意し、活用してもらいたい。

無人の本屋

ブックマンション

どちらもこの世に存在していなかったわけではない。既にあるのに多くの人に知られていない”いい”と思える仕組みを広げる役目を担いたい。そして、いい仕組みを広げるためには自分が取り組まないと確信をもって言えない。仕組みを見てもらうために自分自身も取り組み、取り組んだからこそ感じたことを皆に伝えていきたい。


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