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いわた書店「一万円選書」当選物語

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北海道にあるいわた書店さんが、自分のためだけに一万円分の本を選んでくださる「一万円選書」。運良く当選した私が、応募・当選するまでや選んでいただいた10冊の本について書いています。
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記事一覧

「一万円選書」当選物語:#7『トリツカレ男』

私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。 *** 7冊目は、いしいしんじ著。『トリツカレ男』。 「何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり」な主人公、「トリツカレ男」のジュゼッペ。この物語はこんな風に始まる。  ジュゼッペはみんなから「トリツカレ男」ってあだなで呼ばれている。一度なにかにとりつかれちゃうと、もう、ほかのことにはいっさ

「一万円選書」当選物語:#6『今日の人生』

私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。 ***  6冊目は益田ミリ『今日の人生』。  どんな本かなと思ったら、中身は主にマンガでちょっとびっくり。ピンク、きみどり、水色、そして真っ黒なカラーページに印刷された見た目も美しい本。本の中では、イラストレーターのミリさんが、いろいろな「今日」を彼女の目線で切り取って伝えてくれる。  お盆に帰

「一万円選書」当選物語:#5『横道世之介』

 私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。 ***  5冊目は吉田修一著『横道世之介』。  主人公は、大学進学のために長崎から上京した横道世之介18歳。地元を離れ、進学・就職したことのある人なら誰しも「こんなことあったな」、「この気持ち覚えてる」と思えるようなそんな小説。  中国語でも出版され、映画化もされています。映画の出演陣は高良健

「一万円選書」当選物語:#4『チーム』

 私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。 ***   4冊目は堂場俊一著『チーム』。テーマはタイトルの通り、『チーム』について。文庫本の紹介文を引用します。 箱根駅伝出場を逃した大学のなかから、予選で好タイムを出した選手が選ばれる混成チーム「学連選抜」。究極のチームスポーツと言われる駅伝で、いわば"敗者の寄せ集め”の選抜メンバーは、何の

「一万円選書」当選物語:#3『昨夜のカレー、明日のパン』

 私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。 ***   3冊目は木皿泉著『昨夜のカレー、明日のパン』。2014年、本屋大賞第2位。NHKでドラマ化もされています。ドラマの出演陣も豪華。仲里依紗、星野源、鹿賀丈史などなど。  ちなみに「木皿泉」というのは夫・和泉勉、妻・鹿年季子による夫婦脚本家の名前だそう。夫婦で何か一緒に作品を作るって、い

「一万円選書」当選物語:#2 『あん』

 私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。  前回からは私が実際に選んでいただいた10冊の本をそれぞれ紹介しています。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。  2冊目に紹介するのは、ドリアン助川著『あん』。  町の小さなどら焼き屋さんから始まるストーリー。さえない店長・千太郎と、突然バイトにやってきたおばあさん・徳江による、「あん(餡)」の製造工程が丁寧に描かれていて、地元の

「一万円選書」当選物語:#1『夏への扉』

 私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。  今回からは私が実際に選んでいただいた10冊の本をそれぞれ紹介していきます。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。  記念すべき1冊目はロバート・A・ハインライン著『夏への扉(原題:The Door Into Summer)』。ちょうど夏ということもあってまずはこの本から。  主人公は牡猫ピートと暮らす技術者ダン。彼を「技術者」と呼

「一万円選書」当選物語:序章後編

私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。 今回は私が「一万円選書」に応募・当選して本が届くまでのお話です。 前回のnoteはこちら。 なんとなく知っていた「一万円選書」にノリで応募してみた。私は「一万円選書」については以前からなんとなく知っていました。きっかけはなんだったかよく覚えていないのですが、確か母からの情報だったと思います。 私の両親は本好きで、子供の頃は毎週のように図書館に連れていってくれま

「一万円選書」当選物語:序章前編

「一万円選書」当選物語、始めます。数年前、いわた書店さんの「一万円選書」に応募し、初めてにも関わらずビギナーズラックもあってか当選。その後、いわた書店さんとやりとりを重ね、計10冊の本を選んでいただきました。せっかくなのでこの体験についてシリーズ物として書いていこうと思います。 こういった問いには、下記にとっても詳しく載っていますので、こちらではさっくりとした説明だけにとどめておきますね◎ いわた書店とは?北海道砂川市にある1958年創業の書店。現在の店主は二代目の岩田徹